注目のポイント
Google広告から、デマンドジェネレーション広告の作成方法を変更するという案内が届きました。これまで別々だった画像・動画・カルーセル・商品フィードの広告タイプが、1つの広告にまとまります。カルーセルは独立した広告タイプから、組み合わせる素材の1つという位置づけに変わります。あわせて、動画ごとに表示する面を指定する設定(クリエイティブの選好)が、新しい広告ではできなくなります。動画は入稿したアスペクト比に応じて自動で表示されるようになるためです。縦型の動画を入れていない場合、YouTubeショートに上下をぼかした正方形や横型の動画が表示されることがあります。2027年1月までは、これまでの単一メディアタイプの広告も作成できます。
何が変わるのですか?
広告タイプの選択がなくなり、1つの広告作成の流れにまとまります。
これまでのデマンドジェネレーション広告は、画像広告、動画広告、カルーセル広告、商品フィード広告というように、単一のメディアごとに広告タイプを選んで作っていました。
新しい広告では、1つの広告の中に、画像・動画・カルーセル・商品フィード・テキストを組み合わせて入れられるようになります。
注目したいのは、カルーセルの位置づけです。独立した広告タイプではなく、1つの広告に入れられる素材の1つという扱いに変わりました。
動画の表示はどうなるのですか?
入稿したアスペクト比に応じて、面ごとに自動で表示されます。
YouTubeショートには縦向きの動画が、他の面にはその面に合った動画が、サイズを基準に選ばれて表示される形です。Googleはこれを「ネイティブなアスペクト比でスマートに表示される」と説明しています。
ここで1つ失うものがあります。新しいデマンドジェネレーション広告では、動画単位でのクリエイティブの選好の設定がサポートされなくなります。「この動画はYouTubeショートに出す」といった、動画ごとの面の指定ができなくなるということです。
そしてもう1点、注意が必要な挙動があります。広告に縦向きの動画が含まれていない場合、YouTubeショートに、上下の枠線がぼかし処理された正方形または横向きの動画が表示されることがあります。
動画ごとに面を指定したい場合はどうするのですか?
広告グループを分けて、チャネルコントロールを使います。
Googleの案内では、特定の動画をYouTubeの一部の面だけに表示したい場合、その動画を個別の広告グループに追加して、チャネルコントロールを有効にするという方法が示されています。
動画の中で出し分けるのをやめて、広告グループの単位で分ける形に組み替える、ということです。
あわせて、Googleは次の2つも挙げています。
- すべてのアスペクト比の動画を追加する
- 「サイズ変更された動画」を有効にする
このどちらかをやっておけば、広告で動画が常にネイティブなアスペクト比で表示されます。ぼかしの入った動画が出るのを避けたい場合は、ここが対応箇所になります。
いつから、どの広告が対象ですか?
複数のメディアを組み合わせた新しい広告タイプは、すでに順次リリースが始まっています。対象は新しく作成する広告だけです。
| 対象 | 扱い |
|---|---|
| 既存のデマンドジェネレーション広告 | 今後も掲載される。編集もできる |
| 新しく作成する広告 | 複数メディアを組み合わせた新しいタイプになる |
| 単一メディアタイプの広告の作成 | 2027年1月までは引き続き作成できる |
クリエイティブの選好は自動化されたため、Googleの案内では広告主側で必要な対応は特にないとされています。
Metaのフレキシブル広告と同じものですか?
器の作りは同じ方向です。ただし、自動で選ぶ範囲については、今回の案内に書かれている内容が限られています。
| 項目 | Metaのフレキシブル広告 | 新しいデマンドジェネレーション広告 |
|---|---|---|
| 入れられるもの | 画像・動画あわせて最大10件、見出し5件、説明5件 | 画像・動画・カルーセル・商品フィード・テキスト |
| 何を基準に選ぶか | 利用者ごと、および配置ごとに組み合わせを選ぶ | 案内に書かれているのは、面に対する動画の出し分けのみ |
| 面を絞る方法 | 特定の組み合わせの重点配信はできない | 動画を別の広告グループに分けてチャネルコントロール |
| 素材ごとの成績 | 大まかには見られるが、組み合わせ単位では分からない | 案内に記載なし |
カルーセルが素材の1つに降りてきた点、複数のメディアを1つの広告に入れる点は、Metaのフレキシブル広告と同じ発想です。一方で、利用者ごとに組み合わせを選ぶという説明は、今回の案内にはありません。書かれているのは動画のアスペクト比に関する自動化までです。
運用者がいま確認すべきことは?
確認するのは1か所だけです。
いま動かしているデマンドジェネレーションのキャンペーンで、動画ごとに表示する面を指定している広告グループがあるかどうかです。
ある場合は、その指定が新しい広告では使えなくなります。同じことを続けたいのであれば、動画を広告グループ単位で分けて、チャネルコントロールで面を指定する形に組み替えることになります。
ない場合は、いま手を動かす必要はありません。ただし縦型の動画を1本も入れていないアカウントは、YouTubeショートで上下にぼかしの入った動画が出ます。入稿素材に縦型が含まれているかだけは、見ておいたほうがよいと考えています。
最後に
今回の変更は、広告主が面ごとに素材を指定する作業を、媒体側が引き取る方向の変更です。
P-MAXのアセットグループ、レスポンシブ検索広告、そしてAI Maxのテキストのカスタマイズと、Googleは「素材を渡して、組み合わせは媒体が決める」形を広げ続けています。デマンドジェネレーションも同じ形に寄りました。
渡す側としてやれることは、渡す素材を揃えておくことだけになります。縦型、正方形、横型をひと通り入れておく。入れていない比率は、ぼかしで埋められます。
2027年1月までは、これまでの作り方も使えます。それまでに、動画ごとの面の指定を使っている広告グループを洗い出して、広告グループを分ける形に組み替えておくところからになります。

北海道旭川市出身。Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。最近では声優業でも精力的に活動中。





