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Google広告 tCPA・tROASの入札挙動が2026年8月17日に変更|日予算制限されているキャンペーンは今すぐ確認を

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注目のポイント

2026年6月15日、Googleが入札・予算管理に関する3つのアップデートを発表しました。中でも最も影響が大きいのが「入札ターゲット最適化」の仕様変更です。予算制限のあるキャンペーンで目標コンバージョン単価(tCPA)や目標広告費用対効果(tROAS)を設定している場合、8月17日以降、入札の挙動が自動的に変わります。これまで予算制限下ではシステムが事実上「コンバージョン最大化」的に動いてくれていましたが、今後は設定したターゲット値に忠実に最適化されるようになります。結果として、CPAの上昇やコンバージョン数の減少が起こり得るため、7月6日から提供されるBid Target Adjustment Toolでの事前対応が不可欠です。本記事では3つのアップデートの全体像と、入札ターゲット最適化への具体的な対応方針を解説します。

目次

2026年6月15日に発表された3つのアップデートとは?

参照元:About Target CPA bidding – Google Ads Help(2026年6月)

Googleは2026年6月15日、スマート自動入札と予算管理に関する3つの変更を発表しました。

・スマート自動入札の入札範囲拡大機能(Exploration)の対象拡大
・Promotion Mode(β版)の新登場
・入札ターゲット最適化の仕様変更(8月17日自動適用)

1つ目と2つ目はオプション機能のため、すぐに対応する必要はありません。3つ目の入札ターゲット最適化は8月17日に自動適用されるため、対応の優先度が最も高くなります。

まずは3つの概要を把握し、その後で入札ターゲット最適化を深掘りします。

①スマート自動入札の入札範囲拡大機能——P-MAXとショッピングに拡大

これまで検索キャンペーン向けに提供されていたスマート自動入札の入札範囲拡大機能(Smart Bidding Exploration)が、Performance Max(P-MAX)とショッピング広告にも拡大されました。

どんな機能ですか?

ROAS目標の範囲内で、まだコンバージョン実績のない検索クエリにも試験的に入札する仕組みです。AI MaxやAIOで引っかからないクエリに対しても、積極的に配信を広げていく機能と理解できます。

Googleの公式発表によると、導入により以下の効果が報告されています。

・ユニークなコンバージョン検索語句が平均18%増加
・コンバージョン数が平均19%増加

対象と展開状況

対象 展開状況
商品フィードなしのP-MAX グローバル展開済み
商品フィード付きP-MAX β版開始
ショッピング広告 β版開始

利用はオプションのため急いで対応する必要はありません。ただし、ショッピング広告は価格感度が高い傾向があるため、テスト時は不要なインプレッションの増加に注意してください。

②Promotion Mode——セール期間の入札と予算を一時調整できる新機能

セール期間やピーク需要期に、入札目標と予算を一時的に変更できる新機能がβ版として登場しました。

既存の「季節性の調整」と何が違うのですか?

ここが重要なポイントです。

機能 変更対象 用途
季節性の調整(既存) コンバージョン率の期待値 CVRが一時的に変動する時期の補正
Promotion Mode(新) 入札目標+日次予算 セール期間中の攻めの配信

たとえば、通常はROAS目標200%・日次予算10万円で運用しているキャンペーンを、セール期間中だけ150%・15万円に変更するという使い方ができます。期間終了後は自動で元の設定に戻ります。

季節性の調整がCVRの期待値を変えるのに対して、Promotion Modeは入札目標と予算そのものを変更できるため、セール期間中により積極的な配信が可能になります。

SearchとP-MAXでβ版が利用可能です。両者の併用も可能ですが、相互作用の詳細はまだ公式にドキュメント化されていないため、まずはPromotion Mode単体でテストすることを推奨します。

③入札ターゲット最適化の仕様変更——これが一番重要

参照元:Changes to target based bid strategies – Google Ads Help

3つのアップデートの中で、運用者が最も注意を払うべき変更がこれです。予算制限のあるキャンペーンでtCPA/tROASを使っている場合、8月17日以降の入札挙動が自動的に切り替わります。

何が変わるのですか?

結論から言うと、予算制限がかかっているキャンペーンで、システムが「設定したtCPA/tROASのターゲット値に忠実に最適化する」ようになります。

「それの何が問題なの?」と思われるかもしれません。問題は「今までの挙動」との違いにあります。

予算制限下のtCPA/tROASは今までどう動いていたのか?

