注目のポイント
Google車両広告(Vehicle Ads)が、日本でクローズドベータとして提供開始されています。Merchant Centerに車両データフィードを登録し、P-MAXまたは通常ショッピングキャンペーンで配信する仕組みで、新車・中古車の両方に対応。ディーラー・小売業者・アグリゲータ・OEMが参加可能で、Google営業担当者への問い合わせが必要です。海外ではCPA18%削減やCV数35%増加といった事例が報告されています。
目次
Google車両広告(Vehicle Ads)とは?
参照元:車両広告の概要 – Google Merchant Center ヘルプ
車両広告は、Google検索で車両購入に関心を示しているユーザーに対して、在庫車両を画像付きで表示できる広告フォーマットです。
ユーザーには車両の画像とともに、メーカー、モデル、価格、走行距離、広告主名が表示されます。クリックすると広告主のウェブサイトの車両説明ページ(VDP)に遷移し、そこからディーラーへの問い合わせやリードフォームの入力が可能です。
いわば「ショッピング広告の車版」で、商品フィードの代わりに車両フィードをMerchant Centerに登録して配信します。
日本での提供状況——クローズドベータ
参照元:車両広告の概要 – Google Merchant Center ヘルプ
各国の提供ステータス
| ステータス | 対象国 | 参加方法 |
|---|---|---|
| 正式提供 | 米国、カナダ、オーストラリア | Merchant Centerで直接有効化 |
| オープンベータ | 英国、フランス、オランダ | お問い合わせフォームから申請 |
| クローズドベータ | ドイツ、イタリア、スペイン、日本 | Google営業担当者に問い合わせ |
日本はクローズドベータの対象国として公式ヘルプに明記されています。参加するには、前提条件を確認したうえでGoogle営業担当者への連絡が必要です。セルフサービスでの有効化はまだできません。
参加できる事業者
・ディーラー(新車・中古車)
・小売業者
・アグリゲータ(在庫集約サービス)
・OEM(メーカー)
個人販売者、個人、自動車仲介業者は参加できません。また、市場で有効なディーラーライセンスの取得が条件です。
対象車種
・乗用車、ピックアップトラック → OK
・商用車、農耕用作業車、バス、二輪車、ボート、飛行機 → NG
新車・中古車の両方に対応
車両広告は新車と中古車のどちらの在庫も扱えます。
ただし中古車はVIN(車台番号)や走行距離など追加の必須属性があるため、フィード設計時に注意が必要です。後述のフィード仕様で詳しく解説します。
入稿の仕組み——Merchant Center × 車両データフィード
参照元:車両広告の有効化 – Google Merchant Center ヘルプ
全体の流れ
1. Merchant Centerアカウントで車両広告プログラムを有効化(「アドオン」セクション)
2. 車両データフィードをMerchant Centerにアップロード
3. Google広告でP-MAXまたは通常ショッピングキャンペーンを作成
4. Google広告アカウントとMerchant Center、Googleビジネスプロフィールをリンク
フィードの登録方法は3つ
| 方法 | 概要 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 手動アップロード | TSV/XMLファイルをMerchant Centerに直接アップロード | 在庫数が少なく更新頻度が低い場合 |
| Content API | Merchant Center APIで自動連携 | 自社システムと連携して在庫をリアルタイム反映したい場合 |
| 車両フィードサービスプロバイダ | Google認定の外部パートナー経由で自動化 | フィード管理のリソースがない・大量在庫を扱う場合 |
中古車ディーラーのように在庫が日々変動する場合は、APIまたはプロバイダ経由が現実的です。手動アップロードだと在庫切れの車両が広告に出るリスクがあります。
車両データフィードの主な必須属性
参照元:車両広告用 Content API ガイドライン – Google Merchant Center ヘルプ
参照元:Google車両広告を日本で配信するために必要なフィード仕様を徹底解説!2026年版 – dfplus.io
| 属性 | 説明 | 新車 | 中古車 |
|---|---|---|---|
| id | 車両の一意のID | 必須 | 必須 |
| title | 車両のタイトル(年式+メーカー+モデル) | 必須 | 必須 |
| link | 車両説明ページ(VDP)のURL | 必須 | 必須 |
| image_link | 車両画像のURL | 必須 | 必須 |
| price | 車両の価格 | 必須 | 必須 |
| vehicle_fulfillment | 販売形態(店頭/オンライン) | 必須 | 必須 |
| make | メーカー名 | 必須 | 必須 |
| model | モデル名 | 必須 | 必須 |
| year | 年式 | 必須 | 必須 |
| color | 外装色 | 必須 | 必須 |
| condition | 新車(new)/ 中古車(used) | 必須 | 必須 |
