注目のポイント
Google広告の検索語句レポートに「検索語句と広告の組み合わせ」ビューが追加されました。検索語句ごとに、実際に表示された広告見出し・説明文・ランディングページの組み合わせと、それぞれが「広告主の提供」なのか「Google AI生成」なのかを確認できるようになりました。これまで検索語句レポートでは「どの語句で」「いくら使って」「何件CVしたか」までしか見えず、その語句に対してどの広告文・どのLPが表示されたかはブラックボックスでした。特にP-MAXやAI Max、RSAの自動組み合わせ、最終ページURL拡張はAI任せで中身が見えなかった部分です。
何が新しく見えるようになったのか?
検索語句レポートの上部にあるドロップダウンから「検索語句と広告の組み合わせ」を選択すると、以下の情報が検索語句単位で表示されます。
| カラム | 内容 |
|---|---|
| 検索語句 | 実際にユーザーが検索した語句 |
| 広告見出し | その検索語句に対して表示された見出し |
| 説明文 | 表示された説明文 |
| ランディングページ | クリック後の遷移先URL |
| 広告見出しのソース | 「広告主様の提供」または「Google AI」 |
| 説明文のソース | 「広告主様の提供」または「Google AI」 |
| ランディングページのソース | 「広告主様の提供」または「最終ページURLの拡張」 |
| パフォーマンス指標 | 表示回数、クリック数、CTR、CPC、費用、CVR、CV数、CPA |
つまり、ある検索語句に対して「どの見出しが」「どの説明文が」「どのLPが」表示され、それぞれがAI生成なのか広告主提供なのかが一目で分かるようになりました。

参照元:About reporting in AI Max for Search campaigns(Google 広告 ヘルプ、英語版)
これまでの検索語句レポートと何が違うのか?
| 従来の検索語句レポート | 検索語句と広告の組み合わせ(新機能) | |
|---|---|---|
| 分かること | 検索語句、キャンペーン、広告グループ、マッチタイプ、パフォーマンス指標 | 上記に加え、実際に表示された広告見出し・説明文・LP・各ソース |
| AI生成コピーの確認 | 不可能(AIが何を出したか見えない) | 「広告見出しのソース=Google AI」の行で確認可能 |
| LP拡張の確認 | 不可能(どのLPに飛ばしたか見えない) | 「ランディングページのソース=最終ページURLの拡張」で確認可能 |
| 広告文×語句の組み合わせ比較 | 不可能 | 同一語句の異なる組み合わせをCTR/CVRで比較可能 |
従来のレポートは「どの語句が成果を出したか」までは分かったものの、「その語句に対して実際にどの広告文・どのLPが表示されたか」はブラックボックスでした。今回、その組み合わせが検索語句単位で可視化されたのがポイントです。
運用で何ができるようになるのか?
このレポートで実際にできるようになることは、大きく2つです。
1. AI Maxによる「クエリ拡張」「テキスト拡張」「LP拡張」がクエリ単位で一目瞭然になる
実は、AI生成の広告コピー自体は従来からアセットレポートで確認できましたし、最終ページURL拡張で使われたLPもランディングページレポートで見ることはできました。しかし問題は、それらが「どの検索クエリに対して表示されたのか」が分からなかった点です。
今回のレポートでは、検索語句を軸にして「この語句に対してGoogle AIが生成した見出しが出ている」「この語句に対して最終ページURL拡張で別のLPに飛ばしている」ということがクエリ単位で紐づいて見えるようになりました。
「広告見出しのソース」や「説明文のソース」のカラムが「Google AI」になっている行を見れば、AI Maxがどのクエリで拡張を行っているかが即座に特定できます。同様に、「ランディングページのソース=最終ページURLの拡張」の行を見れば、どのクエリに対してどのLPに飛ばしているかも把握できます。
これまでは「AI生成コピーがあることは分かるが、どのクエリに出ているかは分からない」「LP拡張でどこかに飛ばしているが、どのクエリ経由かは分からない」という状態でした。クエリという軸が加わったことで、AI自動化の実態がようやく具体的に見えるようになっています。
2. 検索語句のコンディション変化を時系列で追える
もう一つ重要なのは、前後比較で見た時に「クエリ自体は変わっていないのに、広告文がこのタイミングから変わった」ということが分かるようになる点です。
例えば、ある検索語句のインプレッション数は変わっていないのにCTRが下がった、あるいはCVRが落ちたという場合。従来はキーワードレポートの数字しか見えなかったため、「語句の質が悪化したのか?」「市場環境が変わったのか?」と原因が特定できませんでした。
このレポートがあれば、「クエリは同じだが、広告文の組み合わせがこの時期から変わっている。CTR低下の原因はAI生成コピーへの切り替わりだ」という切り分けが可能になります。
ただし注意点として、このレポートで見えるのはあくまで「広告の組み合わせ」単位の指標です。クエリ自体のインプレッション数はキーワードレポート側で確認する必要があります。また、現時点では「この組み合わせだけ止める」という粒度のコントロールはできません。除外操作は検索語句単位、広告文の差し替えは広告グループ単位のままです。
P-MAXでも使える
このレポートはAI Max for Search キャンペーンだけでなく、P-MAXキャンペーンでも利用可能です。P-MAXの検索語句レポートでも同様に「検索語句と広告の組み合わせ」ビューが表示され、広告見出しのソースやランディングページのソースを確認できます。
P-MAXは元々すべての配信面がAI任せで中身が見えにくいキャンペーンタイプでした。チャンネル別レポートに続き、検索面での広告組み合わせも可視化されたことで、P-MAXのブラックボックス解消がさらに一歩進んだと言えます。
確認方法
- Google広告の管理画面で、対象のキャンペーンを選択
- 左メニューから[分析情報とレポート(Insights and reports)]→[検索語句(Search terms)]を開く
- レポート上部のドロップダウンから「検索語句と広告の組み合わせ(Search terms and landing pages from AI Max)」を選択
なお、このレポートに表示されるのはインプレッションが発生した組み合わせのみです。データが蓄積されるまで数日〜数週間かかる場合があります。
参照元:About reporting in AI Max for Search campaigns(Google 広告 ヘルプ、英語版)
最後に
「検索語句と広告の組み合わせ」レポートは、Google広告におけるAI自動化の中身をようやく広告主が検証できるようにした機能です。AI生成コピーの品質チェック、LP拡張の実態把握、クリエイティブ改善のループ構築など、これまでできなかった運用アクションが可能になります。
筆者の運用経験では、AI任せの機能は「便利だが中身が見えないから怖い」という声が多く、特にコンプライアンスの厳しい業種(金融、医療、不動産など)では導入に二の足を踏むケースがありました。このレポートにより「AIが何を出しているかを事後的にチェックできる」状態になったことで、AI機能を使うハードルが下がるはずです。
ただし「この組み合わせだけ止める」粒度のコントロールはまだできない点は覚えておく必要があります。それでも、まずは可視化ができたことの意味は大きく、運用改善の起点として活用すべきレポートです。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。





