ホーム » コラム » Meta広告 » Meta広告に「クリエイティブの多様化」指標が追加|サムネイル類似度で低・中・高を判定、アカウントID単位の評価に注意

Meta広告に「クリエイティブの多様化」指標が追加|サムネイル類似度で低・中・高を判定、アカウントID単位の評価に注意

この記事は8分で読むことができます。

注目のポイント

Meta広告の広告マネージャに「クリエイティブの多様化(Creative Diversity)」という新しい指標が2026年8月中旬から順次追加されています。広告セット内の画像・動画のサムネイルの類似度を比較し、「低・中・高」の3段階で評価する指標です。フォーマットを何種類そろえても、サムネイルの見た目が似ていれば「低」と判定されます。また、評価単位は広告セットだけでなくアカウントIDでも算出されるため、広告セットを分けてターゲティングを変えても、クリエイティブが同じなら意味がありません。Meta公式は「広告数を減らし、クリエイティブの多様性を維持する」方針を示しており、ASC(Advantage+ ショッピングキャンペーン)への集約が改めて重要になっています。

クリエイティブの多様化指標とは何か?

広告マネージャの「列のカスタマイズ」から追加できる新しい列です。検索窓に「creative」と入力すると表示されます。日本語のヘルプでは「クリエイティブの多様化」、英語では「Creative Diversity」です。

Meta公式ヘルプの説明は以下のとおりです。

クリエイティブの多様性は、広告セット内の画像や動画のサムネイルを比較し、類似性を判断することで計算されます。この値はスコアに変換され、しきい値を適用して「高」、「中」、「低」のラベルが付けられます。

つまり、見ているのはサムネイルの見た目の類似度です。フォーマットの種類数(静止画・動画・カルーセルなど)ではありません。

重要な注意点として、Metaはこの指標について「推定値であり、開発中のものです」と明記しています。確定した評価軸ではないため、この指標だけを根拠に構成を大きく変えるのは時期尚早です。

なお、日本語ヘルプでは見出しが「クリエイティブの多様化」、本文中は「クリエイティブの多様性」「クリエイティブ多様性スコア」と表記が揺れています。管理画面の列名がどちらになるかは実物で確認してください。開発中の指標のため、アカウントによってはまだ列が表示されません。

参照元:クリエイティブの多様化(Meta ビジネスヘルプセンター)

サムネイルの類似度で決まるということの意味

この指標が見ているのはサムネイルの見た目です。ここが誤解されやすいポイントです。

  • 動画を10本制作しても、サムネイルが似ていれば「低」になる
  • 静止画・動画・カルーセルとフォーマットを分けても、見た目が似ていれば「低」になる
  • 逆に、同じフォーマットでも訴求角度が異なりサムネイルの見た目が大きく違えば評価は上がる

筆者が気になるのは、動画制作に力を入れていても見た目が似ていれば「低」判定になるという点です。同じ商品を同じ背景で撮影した動画を複数本作っても、サムネイルの画面構成が似ていれば類似と判断される可能性があります。

アカウントID単位で評価される意味

この指標は広告セット単位だけでなく、アカウントID単位でも算出されます。ここが運用上の大きなポイントです。

広告セットを複数に分けてターゲティングを変えていても、入れているクリエイティブが同じであれば、アカウント全体として「低」と判定されます。

つまり、「ターゲティングAの広告セット」と「ターゲティングBの広告セット」に同じクリエイティブを入れている場合、広告セットが別でもアカウント単位の評価は上がりません。結果として同じ見た目の広告が同じユーザー層を奪い合い、フリークエンシーだけが上がってリーチが伸びない状態になりえます。

Meta公式の方針:広告数を減らし、多様性を維持

クリエイティブの多様化指標と合わせて確認すべきなのが、Meta公式のベストプラクティス「広告の量の管理について」です。

Metaは以下のように説明しています。

広告セットあたりの広告数を減らし、ただし広告セット内のクリエイティブアセットの多様性は維持する

同時に多すぎる広告を配信すると、1本あたりの配信機会が減り、学習フェーズを抜けられる広告が減り、配信システムが最適化する前に予算を使い切るという悪循環が起きます。

この方針を素直に読めば、アカウント構造はASC(Advantage+ ショッピングキャンペーン)やAdvantage+ キャンペーンにまとめ、その中に見た目の異なるクリエイティブを入れる、という運用が正解に近づいています。広告セットを細かく分けてそれぞれにクリエイティブを入れるやり方は、Metaが目指す方向と逆行していると言えます。

