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記事サマリー
この記事を読んでわかること
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- Google広告でコンバージョントラッキングの精度を上げ、より多くの獲得を増やせること
- Google Ads User-provided Data Eventを利用した拡張コンバージョンの設定方法
こんな方へオススメの記事
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- 拡張コンバージョンを設定してコンバージョン率を上昇させたい方
- 自動入札の精度をもっと上げたい方
この記事を実践するための準備
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- Googleタグマネージャーの公開権限のコンテナ
- メールアドレスを取得出来るwebサイト
- Google広告アカウントのコンバージョンID
この記事の参照ページ
目次
Cookieの規制によるコンバージョンデータの未計測問題
ユーザーによる個人データの取り扱いに関する厳格化の要望により、3rdパーティCookieの制限や廃除の動きが2024年もさらに大きくなっています。Cookieが利用出来ないと計測が出来なくなるため、コンバージョン数が実際の獲得よりも減っているように見えてしまいます。その結果コンバージョンデータが獲れないと、コンバージョンシグナルを基に入札をしているスマート自動入札の精度が落ちてしまい、どんどん獲得も減っていってしまう負の循環を生み出してしまいます。
掲載結果を正確に評価するには、1 か月以上の長い期間に 30 回以上のコンバージョン(目標広告費用対効果の場合は 50 回以上)を獲得していることが推奨されます。
参照ページ:スマート自動入札について
匿名のデータを取得し計測の改善をする拡張コンバージョン
今後もCookie規制などによるコンバージョンの計測精度は減少していくため、匿名でコンバージョンを取得が出来る新しソリューションが必要になっており、それがGoogle広告の拡張コンバージョンです。利用することにより観測可能なコンバージョンデータを増やすことが出来ます。参照のGoogle主催のセミナー動画では、検索キャンペーンのコンバージョン率が平均で5%増加すると報告されていました。
拡張コンバージョンを利用するメリット
企業が持っている1stパーティデータとも言われる自社(顧客)データを利用します。自社データとは、メールアドレスやウェブサイトの訪問者など企業が顧客から同意のもとで直接収集する情報のことです。参照しているGoogle主催のセミナー動画ででは、多くの企業は自社データの価値を理解しているが十分に活用できていないと思っているところがほとんどです。
- デジタルマーケティングにおける自社データの重要性を認識している企業は90%
- 複数のチャネルからデータを収集して統合している企業は30%
- データを活用してクロスチャネルエクスペリエンスを実現している企業は1%
自社データを利用した広告の改善価値はどれほどあるのかも動画で語られており、一例が紹介されていました。
- 一つの広告プレースメント、メッセージ、アウトリーチで増加収益が2倍に拡大
- データ結合の進んでいない企業と比較すると、費用対効果が1.5倍に向上
拡張コンバージョンにどんなデータをインプットするのか
拡張コンバージョンは、メールアドレスか電話番号の情報をインプットさせます。ほとんどの場合はメールアドレスの情報をインプットすることが多いです。自社データ(顧客データ)とコンバージョンしたログインユーザーを照合して、コンバージョントラッキングの精度を向上させます。ログインユーザーとは、GoogleアカウントでYoutube、Gmail、Googleカレンダーなどを見ているときにログインしているメールアドレスのことです。
拡張コンバージョンはアカウント単位で導入
Google 広告の拡張コンバージョンは、デフォルトアカウント単位で導入されます。コンバージョンアクション単位でも利用出来ますがオプトアウトの設定が必要です。
参照:Google 広告のアカウント レベルでの拡張コンバージョンについて
匿名データのGoogleの取り扱い方と安全性
拡張コンバージョンで取得したメールアドレスは、コンバージョンしたログインユーザーのデータと照合をしてくれます。おそらく一度照合したログインユーザーのシグナルはずっと保持されていると思いますが、個人情報であるメールアドレスをどれくらいの期間保持しているかというと、Xで質問をしたらGoogleのアカウント担当さんが答えてくれたというポストがあります。
ご質問ありがとうございます!
丁度この手の質問気になって以前質問した内容を下記の通り記載します。
Q:拡張コンバージョン導入の際、Googleのサーバーへハッシュ化した個人情報を送付することとなりますがデータの保持期間等ありますか?
A:照合で一致しなかったデータは 63… https://t.co/fq4Hc2qjmF
— Web広告運用してる人(有効学習中) (@listing_ppc) November 24, 2023
Q:拡張コンバージョン導入の際、Googleのサーバーへハッシュ化した個人情報を送付することとなりますがデータの保持期間等ありますか?
