注目のポイント
Google広告の「メッセージ アセット」で選べるメッセージ手段が広がりました。WhatsApp・Messenger・Zalo・SMSに加えて、LINEが選べるようになっています。日本の案件にとってはここが本題です。かつて「メッセージ表示オプション」という機能がありましたが、あれは2020年2月に廃止されています。当時は電話番号を入れてSMSでやり取りする形で、既存のお客様からの問い合わせが混ざり、質の良いリードが取りにくい問題がありました。今回のメッセージアセットには「開始メッセージ」という欄があり、ユーザーが最初に送る文面をこちら側で決められます。この1項目で、入ってくる相談の内容をある程度そろえられる点が、以前との一番の違いだと考えています。
選べるメッセージ手段は5つ
管理画面の「メッセージ プラットフォームを選択」から選びます。

| メッセージ手段 | 備考 |
|---|---|
| LINE | 日本の案件で使えるのはここ |
| 従来からの対応 | |
| SMS | 従来からの対応 |
| Messenger | 2025年に追加 |
| Zalo | 2025年に追加。ベトナム向け |
2026年7月時点でベータ提供とされており、アカウントによって使えるかどうかが違います。
参照元:メッセージ アセットについて(Google 広告 ヘルプ)
昔の「メッセージ表示オプション」と何が違うのか?
同じ名前の機能を覚えている方も多いと思います。あれは2020年2月に廃止されました。今回のメッセージアセットは、その後継にあたるものです。
| 旧:メッセージ表示オプション | 現:メッセージ アセット | |
|---|---|---|
| 手段 | SMSのみ | LINE・WhatsApp・Messenger・Zalo・SMS |
| 指定するもの | 電話番号 | LINE IDなど、各手段のアカウント |
| 最初の文面 | 企業側から用意する定型文 | ユーザーが送る「開始メッセージ」を設定できる |
| 状態 | 2020年2月に廃止 | ベータ提供中 |
当時うまくいかなかった理由
筆者の運用経験では、旧オプションの問題は「誰でも送れてしまう」ことでした。
電話番号あてのSMSなので、届く内容が混ざります。
- 予約日を変更したい
- すでに使っている商品についての質問
- 営業や売り込みの連絡
新規の見込み客を取るために出した広告なのに、既存のお客様の用件や関係のない連絡が入ってきます。結果として、リードの数は増えても質が伴わない状態になりました。
LINEを選んだときの設定項目
実際の画面です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 追加先 | アカウント単位などを選ぶ |
| LINE ID | @から始まるID。18文字まで |
| 開始メッセージ | ユーザーが最初に送る文面。140文字まで |
| 行動を促すフレーズ(省略可) | ボタンの文言を選ぶ |
| 行動を促すフレーズの説明 | 30文字まで |
| キャンペーンの最適化 | オンにすると「メッセージからコンバージョンに至ったリード」がアカウントのデフォルトのコンバージョン目標になる |
画面には「ユーザーから LINE でメッセージが届きます」と書かれています。
開始メッセージがこの機能の肝
一番手を入れるべきなのは開始メッセージです。
これは企業からのあいさつ文ではありません。ユーザーが自分の言葉として送る文面を、こちら側があらかじめ用意しておくものです。「このコースについて詳しく知りたいです」のような一人称の書き方になります。
ここで用件を絞り込める
筆者の運用経験では、旧オプションで起きていた「用件が混ざる問題」は、ここで手を打てると考えています。
開始メッセージに新規相談だと分かる文面を入れておけば、予約の変更や既存商品の質問で送ろうとしている人は、その文面のまま送りにくくなります。営業の連絡も同様です。
- 新規の見込み客向け:「はじめての利用を検討しています。空き状況を教えてください」
- 既存客が使いにくい形にする:用件を新規相談に限定した書き方にしておく
もちろん、書き換えて送ることはできます。それでも、最初に入っている文面が入口の空気を決めるので、届く相談の内容はかなり寄せられるはずです。ここは実際に配信して確かめたいところです。
計測と配信の条件
- コンバージョン計測:ユーザーが開始メッセージを送った時点で「会話の開始」として自動計測される。タグの設置は不要
- 対応キャンペーン:検索キャンペーンとP-MAX(検索枠の在庫のみ)
- 配信面:モバイルのみ
- 入札:コンバージョンを目標にした入札が必要
- 同時表示:メッセージのボタンが出ているときは、通話アセットやリードフォームアセットは同時に表示されない
LINEの友だち登録がまだのユーザーは友だち追加の画面に、登録済みのユーザーはチャット画面に直接移動します。
参照元:LINEメッセージアセットとは?Google広告からLINEで会話を開始する設計・データ連携の解説ガイド(CrescLab)
使うかどうかの判断
電話の問い合わせが多い業種で、その電話の中身が新規と既存で混ざっている場合は、試す価値があると考えています。
| 向いている | 慎重に考えたい |
|---|---|
| 来店予約や見積もり相談など、会話が必要な商材 | その場で買い切れるEC商材 |
| LINE公式アカウントをすでに運用している | LINEの受け答えをする人がいない |
| 電話対応の負荷を下げたい | 返信が遅れると失注する業種で、体制が組めていない |
入口を広げる前に、受ける側の体制を確認するほうが先です。会話が始まってから返信が来ないのは、電話が繋がらないのと同じ扱いになります。
最後に
メッセージアセットでLINEが選べるようになったこと自体も大きいですが、実務で効くのは開始メッセージを自分で決められる点だと考えています。
旧オプションが振るわなかった理由が「用件を選べないこと」だったとすれば、そこに手が入った形になります。数を追う機能ではなく、入ってくる相談の中身をそろえる機能として見るのが、使い方としては近いはずです。
なお、ベータ提供のためアカウントによって出ていません。まずは自分のアカウントで、アセットの追加画面に「メッセージ」が出ているかを確認するところからになります。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。





