注目のポイント
サイバーエージェント次世代生活研究所が2026年11月5日に、「若者の生成AI利用実態調査」の第4回を公開しました。買い物のときに何を信じているかという質問で、生成AIの回答への信頼が44.9%となり、マスメディア(43.9%)とインフルエンサー(37.7%)を上回りました。世代で分けると差はさらに開き、ゆとり世代では生成AIがインフルエンサーを15.0ポイント上回っています。また、生成AIを友達のように感じている層は、そうでない層より購買経験率が10ポイント以上高いという結果も出ています。筆者は、この数字はAIモードに出る広告のコンバージョン率が思ったより高くなる可能性を示していると見ています。
どんな調査なのですか?
サイバーエージェントの社内組織である次世代生活研究所が実施した、全4回の連載調査です。今回の第4回のテーマは「生成AIが消費に効く理由」です。
- 調査手法:インターネットリサーチ(全国)
- 対象者:生成AIを利用している小学生〜ゆとり世代(15歳未満は保護者の代理・同席回答を含む)
- 有効回答:1,648サンプル(スクリーニング調査は10,000サンプル)
- 調査期間:2026年7月13日〜7月31日
ここは押さえておく必要があります。対象は「生成AIを利用している人」なので、使っていない人は最初から含まれていません。世の中全体の数字ではなく、使っている人の中での数字です。
参照元:サイバーエージェント次世代生活研究所、「若者の生成AI利用実態調査」を実施(サイバーエージェント・2026年11月5日)
何を信じて買い物をしているのですか?
6つの情報源のうち、生成AIは4番目でした。順位より、どこを抜いたかが重要です。
| 情報源 | 信頼している人の割合 |
|---|---|
| 家族や友人のリアルな口コミ | 72.3% |
| 企業の公式サイト/店員の説明 | 55.8% |
| SNS上のユーザーの口コミ | 54.7% |
| 生成AIの回答 | 44.9% |
| テレビ・雑誌などのマスメディアの情報 | 43.9% |
| インフルエンサーや芸能人の紹介・投稿 | 37.7% |
生成AIが、マスメディアとインフルエンサーの両方を抜いています。家族や友人の口コミ、企業の公式情報、SNSの口コミには届いていませんが、広告予算が長く向かってきた2つの情報源より上に来ました。
世代で分けるとどうなるのですか?
差がさらに開きます。下の世代ほど生成AIを信じている、という形にはなっていません。

生成AIへの信頼は、α世代48.0%からゆとり世代41.2%へと緩やかに下がるだけです。一方でインフルエンサーへの信頼は、49.6%から26.2%へと大きく下がります。
生成AIが伸びて逆転したというより、インフルエンサーの側が世代を上がるほど落ちている、という形です。逆転しているのはZ世代とゆとり世代で、α世代だけはインフルエンサーが1.6ポイント上回っています。
生成AIを友達だと思っているかどうかで何が変わるのですか?
実際に買ったかどうかが変わります。
生成AIに背中を押されて購入した経験がある人の割合を、生成AIを友達のように感じているかどうかで分けた数字です。
| 世代 | 友達のように感じる層 | 感じない層 | 差 |
|---|---|---|---|
| α世代 | 25.6% | 13.7% | 11.9pt |
| Z世代 | 26.6% | 15.0% | 11.6pt |
| ゆとり世代 | 22.9% | 8.7% | 14.2pt |
生成AIを壁打ちの相手にしている層も、していない層を3世代すべてで10.7〜18.3ポイント上回りました。
これは機能の話ではなく、関係性の話です。検索エンジンに対して「友達のように感じるか」という質問は成立しません。ここが、これまでの媒体との違いだと見ています。
この結果はAIモードの広告にどう効くのですか?
筆者は、AIモードに出る広告のコンバージョン率は、思ったより高くなる可能性があると見ています。
理由は2つあります。1つ目は、生成AIの回答そのものが、マスメディアやインフルエンサーより信じられていること。回答を信じている人が多い面に広告が並ぶなら、そこでの反応は悪くないはずです。
2つ目は、クエリの長さです。AIモードの検索クエリは平均で3倍の長さになっていて、自分の事情が書き込まれています。条件がはっきりしている人に当てにいける面だということです。
正直なところ、AIモードはまだ信用されていないのではないかと思っていました。この調査を見る限り、されています。
なお、この調査は生成AI全般についてのもので、GoogleのAIモードを名指ししたものではありません。ここをつなげているのは筆者の見立てです。
AIモードに広告を出すには何が必要なのですか?
AI Maxを入れた検索広告、ショッピング広告、P-MAXの3つです。
Googleの説明では、AIモードとAIオーバービューに広告を出すとき、質問とAIの回答の両方に広告を合わせる仕組み(文脈マッチ)が使えるのは、AI Max for Search、部分一致、ショッピングキャンペーン、P-MAXに限られています。完全一致やフレーズ一致のキーワードは、購買の意図がはっきりした検索語でしか表示されません。
つまり、完全一致で固めたキャンペーンだけを持っているアカウントは、この面にほとんど出られません。
日本はまだAIモード広告の対象国に入っていません。対象は米国に加えて10ヶ国で、そのリストと出方は別の記事にまとめています。ただし対象国に入ったときは、既存のキャンペーンが自動的に対象になり、オプトアウトはできません。
準備としてやっておくなら、AI Maxの検索広告とショッピング広告、そしてP-MAXを動かしておくことです。AI Maxの3つの機能が何をしているのかは、こちらにまとめています。
最後に
この調査で一番おもしろいのは、生成AIが抜いたのがインフルエンサーだった、という点です。
インフルエンサーへの信頼は、α世代49.6%、Z世代40.1%、ゆとり世代26.2%です。下の世代ほど高い。つまりインフルエンサーは、まだ若い層では効いています。そのうえで、生成AIはどの世代でも40%台から48%の間に収まっていて、世代による落ち込みが小さい。
世代をまたいで同じくらい信じられている情報源は、この6つの中では生成AIだけです。
買い物の相談相手としての位置を、生成AIが取りにきています。そこに広告が並ぶ日が来たときに、何も準備していないアカウントは出られません。AI Maxの検索広告とショッピング広告、P-MAX。日本が対象に入る前に、この3つを動かしておくことをおすすめします。
参照元:サイバーエージェント次世代生活研究所、「若者の生成AI利用実態調査」を実施(サイバーエージェント・2026年11月5日)

北海道旭川市出身。Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。最近では声優業でも精力的に活動中。