| VIN | 車台番号 | 推奨 | 必須 |
| mileage | 走行距離 | — | 必須 |
| store_code | 店舗コード(Googleビジネスプロフィール連携) | 必須 | 必須 |
中古車はVINと走行距離(mileage)が必須になる点が新車との大きな違いです。
キャンペーンタイプ——P-MAXと通常ショッピングの選択
P-MAXキャンペーン(車両フィード使用)
Google AIを活用したクロスチャネル配信。検索、YouTube、Gmail、Discoverなど複数面に自動で配信されます。オンラインコンバージョン(リード)とオフラインコンバージョン(来店)の両方に最適化可能です。
通常ショッピングキャンペーン(車両フィード使用)
ユーザーに表示する在庫のサブセットをより細かく管理できます。特定の車種やメーカーに予算を集中させたい場合に有効です。
P-MAXと通常ショッピングは併用可能です。クロスチャネルの認知拡大はP-MAX、特定在庫のコントロールは通常ショッピングという使い分けができます。
なお、車両フィードのみで他のアセット(広告見出し・説明文・画像)を追加しない場合、広告はGoogle検索のみに表示されます。YouTube等にも配信したい場合はアセットグループにアセットを追加してください。
画像ガイドライン
参照元:車両広告用画像に関するガイドライン – Google Merchant Center ヘルプ
車両広告では画像の品質が直接パフォーマンスに影響します。以下の点に注意が必要です。
・実車の写真を使用(ストック画像やイラストはNG)
・車両全体が写っていること
・背景がシンプルであること
・ウォーターマークや過度なテキストオーバーレイはNG
・最低解像度の要件あり
海外の導入事例
参照元:Google Vehicle ads(車両広告)とは?導入メリットと最速で成果を出すポイントを解説 – LISKUL
| 企業 | 国 | 成果 |
|---|---|---|
| Hamel Honda | カナダ | 顧客獲得単価(CPA)18%削減 |
| Ken Garff Automotive | 米国(50店舗以上) | リードの質が20%向上 |
| Asbury Automotive Group | 米国 | コンバージョン数35%増加 |
| Lithia Motors | 米国(全土展開) | 売上25%向上 |
共通するのは、広告に車種・価格・走行距離などの具体情報を表示することで、クリックの質が上がり、無駄な広告費が減ったという点です。ポータルサイト経由の集客とは根本的に異なるアプローチで、「今すぐ買いたい」ユーザーに直接アプローチできます。
自動車業界のCPCは高い——だからこそフィードの精度が武器になる
自動車関連のリスティング広告はCPCが高い案件の代表格です。「中古車 〇〇」「車 買取」などのキーワードは競合が激しく、入札単価が跳ね上がります。
車両広告はショッピング広告と同じフィードベースの仕組みのため、キーワードの入札競争とは別の軸で戦えます。フィードの精度(在庫の鮮度、画像の品質、属性の網羅性)が広告の表示精度に直結するため、フィード管理に投資できる事業者が有利です。
また、P-MAXを使えば検索以外の面(YouTube、Gmail、Discover)にも在庫情報を配信でき、検索広告だけではリーチできない潜在層へのアプローチも可能になります。
日本での導入に向けて準備すべきこと
1. Google営業担当者に問い合わせる
クローズドベータへの参加にはGoogle営業担当者への連絡が必須です。すでにGoogle広告を運用中であれば、担当者経由で参加要件を確認しましょう。
2. 車両データフィードの設計を始める
在庫管理システムからMerchant Centerへデータを連携する仕組みを検討します。特に中古車はVIN・走行距離が必須のため、既存システムにそれらのデータが揃っているか確認が必要です。
3. Googleビジネスプロフィールを整備する
店舗情報の正確性、クチコミへの返信、写真の更新など、ビジネスプロフィールの品質がオフラインコンバージョン(来店)の最適化に影響します。
4. 車両説明ページ(VDP)を整備する
広告クリック後の遷移先になるVDPの品質が成果を左右します。スマホ対応、車両情報の充実、問い合わせフォームの設置が最低限必要です。
最後に
Google車両広告(Vehicle Ads)が日本でもクローズドベータとして利用可能になりました。まだ一般公開はされておらず、参加にはGoogle営業担当者への問い合わせが必要ですが、自動車業界のデジタル広告の選択肢が確実に広がっています。
海外では導入済みのディーラーがCPA削減やCV増加など具体的な成果を出しており、日本でも正式展開されれば中古車・新車販売の集客構造が大きく変わる可能性があります。
今のうちにフィード設計やビジネスプロフィールの整備を進めておけば、正式展開時に先行者優位を取れます。特にCPCが高い自動車業界では、フィードベースの広告で戦えるようになること自体が大きなメリットです。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。

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