注目のポイント
2026年8月6日、ChatGPT広告(ChatGPT Ads)の新たなプロダクトアップデートが発表されました。今回の目玉は、商品フィードキャンペーンでのoCPC(コンバージョン最適化CPC)入札のβ版開始と、マルチプロダクトカルーセル広告のテスト開始です。さらにConversions API連携やAAM(自動アドバンスドマッチング)の自動有効化など、計測基盤の強化も進んでいます。本記事では8項目のアップデートをまとめて解説します。
今回のアップデート一覧
8項目を大きく3つのカテゴリに分類できます。
| カテゴリ | アップデート内容 |
|---|---|
| 配信・入札 | ①商品フィードのoCPC対応(β)、②oCPCの一括作成・クローン、③マルチプロダクトカルーセル |
| 計測・トラッキング | ④Dynamic URLパラメータ、⑤Triple Whale連携、⑥Hightouch Conversions API、⑦Pixel検証診断、⑧AAM自動有効化 |
| エリア拡大 | ブラジル・メキシコへの展開 |
①商品フィードキャンペーンでoCPC入札が利用可能に(β版)
商品フィードキャンペーンで、コンバージョン最適化CPC(oCPC)入札がβ版として利用できるようになりました。
oCPCとは何ですか?
oCPC(optimized Cost Per Click)は、Google広告でいう拡張CPC(ECPC)に近い仕組みです。課金はクリック単価ベースのまま、システムがコンバージョンに繋がりやすいクリックを優先して入札を自動調整します。
今回の初期リリースでは、固定入札(Fixed)または手動入札(Manual)にコンバージョン単価の上限キャップ(positive conversion bid cap)を設定する形式です。
Google広告のECPCとの比較
| ChatGPT Ads oCPC | Google広告 ECPC(参考) | |
|---|---|---|
| 課金方式 | CPC(クリック課金) | CPC(クリック課金) |
| 最適化対象 | コンバージョン | コンバージョン |
| 入札ベース | 手動/固定+CV上限キャップ | 手動CPC+自動補正 |
| 完全自動入札(tCPA等) | 未対応 | 対応済み |
ChatGPT Adsの入札はまだ「固定CPC → oCPC」のステージにあり、Google広告のtCPA/tROASのような完全自動入札には至っていません。今後の進化に注目です。
参照元:ChatGPT Ads adds conversion bidding, geo exclusions and bulk campaign tools – Search Engine Land
②oCPCキャンペーンの一括作成・クローンが可能に
既存のCPC(クリック課金)キャンペーンをoCPCキャンペーンにクローン(複製)できるようになりました。また、oCPCキャンペーンの一括作成にも対応しています。
クローン時、対象のコンバージョンイベントが1つだけの場合はAds Managerが自動で設定を埋めてくれます。複数ある場合は手動で選択が必要です。
既存キャンペーンの設定をそのまま引き継げるため、oCPCのテスト導入がしやすくなりました。
③マルチプロダクトカルーセル広告のテスト開始
商品フィード広告で、1つの広告ユニット内に複数の商品を表示するカルーセル形式のテストが開始されました。
従来の商品フィード広告は1商品1広告でしたが、カルーセル形式では商品名・価格・セール価格・レビュー評価が並んで表示されます。ユーザーがChatGPT内で比較検討しているタイミングに複数商品を見せられるため、購買意欲の高い場面でのリーチが期待できます。
筆者の感覚では、Meta広告のカルーセル広告やGoogleショッピング広告のマルチ商品表示に近い形式です。ChatGPT Adsでもフィード系広告のフォーマットが急速に充実してきている印象です。
④Dynamic URLパラメータ——計測の自動化
ランディングページのURLクエリパラメータに、以下のマクロが使えるようになりました。
| マクロ | 内容 |
|---|---|
{campaign_id} |
キャンペーンID |
{ad_group_id} |
広告グループID |
{ad_id} |
広告ID |
{ad_account_id} |
広告アカウントID |
配信時にマクロが自動的に実際の値に置換されます。Google広告の{campaignid}やMeta広告のURL パラメータと同じ仕組みです。
GA4やその他の計測ツールとの連携が格段に楽になります。これまで手動でIDを埋め込んでいた作業が不要になるため、運用効率の面でも大きな改善です。
⑤Triple Whale連携——Sonar Optimizeも利用可能
EC向け計測プラットフォーム「Triple Whale」がChatGPT Ads連携に対応しました。
何ができるようになりますか?
