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GTMのコンバージョンリンカーがローカルストレージに対応!広告計測の精度がさらに向上へ

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記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • GTMのコンバージョンリンカーが、従来のCookieに加えてローカルストレージにもデータを保存するようになり、自動で有効化されていること

こんな方へオススメの記事

    • GTMを使ってコンバージョン計測を行っており、最新のアップデート情報を知りたい方
    • 広告効果測定の精度を高めたい広告運用者やマーケター

この記事を実践するための準備

    • GTMのコンバージョンリンカーが実装されていること(新規の設定は不要)

 

Google タグマネージャーがローカルストレージ対応へ – コンバージョン計測の変化

2024年11月7日、Google タグマネージャー(GTM)は重要なアップデートを発表しました。コンバージョンリンカーが、従来のファーストパーティCookieに加えて、ブラウザのローカルストレージにも広告クリック情報を保存するようになったのです。

参照元:Google タグ マネージャーのリリースノート

 

この更新により、GTMのコンバージョンリンカーは以下の2つの保存領域を活用するようになりました。

  • ファーストパーティCookie(従来通り)
  • ブラウザのローカルストレージ(新規追加)

注目すべき点として、この機能は特別な設定なしで自動的に有効になります。2024年11月9日時点で確認したところ、GTMの管理画面にはこの機能を制御するための特別なチェックボックスなどは実装されていません。つまり、すべてのGTMユーザーが自動的にこの新機能の恩恵を受けられる状態となっています。

このアップデートの重要な点は、データ保存方式が二重化されたことです。従来のファーストパーティCookieによる保存に加え、ブラウザのローカルストレージも活用することで、コンバージョン計測の精度向上が期待できます。

 

ローカルストレージとCookieの違い – データ保存の仕組みを理解する

ブラウザのローカルストレージとCookieは、どちらもウェブブラウザでデータを保存できる仕組みですが、その特性は大きく異なります。それぞれの特徴を理解することで、なぜGTMがローカルストレージを追加したのか、その意図が見えてきます。

メリット①:保存容量の違い

Cookieは一般的に4KBという比較的小さな容量制限がありますが、ローカルストレージは最大5~10MB(ブラウザによって異なる)のデータを保存できます。広告クリック情報のような様々なパラメータを保存する場合、より大きな容量を持つローカルストレージは有利と言えます。

メリット②:データの有効期限

Cookieには有効期限を設定する必要がありますが、ローカルストレージのデータは明示的に削除されない限り、永続的に保存され続けます。つまり、長期的なユーザー行動の追跡という観点では、ローカルストレージの方が安定的にデータを保持できます。

メリット③:サーバーとの通信

Cookieは毎回のHTTPリクエストに自動的に付与されてサーバーに送信されますが、ローカルストレージのデータはJavaScriptを使って明示的に取得・送信する必要があります。この特性により、ローカルストレージはサーバーへの不要な通信を減らすことができ、パフォーマンスの向上にも貢献します。

メリット④:セキュリティとプライバシー

両者とも同一オリジンポリシーに従いますが、Cookieには「HttpOnly」や「Secure」などのセキュリティフラグを設定できる一方、ローカルストレージはJavaScriptからのみアクセス可能です。また、最近のプライバシー保護の流れにより、Cookieの使用に制限がかかるケースが増えていることも、ローカルストレージ採用の背景の一つと考えられます。

ローカルストレージ 1stパーティCookie
一部OSでのコンバージョン計測可能期間 7日
Webサイトへの再訪問で延長
1日
サブドメイン間のデータ共有 不可 可能

 

広告プラットフォームのローカルストレージ活用事例 – Yahoo!広告の実装から学ぶ

広告プラットフォームの中で、Yahoo!広告は既にローカルストレージを活用したコンバージョン計測を実施しています。その実装内容を見ることで、ローカルストレージの実践的な活用方法を理解することができます。

Yahoo!広告では、サイトジェネラルタグにローカルストレージオプションを実装しています。このオプションを利用することで、ブラウザーのローカルストレージに保存されたデータを使用して、一部のOSにおけるコンバージョン測定可能期間を7日まで延長できるようになっています。

参照:コンバージョン測定の補完機能について

 

最後に

デジタル広告計測の世界では、Cookieに依存しない新たな計測手法としてローカルストレージの活用が進んでいます。Google タグマネージャーとYahoo!広告のサイジェネラルタグの実装事例からも分かるように、この動きは業界全体のトレンドとなりつつあります。

ローカルストレージは、大容量のデータ保存が可能で、永続的なデータ保持が可能という特徴を持ちます。一方で、プライバシーにも配慮した設計となっており、JavaScriptを介した明示的なデータ送信が必要です。このバランスの取れた特性により、今後のプライバシー重視の時代においても、効果的なコンバージョン計測を実現できる手法として期待されています。

広告主やマーケターは、特別な設定を行うことなく、これらの新機能の恩恵を受けることができます。より正確な広告効果測定のため、各プラットフォームの動向に注目していく必要があるでしょう。

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