注目のポイント
ChatGPT広告の入札が、上限を決める形から目標値を決める形に変わります。2026年11月9日から、コンバージョンキャンペーンに目標CPA、クリックキャンペーンに目標CPCが登場します。新規作成するキャンペーンでは、それぞれMax BidとMax CPCに代わる設定になります。既存のキャンペーンはそのまま動きますが、Max BidとMax CPCは2027年1月1日に廃止され、目標CPA・目標CPCに置き換わります。一番大きい違いは、目標CPCが上限ではないことです。オークションごとに、設定した目標を上回る入札もします。OpenAIは、目標が厳しすぎたりコンバージョンのシグナルが弱かったりすると、配信が絞られて予算が余ると警告しています。
11月9日から何が変わるのですか?
キャンペーンの作成時と更新時に、目標とする単価を選べるようになります。
- 目標CPA(Target CPA):コンバージョンキャンペーン向け。購入や問い合わせ1件あたりに払いたい平均の金額を設定すると、システムが入札と配信をその目標へ寄せていきます
- 目標CPC(Target CPC):クリックキャンペーン向け。設定した平均クリック単価へ寄せながら、予算の中でできるだけ多くのクリックを取りにいきます
Ads Managerで新しく作るキャンペーンでは、目標CPAがMax Bidを、目標CPCがMax CPCを置き換えます。
OpenAIはこの方向性を「intelligent by default(既定で賢く)」と表現しています。広告主は成果と予算を伝え、入札と配信の調整はシステムが引き受ける、という考え方です。
目標CPCとMax CPCは何が違うのですか?
Max CPCは1クリックごとの上限でしたが、目標CPCは上限ではありません。ここが今回の変更で一番大きいところです。
| 項目 | Max CPC(これまで) | 目標CPC(これから) |
|---|---|---|
| 設定する数字の意味 | 1クリックに払う上限 | 払いたい平均のクリック単価 |
| 個別のオークション | 上限を超える入札はしない | 目標を上回る入札も、下回る入札もする |
| 狙い | 1クリックの単価を抑える | 予算の中でクリック数を最大化しつつ、平均を目標に寄せる |
OpenAIの案内には「オークションごとに、目標を上回る入札も下回る入札も行う」という趣旨の説明があります。平均で合わせる仕組みなので、個別の単価に蓋はかからなくなります。
上限入札で高騰を防いでいたアカウントは、守り方を変えることになります。
既存のキャンペーンはどうなるのですか?
しばらくはそのまま動きます。期限は2027年1月1日です。
| 時期 | 起きること |
|---|---|
| 2026年11月9日 | 目標CPA・目標CPCが登場。新規作成分はこちらになる。既存キャンペーンはMax Bid・Max CPCのまま動く。希望すれば手動で切り替えられる |
| 2027年1月1日 | Max BidとMax CPCが廃止。残っている既存のコンバージョンキャンペーンは目標CPAに、クリックキャンペーンは目標CPCに置き換わる |
何もしなければ、2027年1月1日に自動で切り替わります。そのときに目標値が実態と合っていないと、配信が動く可能性があります。
オートビッドはなくなるのですか?
残ります。名前が変わるだけです。
これまで「Maximize results(オートビッド)」と呼ばれていた設定は、intelligent biddingという呼び名に変わります。動き自体は変わらず、予算の中で成果が最大になるように、システムが入札と配信を調整し続けます。
目標値を入れない運用を続けたい場合は、この設定が受け皿になります。
移行の前に何を確認すればいいのですか?
OpenAIが挙げている確認事項は3つです。
- 移行を始める:今あるキャンペーンを見直し、11月9日から目標CPA・目標CPCへ移していく
- コンバージョンのシグナルを確かめる:ピクセルまたはコンバージョンAPIが、キャンペーンに紐づいたデータソースへ対象のイベントを送っているかを確認する。イベントクオリティスコア(EQS)の警告が出ていれば、いま直しておく
- 実績と見比べて目標値を決める:直近の実際のCPAやCPCを見て、現実的な数字を置く
イベントクオリティスコアは、送られてくるコンバージョンの情報がどれだけ揃っているかを点数にしたものです。ここに警告が出ている状態は、システムから見て判断材料が足りていない状態になります。
目標値はどう決めればいいのですか?
直近の実績から置きます。低く置きすぎると、配信が止まります。
OpenAIは案内の中で、目標が厳しすぎたり、コンバージョンのシグナルが弱かったりすると、広告の配信が減って予算が使い切れなくなると書いています。媒体側がここをわざわざ警告しているのは珍しいことです。
筆者の運用経験では、目標CPAを入れる系の入札は、実績より2割も低い数字を置くと露骨に配信量が落ちます。まず実績に近い数字を置いて、配信量が保てることを確認してから下げていく。この順番が無難だと考えています。
最後に
今回の変更で手を動かす前に、見ておきたいものが1つあります。コンバージョンがきちんと取れているかどうかです。
ChatGPT広告は、2026年10月30日からAIが広告文とリンク先URLを自動で書き換える機能がデフォルトでオンになりました。リンク先が差し替わったときに計測用のパラメータがどう扱われるかは、公式に説明がありません。
計測が揺れている状態で目標CPAを入れると、シグナルが弱いと判断されて配信が絞られます。目標値を決めるより先に、コンバージョンが想定通り記録されているかを確かめる。順番としてはそちらが先です。
2027年1月1日までは猶予があります。その間に、ピクセルとコンバージョンAPIの状態を見て、イベントクオリティスコアの警告をつぶしておく。そこから始めるのがよいと考えています。

北海道旭川市出身。Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。最近では声優業でも精力的に活動中。





