注目のポイント
ショッピングキャンペーンにAI Max(AI最大化設定)がベータ版として登場しました。AI Maxを有効にすると、Google AIがMerchant Centerのフィードデータをもとに商品タイトルを動的に最適化(テキストのカスタマイズ)し、さらに最終ページURLの拡張で商品ページ以外のカテゴリページや特集ページにもトラフィックを送れるようになります。Googleの公式データによると、AI Max for Shoppingを有効にした広告主は同程度のCPA/ROASで平均5%のコンバージョン増を達成しています。日本のアカウントでも設定画面が確認されています。
AI Max for Shoppingとは何か?
AI Max for Shoppingは、既存のショッピングキャンペーンにAI最適化機能を追加するベータ版の機能スイートです。検索キャンペーン向けのAI Maxと同様の考え方で、ショッピング広告にもAIによる拡張を適用します。
主な機能は2つです。

1. テキストのカスタマイズ(アセットの最適化)
Google AIがMerchant Centerのフィードデータとウェブサイトの情報を活用し、商品タイトルを検索クエリに合わせて動的に書き換えます。
| 元の商品タイトル | AI最適化後に表示されるタイトル例 |
|---|---|
| Lounge deep 93″ sofa | Lounge deep 93″ sofa(そのまま) |
| Made in USA 93″ Deep Sofa | |
| Lounge Deep Sofa with Soft Cushions |
フィード内の属性情報(素材、産地、機能など)を抽出し、ユーザーの検索意図に合った形でタイトルを再構成します。たとえば「防水 ハイキングブーツ」と検索したユーザーには「Men’s Waterproof Hiking Boot」が表示され、元の「Mens Shoe SKU 123」よりも関連性が高い広告が配信されます。
AIが生成したタイトルは、元のフィードデータに基づいて正確性が検証され、パフォーマンス向上が予測される場合のみ配信されます。改善が見込めない場合は元のタイトルがそのまま使われます。
2. 最終ページURLの拡張
通常のショッピング広告はMerchant Centerの商品URLにしかトラフィックを送れませんが、最終ページURLの拡張を有効にすると、ウェブサイト内のカテゴリページ、新着ページ、エディトリアルページなど、商品URL以外の関連ページにもトラフィックを送れるようになります。
注意点として、最終ページURLの拡張はテキストのカスタマイズがONでないと有効にできません。LP拡張で飛ばした先のページとAI生成の広告コピーが一致する必要があるためです。つまりこの2つは実質的にセットの機能です。
LP拡張が有効になると、ショッピング広告に加えてテキスト広告フォーマットも利用可能になり、より情報探索的(ミッドファネル)なクエリにもリーチできるようになります。
参照元:About AI Max for Shopping campaigns (beta)(Google 広告ヘルプ、英語版)
AI Max for SearchとAI Max for Shoppingの違い
| AI Max for Search | AI Max for Shopping | |
|---|---|---|
| ベースとなるキャンペーン | 検索キャンペーン | ショッピングキャンペーン |
| クリエイティブの元データ | 広告主が設定した見出し・説明文 | Merchant Centerのフィードデータ |
| テキストのカスタマイズ | 見出し・説明文のAI生成 | 商品タイトルのAI最適化 |
| 最終ページURLの拡張 | あり | あり(テキストのカスタマイズとセット) |
| フォーマット | テキスト広告 | ショッピング広告 + テキスト広告(LP拡張時) |
| AI Overviews / AIモード対応 | 対応 | 対応(テキストのカスタマイズ有効時) |
AI Max for Shoppingの最大の特徴は、フィードデータを「静的なリスト」ではなく「商品データベース」として活用し、属性情報を抽出してクエリマッチングに使う点です。これにより、フィード最適化を手動で行う負荷が大幅に軽減されます。
P-MAXとの違い
P-MAX(Merchant Centerフィード付き)はすでにフィードベースの最終ページURLの拡張やテキスト広告への展開をサポートしています。では、AI Max for ShoppingとP-MAXは何が違うのでしょうか。
- P-MAXはすべてのGoogle広告面(Search、YouTube、Display、Discover、Gmail、Maps)に横断配信するキャンペーンタイプ
- AI Max for Shoppingはあくまでショッピングキャンペーンの拡張であり、配信面はSearch中心
- ショッピングキャンペーンの入札・商品グループ・ターゲティングの構造はそのまま維持される
つまり、P-MAXのフルオート運用ではなく、ショッピングキャンペーンの細かい制御を維持したままAIの恩恵を受けたい場合にAI Max for Shoppingが選択肢になります。
参照元:Adapt your Shopping campaigns to modern Search with AI Max(Google公式ブログ)
設定方法と注意点
ショッピングキャンペーンの設定画面に「AI最大化設定」のセクションが表示されます。トグルをONにするだけで有効化でき、以下の設定が可能です。
- テキストのカスタマイズ:商品タイトルのAI最適化(単独で有効化可能)
- 最終ページURLの拡張:テキストのカスタマイズとセットで有効化
- ブランドの除外:除外対象のブランドリストを設定可能
- URL除外:特定のURLをLP拡張の対象外にできる
- テキストガイドライン:AI生成テキストに対するガイドラインを設定可能
最終ページURLの拡張はいつでもOFFにでき、既存の商品ターゲティングと入札構造はそのまま維持されます。
筆者が注意すべきだと感じるのは、LP拡張を有効にした場合に意図しないページにトラフィックが流れる可能性がある点です。URL除外設定を活用して、問い合わせページやブログページなど、コンバージョンに直結しないページへの流入を制御することをおすすめします。
最後に
AI Max for Shoppingは、ショッピングキャンペーンの運用構造を維持しながらAI最適化の恩恵を受けられる機能です。P-MAXのフルオートに抵抗がある広告主にとっては、AI活用の入り口として使いやすい設計になっています。
ただし、テキストのカスタマイズで商品タイトルがどう書き換えられるか、LP拡張でどのページにトラフィックが流れるかは、有効化後にレポートで確認する必要があります。検索語句と広告の組み合わせレポートと併用して、AIが何をしているかを把握しながら運用するのが現時点でのベストプラクティスと言えるでしょう。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。

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