- ChatGPT AdsのデータをTriple Whale内でMeta・Google・TikTokなど他チャネルと並べて計測可能
- Sonar Optimizeにより、コンバージョンシグナルをOpenAIに返してoCPCの最適化精度を向上
Google広告でいうと、Sonar Optimizeは「拡張コンバージョン」のサードパーティ版に近い位置づけです。より質の高いコンバージョンデータを広告プラットフォームに返すことで、入札最適化の精度が上がります。
参照元:Introducing ChatGPT Integration and Sonar Optimize – Triple Whale
⑥Hightouch Conversions API対応——サーバーサイドCVトラッキング
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)のHightouchが、ChatGPT AdsのConversions APIに対応しました。データウェアハウスやCRMからコンバージョンイベントをAPI経由でOpenAIに送信できます。
これは何に相当する機能ですか?
Google広告でいうオフラインコンバージョンインポート、Meta広告でいうCAPI(Conversions API)に相当します。ブラウザのPixelだけでは捕捉できないコンバージョン(電話問い合わせ、店舗来店、後日の購入など)をサーバーサイドで送信し、計測と最適化に活用できます。
Google/Metaとの比較
| ChatGPT Ads | Google広告 | Meta広告 | |
|---|---|---|---|
| サーバーサイドCV送信 | Conversions API(Hightouch経由) | オフラインCV / 拡張コンバージョン | Conversions API(CAPI) |
| 直接API利用 | パートナー経由が先行 | 直接利用可能 | 直接利用可能 |
現時点ではHightouchやTriple Whale経由での連携が先行しており、広告主が直接APIを叩く方法は公式ドキュメントで確認できていません。今後の公開に期待です。
参照元:Hightouch supports Conversions API for ChatGPT Ads(2026年7月29日)
⑦Pixel検証診断ツール——エラーの原因特定が容易に
Ads Manager内でPixelの検証結果をより詳しく確認できるようになりました。具体的には以下の情報が表示されます。
- イベントが送信前にドロップされた理由
- 影響を受けたフィールド名
- エラーの種類
- 推奨される修正方法
確認手順は「Tools → Conversions → 右側の診断パネル」です。
Google広告のタグ診断やMeta広告のイベントマネージャーのデバッグ機能に相当します。ChatGPT Adsの計測トラブルシューティングがセルフサービスで行えるようになったのは運用効率の面で大きいです。
⑧AAM(自動アドバンスドマッチング)が既存Pixelにも自動適用
2026年8月17日から、既存のWeb Pixelにも自動アドバンスドマッチング(AAM)が自動有効化されます。新規Pixelではすでにデフォルトで有効です。
AAMとは何ですか?
Webサイトのフォームに入力されたメールアドレスや電話番号などの顧客情報をハッシュ化し、広告のインタラクションデータとマッチングすることで、コンバージョンの紐付け精度を高める機能です。
Google広告の「拡張コンバージョン(自動収集)」やMeta広告の「自動アドバンスドマッチング」と同じ概念です。
オプトアウトしたい場合
AAMを有効にしたくない場合は、8月17日までに「Tools → Conversions → Data Source → Edit pixel」から無効化できます。
ブラジル・メキシコへのエリア拡大
ChatGPT Adsがブラジルとメキシコに展開されます。これまで米国中心だった配信エリアが中南米に広がる形です。
日本市場への展開時期は明言されていませんが、対応エリアが拡大しているペースを見ると、アジア太平洋地域への展開も遠くないかもしれません。
ChatGPT Adsの計測基盤が急速に整備されている
今回のアップデートを俯瞰すると、配信面の進化(oCPC、カルーセル)と同時に、計測・最適化インフラの充実(Conversions API、AAM、Pixel診断、Dynamic URL)が目立ちます。
筆者の印象としては、ChatGPT Adsは「広告を出せる場所」から「成果を計測して最適化できるプラットフォーム」へと急速に進化しているフェーズです。
Google広告やMeta広告が数年かけて構築してきた計測インフラを、ChatGPT Adsは数ヶ月単位で整備しています。まだtCPA/tROASのような完全自動入札は実装されていませんが、oCPCとConversions APIが揃った今、次のステップとしてコンバージョンベースの自動入札が登場する可能性は高いでしょう。
EC事業者にとっては、商品フィード+oCPC+カルーセルの組み合わせが揃いつつあるため、テスト配信を検討する良いタイミングかもしれません。
参照元:ChatGPT Ads adds conversion bidding, geo exclusions and bulk campaign tools – Search Engine Land
最後に
2026年8月6日のChatGPT Adsアップデートは、配信面と計測基盤の両面で大きな進展がありました。
特に運用者として押さえておくべきポイントは3つです。oCPC入札のβ版開始により、コンバージョン最適化がChatGPT Adsでも可能になったこと。Conversions APIとAAMにより、計測精度の向上手段が増えたこと。そしてカルーセル広告のテスト開始により、EC向けのフォーマットが充実してきたことです。
8月17日にはAAMの既存Pixel自動有効化も控えています。オプトアウトが必要な場合は期限までに対応してください。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。




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