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記事サマリー
この記事を読んでわかること
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- 2024年度Cookie問題を解決する方法
こんな方へオススメの記事
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- Google広告の2024年の展開が気になっている方
この記事を実践するための準備
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- Google広告の運用知識
目次
2024年度の計測環境に変化(※2024年度1月時点)
簡単に比較表を作ると、現在のCookieを取りまく環境がわかります。
1st party Cookie (計測) |
3rd party Cookie (ターゲティング+計測) |
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Safari(※日本でPC8.8%・SP58%の使用率) | JavaScriptの場合7日間で削除 既知のトラッカーがリファラにある場合は1日 |
完全ブロック (ITP) |
Chrome(※日本でPC37%・SP39.8%の使用率) | 最長400日で削除 | 2024年1月~段階的廃除 |
2024年に段階的に廃除される3rdパーティCookieは、訪問しているウェブサイト以外のサービス(Google等)によってブラウザに保存される小さなデータの塊です。これらのCookieは、ユーザーの行動を横断的に追跡し、その情報を用いてより関連性の高い広告をユーザーに提供するために使用されます。例えば、異なるウェブサイトでのあなたの閲覧行動を分析し、ユーザーの興味や好みに合わせた広告を表示するのに役立ちます。簡単に言えば、3rdパーティCookieは、ウェブ全体であなたの行動を「記憶」し、個々の興味に基づいたパーソナライズされた広告体験を提供するために使われ、リターゲティング配信等の大きな役割となっていました。
Chromeの3rdパーティCookieを廃除した生活をして
実はChromeのCookie廃除ユーザーになる方法もあり、私は2024年1月の中旬からCookieレス生活をしていますがこんなことを感じています。
- リターゲティング広告が出てこない
- キーワードターゲティング(過去に検索したキーワード)の広告は当たっているような気がする
- 自分とは関係の無い広告が増えた気がする
参照:Chromeユーザーの 1% に対して、デフォルトでサードパーティ Cookieの使用が制限されている
とはいえ、媒体社も関係の無い広告ばかり出すとユーザーが離れてしまうので、プライバシーサンドボックスの研究や配信ロジックの見直しも媒体側も適宜していると思います。
Google社から共有を受けた2024年度のマイルストーンを図解
Googleさんから見せて頂いた資料と説明を、自分なりの解釈でまとめてみました。
私の誇大解釈があるかもしれませんがご容赦ください。ChromeのCookie問題で、2024年度後半からコンバージョンを精緻に計測が出来なくなります。ユーザーリストも減り、自動入札やクロスネットワークであるP-MAXもうまく働かなくなるというのが大きな問題になります。そのうえでデータを担保するためには、1stパーティデータの活用が必要となります。
見せてもらったGoogle社の実績では、1st Party Dataを正しく活用する企業とそうでない企業に比べて、2倍の売上増加効果があるそうです。どこの国か、広告単体の話かはわかりませんが、LINEのユーザーの囲い込みなど効果が良いので頷ける部分もあります。
1stパーティデータ活用の「カスタマーマッチ」と「拡張コンバージョン」について
広告主が持っている個人情報のことで、メールアドレス・電話番号・住所のことを指します。拡張コンバージョンはやカスタマーマッチの設定に必要なデータとなります。仕様するには必ず広告主の法務部へ規約を確認してから利用するようにしてください。
Googleヘルプ:カスタマーマッチについて
Googleヘルプ:拡張コンバージョンについて
一言でいうと、カスタマーマッチはリマーケティングで活用していたユーザーリストの代替です。拡張コンバージョンは広告主からのデータを利用し、デバイスやブラウザを跨いだ測定可能なデータを増やす測定範囲の拡大です。この二つを設定すればGoogleプロダクトの更なる量と質の担保が出来るわけです。
「カスタマーマッチ」と「拡張コンバージョン」を設定した公式の実績
Think with Googleでは、通販専門チャンネル「SHOP CHANNEL」様の事例が出ていました。新規顧客の獲得数が45%増加、CPAも24%改善と素晴らしい数値になっています。
参照:Think with Google ファーストパーティ データの活用 ―― 社外パートナーと初めての連係、マーケティング担当者はどう動いたか
「カスタマーマッチ」と「拡張コンバージョン」を設定した肌感
カスタマーマッチは、Cookieベースのユーザーリストを設定するよりもP-MAXの配信精度が上がった気がします。しかし顧客情報をアップロードするとGoogleが認識しているメールアドレス情報とのマッチ率が出てくるのですが、20%~50%ほどしかなく完全な顧客情報の代替にはなっていません。つまりユーザーはGoogleにログインしているアドレスと、コンバージョンするアドレスを使い分けているユーザーが多いということです。
拡張コンバージョンは、Google社は中央値で5%ほどコンバージョンが増えると言っていますので、自動入札の精度は上がっているのだと思います。しかし、Cookieで獲れたのか?拡張コンバージョンで紐づけたコンバージョンで獲れたのか?比率がわからないのでなんとも言えません。
Google広告の拡張コンバージョンをGoogle Ads User-provided Data Eventで設定する方法
最後に
所感が多くなってしまいましたが、今年はGoogleの注力メニューを使いこなすには1stパーティデータの活用が肝となります。広告主の会員規約の問題を解決したとしても、広告運用を任せている代理店と広告主の関係値が悪ければ、顧客情報の受け渡しも困難になると思っています。関係値が悪いところはこの機会にリプレースされないように気を付けたいところです。
意外にこの問題は普段からのコミュニケーションが大切!?かもしれません。インハスウで広告を運用しているところは是非活用を検討してください。
Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しています。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。皆様に直接お会いし、お話しできる機会がありましたら、SEMの運用コンサルから無料相談まで、ぜひお気軽にお声がけください。