ここが今回の変更を理解するうえで最も重要なセクションです。

今までの挙動(8月17日まで)

tCPA 1万円に設定し、日予算が3万円のキャンペーンがあるとします。予算制限がかかっている場合、システムは「1万円のターゲットに合わせる」のではなく、「3万円の予算内でできるだけ多くのコンバージョンを取ろう」と動いていました。

つまり、事実上「コンバージョン数の最大化」に近い挙動をしていたということです。

結果として、tCPA 1万円に設定していても実績CPAが5,000円になり、日予算3万円で6件のコンバージョンが取れている——こういうケースが多くの運用アカウントで起きていたはずです。

8月17日以降の挙動

同じ条件で、システムが「tCPA 1万円に忠実に最適化する」ようになります。

1件あたり1万円近くまでCPCを引き上げてオークションに入るようになるため、日予算3万円では3件程度しかコンバージョンが取れなくなる可能性があります。

今まで(8月17日まで) 変更後(8月17日以降)
tCPA設定 1万円 1万円
日予算 3万円 3万円
システムの最適化方向 予算内でCV最大化 tCPA 1万円に忠実に最適化
実績CPA 約5,000円 約1万円に近づく
CV数 約6件 約3件に減少する可能性

設定を何も変えていないのに、8月17日を境にコンバージョン数が半減する可能性がある——これが今回の変更の本質的なリスクです。

なぜ予算制限下でtCPAが「無視」されていたのか?——システムの合理的な判断

「今までのシステムがおかしかったの?」と思われるかもしれませんが、実はこの挙動には合理性がありました。

予算制限がかかっている時点で、システムは「この予算ではtCPA 1万円に到達するまでCPCを上げる余裕がない」と判断します。そこで、限られた予算の中で最も効率的にコンバージョンを取れるオークションを選んでインプレッションを間引きし、結果的に低いCPAで多くのコンバージョンを獲得していました。

これは運用者にとって好都合な挙動でした。tCPAを「上限の目安」のように設定しておけば、システムが予算内で勝手に最大化してくれたからです。

8月17日以降、この「予算内で賢く間引きしてくれる」動作がなくなり、設定ターゲットに向けて忠実に動くようになります。予算制限下でtCPAを「上限の目安」として使っていた運用者は、挙動の変化に注意が必要です。

影響を受けるキャンペーンの確認方法

参照元:Changes to target based bid strategies – Google Ads Help

対象となるのは、以下の2つの条件を両方満たすキャンペーンです。

・過去12ヶ月で「予算による制限」ステータスになったことがある
・目標コンバージョン単価(tCPA)または目標広告費用対効果(tROAS)を使用している

対象キャンペーンタイプ

対象 対象外
検索 Appキャンペーン
ショッピング Video Reach
P-MAX Video View
デマンドジェネレーション
ディスプレイ
トラベル / ホテル

確認手順

管理画面のフィルタで該当キャンペーンを抽出し、設定しているtCPA/tROASと直近90日間の実績平均を比較してください。設定値と実績の乖離が大きいキャンペーンほど、8月17日以降の影響が大きくなります。

たとえば、tCPA 1万円に対して実績CPAが5,000円であれば、2倍の乖離があります。このキャンペーンは8月以降にCPAが大幅に上がり、CV数が減るリスクが高いです。

Bid Target Adjustment Tool——4つの選択肢を理解する

7月6日から「Bid Target Adjustment Tool」が提供されます。管理画面の通知バナーまたは該当キャンペーンの設定画面からアクセスできる見込みです。

Googleが自動で調整することはないため、広告主側でアクションを取る必要があります。

選択肢は4つです。

①実績に合わせてターゲットを変更する

tCPA 1万円の設定を、実績CPA 5,000円に合わせて5,000円に変更する方法です。これにより、8月17日以降も現在に近い効率での配信が維持される可能性があります。

ただし、ここに落とし穴があります(後述の「主観」セクションで詳しく解説します)。

②ターゲットを変更しない(据え置き)

設定値をそのまま維持する選択です。8月17日以降、実績CPAがその設定値に近づいていきます。意図的にCPAを上げてでも高品質なコンバージョンを取りたい場合には有効ですが、多くのケースではCV数の減少リスクを受け入れることになります。

③カスタム設定

事業目標に合わせて、実績値でも設定値でもない中間の数値を指定する方法です。たとえばtCPA 1万円・実績5,000円のキャンペーンに7,000円を設定するような使い方です。

④入札戦略の変更

tCPA/tROAS自体をやめて、「コンバージョン数の最大化」や「コンバージョン値の最大化」に切り替える方法です。ターゲット制約を完全に外し、予算内でのコンバージョン最大化に振り切ります。

