注目のポイント
総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」によると、2026年3月の広告業売上高は1兆1,588億円(1,158,831百万円)で前年同月比+1.1%となりました。3月は年度末需要により例年最大の売上高を記録する月ですが、2026年3月も過去最高額を更新した一方、成長率は2025年3月の+1.4%をさらに下回る微増にとどまりました。2026年1-3月累計は2兆7,273億円で前年同期比+2.1%増と堅調です。電通「2025年 日本の広告費」の構成比(50.2%)を適用すると、2026年3月のインターネット広告費は約5,817億円と推計されます。
目次
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査終了に伴う統計データの変更について
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は2024年12月調査をもって終了しました。それに伴い、2025年1月分以降のデータは総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」を使用しています。
従来の経産省調査と総務省調査では、調査対象や集計方法に違いがあるため、2024年以前の数値と2025年以降の数値を単純に比較する際は注意が必要です。
本記事では、総務省が公表している「事業活動の産業(細分類)別売上(収入)金額」の広告業(産業細分類:7311)のデータを使用しています。
2025年からの総務省統計データ使用における注意点
総務省のサービス産業動態統計調査では、2024年以前の実数は2025年1月までの母集団情報変更・標本交替により生じた変動を調整した値が使用されています。そのため、過去の数値が従来公表されていた値と異なる場合があります。
また、直近の月(本記事では2026年1月〜2026年3月)には「p」(速報値)が付されており、今後確定値に修正される可能性があります。
広告業の月間売上高(百万円)と前年同月比(2024年1月〜2026年3月)
2026年3月の広告業売上高は1,158,831百万円(約1兆1,588億円)で、前年同月比+1.1%の成長となりました。3月としては3年連続のプラス成長ですが、成長率は2024年3月→2025年3月の+1.4%からさらに縮小しています。
2026年1-3月(Q1)の累計売上高は2,727,298百万円(約2兆7,273億円)で、前年同期比+2.1%となりました。2025年の年間成長率+5.4%と比較すると、2026年はやや減速傾向にあります。
以下、月別の売上高推移です。
| 月 | 2024年 | 2025年 | 前年比 | 2026年 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 704,981 | 780,461 | +10.7% | 793,770 p | +1.7% |
| 2月 | 706,931 | 746,145 | +5.5% | 774,697 p | +3.8% |
| 3月 | 1,129,602 | 1,145,831 | +1.4% | 1,158,831 p | +1.1% |
| 4月 | 772,571 | 784,278 | +1.5% | – | – |
| 5月 | 678,498 | 732,882 | +8.0% | – | – |
| 6月 | 748,357 | 798,906 | +6.8% | – | – |
| 7月 | 744,524 | 796,407 | +7.0% | – | – |
| 8月 | 755,144 | 756,642 | +0.2% | – | – |
| 9月 | 786,268 | 885,573 | +12.6% | – | – |
| 10月 | 815,280 | 811,993 | -0.4% | – | – |
| 11月 | 787,757 | 845,394 | +7.3% | – | – |
| 12月 | 889,904 | 950,056 | +6.8% | – | – |
| 合計 | 9,519,817 | 10,034,568 | +5.4% | – | – |
※単位:百万円。「p」は速報値。2024年以前の数値は母集団情報変更・標本交替による変動調整済み。
月別に見ると、2026年Q1の3か月はすべて前年を上回っていますが、成長率は1月+1.7%、2月+3.8%、3月+1.1%と一桁前半にとどまっています。2025年の同時期(1月+10.7%、2月+5.5%、3月+1.4%)と比べると、特に1月と3月で伸び悩みが顕著です。
この成長鈍化の背景には、2025年の高い基準値によるベース効果に加え、3月の年度末需要が前年と大きく変わらない構造的な要因があると考えられます。
広告業におけるインターネット広告の構成比
電通「2025年 日本の広告費」によると、日本の広告費全体に占めるインターネット広告費の構成比は50.2%に達し、初めて過半数を超えました。この最新の構成比を2026年3月の広告業売上高に適用すると、以下のように推計できます。
- 2026年3月のインターネット広告費(推計):1,158,831 × 50.2% ≒ 約5,817億円
- 2026年1-3月累計のインターネット広告費(推計):2,727,298 × 50.2% ≒ 約1兆3,691億円
なお、前回までの記事では電通「2024年 日本の広告費」の構成比(47.6%)を使用していましたが、本記事より「2025年 日本の広告費」の最新構成比(50.2%)に更新しています。インターネット広告費の構成比は年々上昇傾向にあるため、実際の数値は推計値をさらに上回る可能性があります。
最後に
2026年3月の広告業売上高は前年同月比+1.1%と、3年連続で3月のプラス成長を維持しました。絶対額では過去最高の1兆1,588億円を記録しており、広告市場のパイ自体は着実に拡大しています。
一方で、成長率の鈍化傾向は明確です。2026年Q1累計の前年同期比+2.1%は、2025年の年間成長率+5.4%を大きく下回っています。筆者の感覚では、2025年の大幅成長によるベース効果が大きく、広告需要そのものが縮小しているわけではないと見ています。特にインターネット広告費の構成比が50%を超えた現在、デジタル領域の成長がどこまで市場全体を牽引できるかが今後の焦点となります。
来月以降も最新データが公表され次第、更新していきます。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。





