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ChatGPT初のAIネイティブ広告「ビジネスエージェント」|ランディングページのクリック先がブランド専用チャットに変わる

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注目のポイント

ChatGPTに初のAIネイティブ広告フォーマット「ビジネスエージェント」が登場しました。広告をクリックするとサイトに飛ぶのではなく、そのブランド専用のカスタムGPTが立ち上がり、ChatGPTの中で会話が続きます。実際にWayfair(米国の家具EC)の広告で確認されており、「Chat with us」を押すと質問文が事前に入力された状態でブランドのチャットが始まります。ただしこの広告の中でカード決済まで完結できるのかは、現時点の公開情報では確認できません。ChatGPT内の決済機能自体は存在しますが、米国限定かつ単品購入のみで、普及も進んでいません。当面は結局サイトに送客する形に落ち着く可能性が高いものの、購入の手前の接点をAIエージェントが握る流れは強まっています。

何が新しいのか?

広告の着地点が変わりました。これまでの広告は、クリックすると企業のサイトに移動します。今回のビジネスエージェント広告は、クリックするとそのブランド向けに設定されたカスタムGPTが立ち上がります。

従来の広告 ビジネスエージェント広告
クリック後 企業のサイトへ移動 ブランド専用チャットが起動
会話の場所 サイト側 ChatGPTの中
中身 ランディングページ カスタムGPT

参照元:Juozas Kaziukėnas氏の投稿(LinkedIn、2026年9月10日)

実際にどう動くのか?

投稿者が試した流れが具体的です。

  • ChatGPTに「金箔の額縁が欲しい」と質問する
  • 回答の中にWayfairの広告が表示され、「Chat with us」というボタンが付いている
  • ボタンを押すと、Wayfairのビジネスチャットが開く
  • その時点で、質問の内容が入力欄に入った状態になっている

裏側はWayfair向けに設定されたカスタムGPTです。ユーザーから見ると、検索して調べる動作と、店に相談する動作の境目がなくなります。

広告主はどこから作るのか?

OpenAIの広告管理画面に、ビジネスエージェントを作成して広告に紐づけるベータ機能があるとされています。リード獲得フォームの機能も用意されています。

なお、Googleにも似たビジネスエージェント型の広告フォーマットはありますが、投稿者は実際に配信されているものを見たことがないと述べています。

ChatGPTの中で購入まで完結できるのか?

ChatGPTには「Instant Checkout」という決済の仕組みがあり、会話から離れずに注文・配送・支払いの確認まで完了できます。ただし条件が限定的です。

  • 対応地域は米国のみ
  • 対応先はEtsyの出店者とShopify加盟店
  • 単品購入のみ。複数商品のカートは今後対応予定
  • カードを処理するのは販売者側。OpenAIは情報を受け渡す役割
  • 販売者に渡るのは、注文完了に必要な最小限の情報のみ

参照元:Buy it in ChatGPT: Instant Checkout and the Agentic Commerce Protocol(OpenAI)

ビジネスエージェント広告で決済できるかは不明

今回のビジネスエージェント広告の中で、そのままカード決済まで通せるのかは、公開情報からは確認できませんでした。Wayfairの例で確認されているのは、ブランド専用チャットが立ち上がるところまでです。

筆者の感覚では、決済が読めない以上、当面は結局サイトに送客する形に落ち着くと考えています。チャットで要望を絞り込み、最後はサイトのカートに渡す。運用側の実装としても、そのほうが素直です。

ChatGPT内の決済はどこまで普及しているのか?

ここは二次情報のため数字の精度は保証できませんが、実態を示す報告が出ています。

  • 2026年2月時点で、実際に稼働しているShopify加盟店は約30店との報告。発表時の「100万店以上が参加予定」とは大きく開きがある
  • Walmartは、チャット内決済の完了率が自社サイトへの送客と比べて約3分の1だったとして、体験の終了を表明したとされる
  • 一方で、ChatGPT経由の新規顧客は検索エンジン経由の約2倍という報告もある

この3つを並べると、「見つけるのはAIの中、買うのは自社サイト」という形が現実的な着地点に見えます。

参照元:Why AI Checkout Stalled: Discover in AI, Buy on Site(Digital Applied)

それでもAIエージェントの存在感は強まる

決済が伸び悩んでも、影響が小さいわけではありません。購入の手前、つまり何を買うか決める工程がAIの中に移っているためです。

  • 比較検討がChatGPTの中で終わる
  • 候補に入るかどうかがAIの回答で決まる
  • ブランド専用チャットに入った時点で、他社との比較から抜け出せる

筆者の運用経験では、最後の決済よりも、候補に残るかどうかのほうが売上への影響が大きい場面が多いです。その工程が広告として買えるようになった、という点が今回の本質だと考えています。

慎重な見方も出ている

投稿には反対側の意見も付いています。

投稿者自身が「自分がWayfairなら、むしろ自社サイトに来てほしい」と書いています。コメント欄では、Amazonでの販売に詳しい実務家から「他社のエコシステムの中でビジネスを作る感覚はAmazon出品者がすでに知っている。顧客との関係を他のプラットフォームに渡しすぎるのは慎重になるべき」という指摘が出ています。

日本のダイレクト通販に当てはめると、ここは重い論点です。販売者に渡るのが注文に必要な最小限の情報だけであれば、2回目以降の設計が自社で組めません。獲得単価だけを見て判断すると、後から効いてきます。

OpenAIは今後どうすると言っているのか?

OpenAIのCFOであるSarah Friar氏は、現状は無料プランとGoプランのユーザーの回答下にベーシックな広告を出しているだけだと説明しています。

そのうえで、将来はもっと複雑で個別に最適化された形式になるとし、「AIに本当に根ざしたフォーマットはまだ出していない」と述べています。つまり今見えているものは、まだ入口だという位置づけです。

最後に

現時点でできることを整理すると、ビジネスエージェント広告は「ブランド専用チャットへの入口を買う広告」です。決済まで通せるかは分からず、当面はサイトに送客する形が続くと見ています。

ただし、比較検討の場がAIの中に移る流れは変わりません。日本で配信できるようになるのを待つ間にやれることがあるとすれば、自社の商品情報や想定問答が、AIに正しく読める形で整理されているかを確認しておくことだと考えています。ブランド専用チャットを作る段になって、そこから始めるのでは遅いはずです。

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