どの選択肢を選ぶべきか?——計算式から考える対応方針(主観)

筆者の見解を述べます。

「ターゲットを下げる」は慎重に

一見すると「実績に合わせてtCPAを下げればいい」と思えます。しかし、CPAの計算式を考えると単純ではありません。

CPA = CPC ÷ CVR(コンバージョン率)

tCPAを下げるということは、CVRが変わらない限り、システムがより安いCPCのオークションにしか入らなくなるということです。安いCPCのオークションにしか入れない=競争力のあるオークションに参加できない=インプレッションが減る=結局コンバージョンも取れなくなる。

tCPAを下げることで形式上は効率を維持できますが、実質的にはオークション参加機会が減り、コンバージョン数が減少するリスクがあります。これは計算式上の構造的な問題です。

今までの挙動が「賢い間引き」だった理由

予算制限下でtCPAを設定していた場合、システムは高いCPCのオークションには入らず、CPCが安くてCVRが見込めるオークションを選んで配信していました。つまり「インプレッションを間引きして、勝てるところだけに集中投下する」という賢い最適化をしてくれていたのです。

この動作が8月17日以降なくなるのであれば、同じ挙動を再現する最もシンプルな方法は何か? それは「コンバージョン数の最大化(ターゲットなし)+日予算で制御」です。

筆者の推奨対応

予算制限がかかっているキャンペーンは、tCPA/tROASの数値を外して「コンバージョン数の最大化」または「コンバージョン値の最大化」に切り替え、日予算で配信量をコントロールする方が合理的です。

これは事実上、今まで予算制限下のtCPAがやってくれていた挙動と同じ動作になります。

もちろん、tCPAを残すことに意味がある運用もあります。予算制限がかかっていないキャンペーン(=今回の変更の対象外)や、CPAの上限を明確に守る必要がある案件では、引き続きtCPAが有効です。

入札戦略の名称変更にも注意——「Target CPA」が復活

参照元:About Target CPA bidding – Google Ads Help(2026年6月)

今回のアップデートに合わせて、入札戦略のラベル(表示名)も変更されています。

変更前 変更後
コンバージョン数の最大化(目標CPA設定あり) 目標コンバージョン単価(Target CPA)
コンバージョン値の最大化(目標ROAS設定あり) 目標広告費用対効果(Target ROAS)
コンバージョン数の最大化(目標CPA設定なし) コンバージョン数の最大化(変更なし)
コンバージョン値の最大化(目標ROAS設定なし) コンバージョン値の最大化(変更なし)

以前、「Target CPA」は独立した入札戦略からなくなり、「コンバージョン数の最大化」に吸収されていました。今回、表示名が元の「Target CPA」に戻る形です。

挙動自体は変わらず、名称のみの変更とGoogleは説明しています。ただし、管理画面の表示が切り替わるタイミングで混乱が起きる可能性があるため、チーム内での認識合わせをしておくとよいでしょう。

対応のタイムラインと優先順位

8月17日の施行まで約2ヶ月あります。以下のスケジュールで対応を進めてください。

今月中(6月):乖離の確認

予算制限がかかっているキャンペーンを洗い出し、設定tCPA/tROASと実績平均の乖離幅を確認します。乖離が大きいキャンペーンをリスト化しておきましょう。

7月6日〜:Bid Target Adjustment Toolで対応を入力

ツールが提供されたら、キャンペーンごとに4つの選択肢から対応を選びます。筆者の推奨は前述の通り「コンバージョン数の最大化+日予算制御」ですが、アカウントの状況に応じて判断してください。

8月17日〜:施行後のモニタリング

施行後は1〜2コンバージョンサイクル(2〜4週間)の再最適化期間が見込まれます。直後の変動に慌てず、十分なデータが溜まるまで様子を見てください。

スマート自動入札の入札範囲拡大機能とPromotion Modeはオプション機能のため、入札ターゲット最適化への対応を最優先にしてください。

最後に

今回のアップデートで最も重要なのは、予算制限下でのtCPA/tROASの挙動が「予算内でのコンバージョン最大化」から「設定ターゲットへの忠実な最適化」に変わるという点です。

これまで「tCPAを高めに設定して、予算で制御する」という運用をしていたアカウントは、8月17日以降にCPAの上昇とコンバージョン数の減少が起こり得ます。

対応としては、予算制限がかかっているキャンペーンの設定tCPAと実績の乖離を確認し、必要に応じてターゲット値の調整または入札戦略の変更を検討してください。

7月6日のBid Target Adjustment Toolの提供開始に備えて、今月中に乖離状況の棚卸しを済ませておくことをおすすめします。

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