A:照合で一致しなかったデータは 63 日以内、照合で一致したデータは 140 日以内に自動的に削除とのことです。 上記、ヘルプセンターではなくアカウント担当に質問した内容なのでおそらく正しい回答かと思います。
拡張コンバージョンの設定方法
設定方法はGoogleタグマネージャーのGoogle Ads User-provided Data Eventというのを利用すると簡単に発火させることが出来ます。メールアドレスを簡単に取得して、自動でハッシュ化してGoogleへデータを送ってくれます。ハッシュ化とは不可逆の暗号化のことで、メールアドレスを暗号化してくれて逆に戻すことは出来ません。
Google Ads User-provided Data Eventのメールアドレスの収集方法については、3つあります。
自動収集 | タグによって、ページ上のユーザー提供データを自動的に検出できます。最も手早く簡単な設定方法ですが、ウェブサイトにコード スニペットを追加する方法と、CSS セレクタや JavaScript 変数を指定する方法よりも信頼性に劣ります。 |
コード | 照合に使用するハッシュ化された顧客データを送信するコード スニペットを、ウェブサイトに追加します。この設定方法では、コンバージョン タグの配信時に常に適切な形式のデータが送信され、拡張コンバージョンの精度が高まります。 |
手動設定 | 関連するユーザー提供データが含まれる CSS セレクタまたは JavaScript 変数を、ページ上で手動で指定します。この設定方法は、自動検出よりも精度が優れていますが、ウェブサイトにコードを追加する方法より信頼性は低くなります。サイトのコード、特にコンバージョン ページの書式や CSS セレクタを頻繁に編集する場合は、CSS セレクタではなくデータレイヤー変数を使用するか、この方法よりも [コード] を選択する方法がおすすめです。CSS セレクタによる実装は、サイトの書式を変更すると正しく動作しなくなることがあります。 |
今回は誰でも出来る簡単な方法の、自動収集について説明していきます。
①Googleタグマネージャーにログインし、拡張コンバージョンを設定したいコンテナを選びます
公開権限が無ければ、設定しても反映できませんので必ず確認をしてください。もし権限が無ければログインしているメールアドレスを、公開権限をもらうように企業の管理者へ連絡してください。
②メールアドレスの入力項目があるページを探し、トリガーを設定する
前述の通りコンバージョンタグが発火したユーザーのログインメールアドレスと、拡張コンバージョンで取得したメールアドレスはGoogleが自動で照合をしてくれます。
入力フォームの確認ページや入力フォームの完了ページは、メールアドレスの情報が入っていることが多いです。気を付けるポイントは入力フォームの入力ページを選ばないことです。GTMタグが読み込めるのは基本的にページの読み込みの時ということを覚えておいてください。
メールアドレスがあるURLを見つけたら、トリガーから青枠の部分に入力をしてください。赤枠はこの例のように入力し選んでください。
③タグから、Google広告の中のGoogle Ads User-provided Data Eventを設定する
Google広告アカウントからコンバージョンIDを取得し入力をします。次に新しい変数というボタンを押します。
④新しい変数を作成し、Type:Automatic collectionを選ぶ
メールアドレスのパターンに一致する文字列をページ内で自動的に検出してくれるのが、Automatic collection(自動収集)です。おそらくですが@やco.jpなどをHTMLソースから読み込んでくれて自動で取得してくれていると思います。また、ハッシュ化しなくてもGoogleの媒体へ送るときに自動でハッシュ化してくれるのも特徴です。
ただ本当に取得出来ているのか、どのようにメールアドレスを取得しているのかは見ることが出来ません。
⑤保存して公開すれば完了です
お疲れさまでした、これで拡張コンバージョンの設定は完了です。
Googleアナリティクス4にも拡張コンバージョンが導入される?
GA4 は保護されたオーディエンス API の展開を強化し、拡張されたコンバージョンを追加します、という記事が2023年12月11日に出ています。GA4のGoogleシグナルが無くなることで、Google広告にGA4のコンバージョンをインポートされている方も今後拡張コンバージョンが実装されます。
参照ページ:GA4 ramps up Protected Audiences API rollout and adds enhanced conversions
追記ですが、こちらの記事にGoogleアナリティクス4の拡張コンバージョン導入記事を書きました。
最後に伝えたい事
ユーザーのプライバシーを重視する現代の環境では、今後コンバージョンの測定方法が制限されていくため、拡張コンバージョンのような新しい測定方法が必要とされています。機械学習モデリングの利用や、顧客データとの照合によるコンバージョンの計測の精度の向上など、是非活用してみてください。
1stパーティデータについて語っている動画
現在SEO対策ツールのミエルカのアンバサダーになっており、ミエルカさんのご厚意で動画を撮ってもらいました。1stパーティデータのことについて語っておりますので、こちらもお手すきの際に視聴していただけると嬉しいです。
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Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しています。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。皆様に直接お会いし、お話しできる機会がありましたら、SEMの運用コンサルから無料相談まで、ぜひお気軽にお声がけください。