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もう「プロンプトのうまさ」は競わない!NotebookLMが実現する”勝手に育つナレッジベース”

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記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • NotebookLMが従来のAIと根本的に違う理由と具体的な活用法

こんな方へオススメの記事

    • レポート作成に時間を取られている広告運用者・マーケター

この記事を実践するための準備

    • Googleアカウントと各種広告ツールの管理権限

もう「プロンプトのうまさ」は競わない!NotebookLMが実現する「勝手に育つナレッジベース」

「ChatGPTがいい」「いやClaudeの方が賢い」「Geminiも捨てがたい」──ここ数年、こんな議論をずっと繰り返してきました。でも冷静に考えると、これって結局「誰に資料作成を頼むか」程度の話なんですよね。Aさんは空気を読んでくれる、Bさんは指示通りにしかやらない、Cさんはホッチキス留めまでやってくれる。そのレベルの違いでしかない。

つまり、インプットの精度が高ければどのAIもそれなりに動いてくれます。今まで私たちが競い合っていたのは「どこまで空気を読んでくれるか」という、いわばプロンプトのうまさだったわけです。

でも、それはもうどうでもよくなりました。

本当に大事なのは、インプットしてアウトプットしたものが「ちゃんとデータベースに残って、更新されていくかどうか」です。一回きりの回答ではなく、知識が蓄積されて育っていく仕組み。これが今まで決定的に欠けていました。やろうと思えばDifyのようなノーコードツールで構築できなくはない。でも正直、開発の手間がかかりすぎて現実的ではなかった。それをNotebookLMが一発で解決してしまいました。

例えばスプレッドシートにGA4のデータを吐き出しておく。Google広告のスクリプトで広告データを定期的に更新する。Search Consoleの公式アドオンで毎時スケジュール配信する。NotebookLMはそのスプレッドシートを都度読みに行って、最新のデータをもとにチャットで回答してくれます。

しかも最近はスライド作成機能やインフォグラフィック生成機能まで追加されました。データを入れておけば、レポート用のスライドまで自動で作ってくれる時代です。

さらに言えば、複数チャネルのデータを入れておけば、簡易的なMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)のような分析も可能になります。どのチャネルが効いているのか、チャットで壁打ちしながら仮説を立てられるのは大きい。

こうなってくると、クライアントにローデータだけ共有して「あとはNotebookLMで自由に見てください」という世界も現実味を帯びてきます。つまり、アウトプットだけ出して結果報告しかできない人は、ますます価値がなくなっていくということです。

そして忘れないでほしいのは、これは広告主側も使えるツールだということ。代理店だけのものではありません。

参照元:NotebookLM

GA4・広告データ・Search Console連携からスライド自動生成まで──広告運用者が今すぐ使うべき理由

NotebookLMの真価は「外部データとの連携」にあります。具体的な活用法を紹介します。まずGA4。公式のGoogle スプレッドシートアドオンを使えば、毎時スケジュールでデータを自動更新できます。そのスプレッドシートをNotebookLMのソースに追加しておけば、常に最新のアクセスデータをもとに回答してくれる環境が整います。

Google広告も同様です。広告スクリプトを使ってスプレッドシートにデータを吐き出す仕組みを作っておけば、キャンペーン別のパフォーマンスや費用推移をNotebookLMに食わせられます。「先月と比べてCPAはどう変化した?」「このキャンペーンの問題点は?」といった質問に、データをもとに答えてくれます。Search Consoleも忘れてはいけません。検索クエリやクリック数、掲載順位のデータをスプレッドシートに連携しておけば、SEOの状況把握もNotebookLM経由で可能になります。

ここからが本題です。これらのデータを複数ソースとしてNotebookLMに登録しておくと、チャネル横断の分析ができるようになります。GA4のコンバージョンデータ、Google広告の出稿データ、Search Consoleの自然検索データ。これらを突き合わせて「今月、どのチャネルが一番貢献したか」を聞けば、簡易的なMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)のような使い方ができます。

本格的なMMMは統計モデルを組んで外部要因も加味して…とかなり専門的で高コストです。でもNotebookLMなら「ざっくり傾向を掴む」レベルの分析が、追加コストなしで可能になる。中小規模の広告主にとっては十分すぎる武器です。

そして最近追加されたスライド自動生成機能。データを入れておけば、レポート用のスライドをNotebookLMが作ってくれます。インフォグラフィックも生成できる。毎月のレポート作成にかけていた時間が大幅に削減できます。

広告運用者がNotebookLMを使うべき理由は明確です。データの蓄積→分析→レポート作成、この一連の流れを一つのツールで完結できるからです。しかも一度セットアップすれば、あとは勝手にデータが更新されていく。まさに「育つナレッジベース」です。

最後に

正直、ようやく来たかという感覚です。今までのAI論争は「誰が一番空気を読めるか選手権」でしかなかった。でもそんなのはどうでもいい。大事なのはデータが蓄積されて、勝手に賢くなっていく仕組みがあるかどうか。NotebookLMはそれを実現した初めてのツールだと思っています。

これで「アウトプットだけ出して終わり」の人は本当に厳しくなる。逆に言えば、データ設計ができる人間の価値は爆上がりします。そして広告主の皆さん、これは代理店だけのツールじゃないですからね。自分でデータ入れて自分で分析できる時代です。

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