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2026年7月の広告業売上高8,095億円、前年同月比+1.6%に鈍化。うちインターネット広告費は推計4,064億円

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注目のポイント

総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」によると、2026年7月の広告業売上高は8,095億円(809,538百万円)で前年同月比+1.6%となりました。6月の+5.0%から、一段落ちています。7ヶ月連続のプラスではあり、2026年1〜7月の累計は約5兆9,375億円(前年同期比+2.6%)。電通「2025年 日本の広告費」のインターネット広告構成比(50.2%)を適用すると、7月のインターネット広告費は約4,064億円と推計されます。伸びが戻ってこない理由を、検索の入口が変わりはじめていることから考えます。

2025年からの総務省統計データ使用における注意点

2025年1月分から、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」に代わり、総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」のデータを使用しています。この統計では「広告業」というカテゴリにテレビ・新聞・ラジオ・雑誌の4マス媒体とインターネット広告が一緒に含まれています。インターネット広告費の純粋な推移を追うことが難しくなっている点にご留意ください。

参照元:サービス産業動態統計調査(総務省統計局)

広告業の月間売上高(百万円)と前年同月比(2025年1月〜2026年7月)

2026年 2025年 前年同月比
1月 791,077 780,461 +1.4%
2月 779,646 746,145 +4.5%
3月 1,160,094 1,145,831 +1.2%
4月 817,477 784,278 +4.2%
5月 740,923(p) 732,882 +1.1%
6月 838,772(p) 798,906 +5.0%
7月 809,538(p) 796,407 +1.6%
8月 – 756,642 –
9月 – 885,573 –
10月 – 811,993 –
11月 – 845,394 –
12月 – 950,056 –

2026年7月の広告業売上高は809,538百万円(約8,095億円)で、前年同月比+1.6%となりました。前月の+5.0%から3.4ポイント落ちています。

6月から7月への動きを3年分並べると、2024年が−0.5%、2025年が−0.3%、2026年が−3.5%。四半期の締めが明けた反動は例年ありますが、今年はその落ち方が大きくなっています。

前年の7月が高かったことも効いています。2025年7月は前年同月比+7.0%と伸びた月で、その水準の上に乗っているため、今年の伸びは小さく出ます。6月と7月の2ヶ月をまとめると+3.3%で、均せば極端に悪い数字ではありません。

2026年1〜7月の累計売上高は5,937,527百万円(約5兆9,375億円)で、前年同期の5,784,910百万円(約5兆7,849億円)から+2.6%の増加です。なお、5月・6月・7月は速報値(p)です。

参照元:サービス産業動態統計調査(2026年(令和8年)7月分速報、総務省統計局、2026年9月24日公表)

2026年7月のインターネット広告費推計

電通「2025年 日本の広告費」によると、2025年のインターネット広告費は4兆459億円で、総広告費8兆623億円に占める構成比は50.2%です。この構成比を2026年7月の総務省データに適用すると、2026年7月のインターネット広告費は約4,064億円(406,388百万円)と推計されます。

2026年 2025年 前年同月比
広告業売上高 8,095億円 7,964億円 +1.6%
うちインターネット広告費(推計) 4,064億円 3,998億円 +1.6%

ただし、この推計は年間の構成比を各月に一律で適用したものであり、月ごとの実際の構成比は季節要因や広告主の予算配分によって変動します。あくまで参考値としてご覧ください。

参照元:電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月5日発表)

検索の入口が変わりはじめている

ここから先は筆者の見立てです。数字で裏づけたものではありません。

AIモードに吸収されている分がある

筆者が担当しているサイトの感覚では、検索流入のうち2割から3割がAIモード側に移りはじめています。AIモードの中に広告が十分に出ない限り、そこに移った分の検索広告費は発生しません。

GoogleはAI Overviewに続いてAIモードへの広告表示を進めていますが、従来の検索結果ページと同じだけの広告枠になっているかは分かりません。移った分と、そこで新しく生まれた枠との差が、そのまま広告費の目減りになります。

生成AI側に予算が移っている

ChatGPT広告は2026年に入って目標CPA入札やカルーセル広告などを実装し、本格的に予算を投下できる面になりました。検索広告からそのまま移っているのか、別枠で増えているのかは、この統計からは判別できません。ただ、広告主の目線で予算の置き場所が増えたことは確かです。

Museが出てきて「検索の奪い合い」になる

2026年9月8日には、Metaが個人向けのAIエージェント「Muse」を発表しました。買い物も旅行の予約も会話で終わるもので、9月23日には旅行予約サイトの株が大きく売られています。

ユーザーが「予約して」と言うだけで済むなら、その前段にあった検索そのものが要らなくなります。Googleの検索、ChatGPT、そしてMuse。ユーザーが最初に話しかける先の奪い合いが始まっています。広告費がどこに乗るかは、この奪い合いの結果で決まります。

最後に

2026年7月の+1.6%は、6月の+5.0%から落ちた数字です。ただし前年が高い月であること、四半期明けであることを考えれば、単月で悲観する水準ではありません。累計では+2.6%を保っています。

気にしているのは数字そのものより、検索の入口が複数に割れはじめたことです。広告費が減るのではなく、乗る場所が変わる。その移り方が、これから数ヶ月の数字に出てくると見ています。次回は2026年8月分を扱います。

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