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記事サマリー
この記事を読んでわかること
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- スマート自動入札とAI検索による広告配信の最新動向
こんな方へオススメの記事
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- Google広告運用で新機能活用を検討中の担当者
この記事を実践するための準備
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- Google広告アカウントの管理者権限とGoogle担当者連絡先
目次
スマート自動入札の入札範囲拡大機能(ベータ版)で新たなトラフィックを獲得
Google広告のスマート自動入札に追加された「入札範囲拡大機能(ベータ版)」は、従来の入札戦略では獲得できなかった新しいトラフィックの発掘を可能にします。この機能の最大の特徴は「マイナスがない」点です。既存のパフォーマンスを維持しながら、上振れによる追加的な成果を期待できます。
スマート自動入札のアルゴリズムが、これまで入札対象外だった検索クエリや表示機会を分析し、ROASやCPAの目標を満たす可能性が高い場合にのみ入札を実行します。特にAI OverviewsやAI Modeといった新しい検索体験において、広告が多く配信される可能性があると、X(旧Twitter)上での運用者の報告から推測されており、上振れ分の獲得が期待されています。
設定は簡単です。キャンペーンの設定画面で「入札範囲拡大機能」のチェックボックスをオンにするだけで有効化されます。ただし、目標ROASが設定されているキャンペーンでは、有効平均目標ROASが若干引き下げられることを理解しておく必要があります。例えば、目標ROASが200%で広告費用対効果の許容値を10%に設定した場合、有効平均目標ROASは180%となります。
Google担当者に依頼してベータ版の利用を開始し、AI検索の普及に備えた広告配信の最適化を図ることをお勧めします。
AI OverviewsからAI ModeまでのAI検索の進化とGoogle広告への影響
Google検索におけるAI機能の急速な進化により、デジタル広告の配信環境が大きく変化しています。AI Overviewsは2024年から本格展開され、検索クエリに対してAIが生成した概要を検索結果上部に表示します。米国やインドでは、AI Overviewsが表示されるクエリでGoogle検索の利用が10%以上増加しています。
2025年にはより高度なAI Modeが米国で導入されました。クエリファンアウト技術により、ユーザーの質問を複数のサブトピックに細分化し、同時に複数の検索を実行することで、従来よりもはるかに深くウェブを探索できます。Deep Search機能では数百の検索を同時実行し、専門家レベルの引用元を網羅したレポートを数分で作成します。
2024年10月から米国でAI Overview内での広告掲載が正式開始されました。コマーシャル系クエリでAI Overviewsが生成される際に、ショッピング広告がカルーセル形式で表示されます。広告主による特別な設定は不要で、AI Overview内の広告掲載は自動適用されます。ただし、AI Overviewだけを分離した広告パフォーマンスの測定はできず、オプトアウトも不可能です。
海外配信を行っているアカウントでは、AI Overview導入後にインプレッションシェアの低下が報告されています。日本での具体的な導入時期は未発表ですが、AI検索機能の世界的普及を考慮すると、近い将来の導入が予想されます。
海外先行事例から学ぶ!AI Overview広告配信の実態と日本展開への備え
024年10月から米国で正式開始されたAI Overview内での広告配信は、数か月のテスト期間を経て本格運用に入りました。この先行事例から得られる知見は、日本での展開に備える上で重要な指針となります。
米国での配信実態を見ると、AI Overviewは主にコマーシャル系のクエリで生成され、その際にショッピング広告がカルーセル形式で表示されています。例えば「ジーンズについた草の汚れを落とす方法」といった実用的な検索に対して、関連する商品(汚れ落とし剤など)の広告が概要の上部または下部に配置されます。
広告主側の対応は極めてシンプルです。特別な設定は一切不要で、既存のショッピングキャンペーンが自動的にAI Overview内にも配信されます。レポート機能ではAI Overviewだけを分離した測定はできず、従来の検索広告と統合された形での確認となります。また、AI Overview内での広告配信を拒否することはできません。
海外配信を行っているアカウントでは、AI Overview導入後にインプレッションシェアの低下が確認されています。これは、AI Overviewがユーザーの疑問を直接解決することで、従来の検索結果ページまで到達するユーザーが減少していることを示唆しています。一方で、AI Overview内に表示される広告は、より文脈に関連した形で配信されるため、クリック率の向上が期待されています。
日本での展開時期は明確にされていませんが、グローバルでのAI機能展開パターンを考慮すると、2025年後半から2026年前半の導入が予想されます。日本の広告主が今から準備すべき点として、ショッピング広告の商品情報の充実化、商品タイトルや説明文の最適化、そして新しい配信面に対応した予算配分の検討が挙げられます。特に、AI Overviewでは商品の具体的な特徴や用途がより重要になるため、商品フィードの品質向上が成功の鍵となります。
参照元:Google、AI Overview内での広告掲載を正式にスタート。まず米国のモバイル検索から

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しています。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。皆様に直接お会いし、お話しできる機会がありましたら、SEMの運用コンサルから無料相談まで、ぜひお気軽にお声がけください。
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