参照元:広告の量の管理について(Meta ビジネスヘルプセンター)

広告疲れの検知機能:「過少クリエイティブ」と「広告疲れ」

クリエイティブの多様化指標が見つからないアカウントでも、広告疲れの検知は別の機能で確認できます。広告セットまたは広告の「配信」列に以下のステータスが表示されます。

ステータス 条件 意味
過少クリエイティブ 結果の単価が過去の広告より高いが2倍未満 クリエイティブの鮮度が落ち始めている初期警告
広告疲れ 結果の単価が過去の広告の2倍以上 深刻な疲弊状態。配信効率が大幅に悪化

ここで言う「結果の単価」とは、最適化目標に応じた単価です。コンバージョン最適化ならCPA、クリック最適化ならCPCになります。CPMではありません。「過去の広告」とは同じアカウント内の過去実績との比較です。

キャンペーン開始前にも警告が出ます。開始後7日以内に広告疲れが発生すると予測された場合、公開前に表示されます。なお、この機能はクリエイティブを1件だけ使っている広告セットが対象です。Advantage+ カタログ広告やダイナミッククリエイティブは対象外です。

筆者が注目しているのは、「過少クリエイティブ」や「広告疲れ」が出ている広告は、少なくともオークションに参加して配信された結果として単価が悪化している、という点です。つまり配信自体はされている。逆に、そもそもインプレッションが出ていない広告はこの判定対象にすらなりません。ステータスが出ること自体は、オークションに入れている証拠でもあります。

参照元:広告疲れに関するMeta広告マネージャでの推奨事項について(Meta ビジネスヘルプセンター)

【2026年9月18日 追記】プッシュ配信が管理画面から消えました

2026年9月18日時点で、広告マネージャからプッシュ配信(Push Delivery to This Ad)の項目がなくなっています。筆者のアカウントで確認しました。Metaからの告知は確認できていないため、機能の廃止なのか一時的なものなのかは分かりません。

筆者の見立てとしては、クリエイティブをどう評価してどう配分するかをMeta側が持つ方向に寄せている、ということだと受け止めています。類似度の判定はこの記事で書いた多様化指標のようにMetaがやる。そのうえで、運用者が特定の広告に無理やり予算を寄せる操作は要らない、という整理です。Metaがそう説明したわけではなく、あくまで筆者の推測です。

そのため、次の「プッシュ配信との組み合わせ」で書いた内容は、現時点では実行できません。新しいクリエイティブの初動を確保したい場合は、広告セット内の本数を減らして、1本あたりの配信機会を増やす。この組み立てに戻ることになります。

プッシュ配信との組み合わせ

クリエイティブの多様性を確保するには、新しい訴求のクリエイティブを定期的に投入する必要があります。しかし従来のMeta広告では、実績のある既存の「勝ちクリエイティブ」に予算が集中しやすく、新素材を追加してもインプレッションが伸びずに検証が進まないという課題がありました。

ここで活用できるのが「プッシュ配信(Push Delivery to This Ad)」機能です。2026年3月頃から段階的にロールアウトされている機能で、新しく追加したクリエイティブに既存のキャンペーン予算を強制的に割り当てて配信機会を確保できます。

  • 予算の割合(%):デイリー予算のうち何%を新広告に優先配分するかを指定
  • 配信期間:最大7日間まで設定可能
  • 終了後:自動で通常配信に移行し、学習データもそのまま引き継がれる

筆者の感覚では、クリエイティブの多様性を高める施策と、プッシュ配信は相性がいいと考えています。新しい訴求のクリエイティブを追加した際に、プッシュ配信で初動のインプレッションを確保すれば、既存の勝ちクリエイティブに埋もれることなくテストが進みます。アカウント構造を複雑にせず既存キャンペーン内で完結するため、Metaが推奨する「広告数を減らして多様性を維持する」方針とも一致します。

最後に

「クリエイティブの多様化」指標は開発中ではありますが、Metaが運用者に伝えたいメッセージは明確です。同じ見た目のクリエイティブを量産しても配信効率は上がらない、訴求の切り口を変えて多様性を確保せよ、ということです。

運用としてまずやるべきことは、配信中の広告をフォーマットではなく訴求の切り口で仕分けることです。同じ訴求が複数ある広告セットがあれば、本数を減らして別の訴求を追加する方向に振る。プッシュ配信が使えなくなった今は、この「減らして入れ替える」やり方が現時点での実践的な対応になると考えています。

上部へスクロール