注目のポイント
P-MAXのアセットをA/Bテストできるようになりました。見出しや説明文を書き換えて、保存するときにトグルをオンにするだけで、書き換える前と後がそのまま比較されます。たとえば「広告代理店なら石黒堂」を「デジタル広告代理店なら石黒堂」に直して保存すると、設定した割合のトラフィックに新しい方が配信され、コンバージョン数とコンバージョン単価で勝った方が残ります。これまでは書き換えた時点で前の状態が消えていたので、良くなったのかどうかを確かめる手段がありませんでした。ベータ版です。テスト中はそのアセットグループを編集できなくなるので、期間と変更する本数は先に決めておく必要があります。
何ができるようになったのか?
アセットグループの変更を、A/Bテストとして保存できるようになりました。アセットグループの編集画面に「アセット グループの変更を A/B テストとして保存する」というトグルが増えています。
手順としては、いつもどおり見出しを足す、書き換える、画像を差し替える。そのうえで保存するときにこのトグルをオンにするだけです。テストを別に作るのではなく、ふだんの編集作業がそのままテストになります。
編集していない状態でトグルをオンにすると「アセット グループは変更されていません。A/B テストを実施するには、アセットを追加または編集してください」と出ます。先に編集する必要がある、ということです。

参照元:同じアセット グループ内でアセットを A/B テストする(Google 広告 ヘルプ)
対照群と介入群は何を指すのか?
設定画面には「対照群」と「介入群」が並びます。どちらも同じアセットグループの名前が出るので、最初は分かりにくいところです。
| 名前 | 中身 |
|---|---|
| 対照群 | 編集する前のアセットグループ(元のアセット) |
| 介入群 | 編集したあとのアセットグループ(変更されたアセット) |
同じアセットグループの「編集前」と「編集後」を、2つの状態として比べる、という形です。書き換えなかったアセットは両方に入ったままなので、違いは手を入れた分だけになります。
中身は「すべての対照群のアセットを表示」「介入群のアセットをすべて表示」のリンクから確認できます。
参照元:同じアセット グループ内でアセットを A/B テストする(Google 広告 ヘルプ)
どうやって比べているのか?
分けるのはトラフィックのほうです。見出しが7本あるとして、それを3本と4本に割る操作は入りません。
- 1つのキャンペーンの中で、トラフィックを指定した比率で2つに分ける
- 片方には編集前のアセットグループを配信する
- もう片方には編集後のアセットグループを配信する
- 両方の成果を、設定した成功指標で比べる
介入群のトラフィック分割は10%・30%・50%から選びます。成功指標はコンバージョンとコンバージョン単価が選べます。
判定の方法は、データをいくつかの集まりに分け、ジャックナイフ法(データを少しずつ抜いて計算し直し、ばらつきを測るやり方)で変化率のばらつきを出し、95%の信頼区間で検定する形です。レポートには、はっきりした結果を出すだけのデータがたまっているかどうかが表示されます。
なお、トラフィックをユーザー単位で分けているのか、検索ごとなのか、オークションごとなのかは、このテストのヘルプには書かれていません。
参照元:テストの統計的手法について(Google 広告 ヘルプ)
アセットの本数に上限はあるのか?
あります。対照群と介入群のアセットは、どちらもアセットグループの上限にカウントされます。編集後の状態が上限に収まっている必要がある、ということです。
| アセットの種類 | アセットグループの上限 |
|---|---|
| 広告見出し | 15個 |
| 長い広告見出し | 5個 |
| 説明文 | 5個 |
| 画像(横向き・スクエア・縦向き) | 各20枚 |
| ロゴ(スクエア・横向き) | 各5個 |
| 動画(横向き・スクエア・縦向き) | 各15本 |
見出しがすでに15個埋まっている場合は、足すことができないので入れ替えになります。また、共有予算・ポートフォリオ入札戦略・スマート入札の探索を使っているとテストを作成できません。
参照元:P-MAX キャンペーンの仕様とフォーマットの要件(Google 広告 ヘルプ)
これまでと何が変わるのか?
筆者がこの機能を評価しているのは、書き換えの良し悪しを確かめる手段がようやくできたからです。
これまでP-MAXで見出しを書き換えると、前の状態は消えていました。成果が動いても、書き換えが効いたのか、季節や競合の要因なのかを切り分けられませんでした。
アセットレポートの「優良・良・低」は、同じアセットグループの中での相対評価です。書き換える前と後の比較にはなりません。そこが埋まる、というのが今回いちばん大きい点です。
使う前に決めておく3つのこと
そのまま保存すると、あとから困るところが3つあります。
- 期間:終了日が自動で入りますが、3か月近く入ることがあります。テスト中はそのアセットグループを編集・追加・削除できず、閲覧のみになります。セールや新商品の予定と重ならない期間にして、短く切るのが無難です
- 変更する本数:1回で変えるのは1〜2本に絞ります。5本まとめて書き換えると、どれが効いたのか分からないまま期間が終わります
- 自動適用の設定:「介入群のパフォーマンスのほうが優れていた場合、これらの変更が元のアセットグループに適用されます」のチェックと、判定の基準を確認します。「方向性を示す結果に基づいて」を選ぶと、はっきりした差が出ていなくても適用されます
新しく入れたアセットは通常の審査を受けます。不承認になったものはテストで配信されないので、審査が通ったかどうかは開始後に一度見ておくのがおすすめです。
参照元:同じアセット グループ内でアセットを A/B テストする(Google 広告 ヘルプ)
最後に
押さえるところは3つです。①アセットグループを編集して保存するときにトグルをオンにするだけ ②対照群は編集前、介入群は編集後 ③分けるのはトラフィックで、コンバージョン数とコンバージョン単価で比べる
ベータ版なので仕様が変わる可能性はありますが、使い方そのものは難しくありません。まずは成果の出ているアセットグループで、見出しを1本だけ書き換えるところから試すのがいいと思います。
参考:P-MAXで世帯収入による除外が可能に|年齢・性別に加えて上位10%〜下位50%を切り分け

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。





