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注目のポイント
2026年3月1日から、Google広告の広告スケジュール利用時の予算消化ロジックが段階的に変更されています。これまでは「平日のみ」「営業時間のみ」と配信を絞れば、実際の配信日数分だけ予算が消化される仕組みでした。しかし新ロジックでは、配信日が限られていても日予算×30.4倍の月間上限まで積極的に使い切ろうとします。例えば日予算10万円・平日のみ配信の場合、旧ロジックでは月約220万円だったものが最大304万円まで膨らむ可能性があります。この情報はGoogleが大手代理店向けに共有しているもので、一般の広告主には通知が届きません。特にBtoB広告は曜日と時間帯の両方で配信を絞るケースが大半のため、直撃を受けます。日予算の再計算と週次モニタリングを早急に始めてください。
目次
Google広告の日予算設定の何が変わったのか?
2026年3月1日から、Google広告の広告スケジュール利用時の予算消化ロジックが変わります。Googleが大手代理店向けに共有している情報で、一般の広告主には直接通知が届きません。英語圏を中心に段階的にロールアウトが始まっており、日本のアカウントへの展開も時間の問題です。
旧予算ロジック(〜2026年2月)はどう動いていたのか?
これまで広告スケジュールで「平日のみ」と設定した場合、Googleは実際の配信日数ベースで予算を消化していました。月の平日が約22日であれば、日予算×22日分が実質的な月間消化額です。つまり「配信しない日の分は使わない」という素直な動きをしていました。
参照:1 日の費用が 1 日の平均予算を超える場合がある理由
新代さんロジック(2026年3月1日〜)は何が違うのか?
配信日が限られていても、日予算×30.4倍の月間上限まで積極的に使い切ろうとするようになりました。 配信スケジュール外の日に広告が出るわけではありません。配信日に1日最大2倍の日予算まで使い、月間上限に到達しようとするのが新しいロジックです。
曜日だけでなく時間帯制限も対象
見落としがちなポイントですが、この変更は曜日の制限だけでなく時間帯の制限にも適用されます。「平日9時〜18時のみ」のような設定をしている場合、曜日と時間帯の両方でこのロジックが効いてきます。
具体的にいくら増える? ── 数字で見る影響
旧ロジックと新ロジックで月間の予算消化がどれだけ変わるのか、日予算10万円のケースで見てみます。配信日数が少ないほど差が大きくなり、週末のみ配信では2倍に膨らみます。
| 条件 | 旧ロジック | 新ロジック | 差額 |
|---|---|---|---|
| 平日のみ配信 | 月 約220万円(22日×10万円) | 最大304万円(10万円×30.4) | +84万円(38%増) |
| 週末のみ配信 | 月 約80万円(8日×10万円) | 最大160万円(8日×20万円) | +80万円(100%増) |
配信日数が少ないほど旧ロジックとの乖離が大きくなります。これが「2倍問題」と言われる所以です。
なぜBtoB広告が直撃を受けるのか?
BtoB広告がこの変更の直撃を受ける理由はシンプルです。BtoBは配信スケジュールを絞る運用が「当たり前」だからです。
BtoB広告の典型的な設定パターン
- 平日のみ配信(土日はオフ)
- 営業時間帯のみ(9:00〜18:00)
- 曜日×時間帯の掛け合わせ
この「曜日+時間帯」のダブル制限が新ロジックでは両方とも影響を受けます。 今まで「絞った分だけ安く済んでいた」月額コストが、3月以降は上限いっぱいまで膨らむ可能性があります。
BtoC広告はなぜ影響が少ないのか?
BtoC広告は24時間365日配信が基本です。もともとスケジュールを絞っていないため、旧ロジックでも新ロジックでも消化ペースに大差はありません。今回の変更で本当に気をつけるべきなのは、スケジュールを絞って運用しているBtoB側です。
予算を下げればいい? ── それだけでは解決しない理由
「月間予算が膨らむなら、日予算を下げればいいのでは?」と思うかもしれません。確かにそれは対策のひとつですが、単純に下げるだけでは別の問題が起きます。
予算を下げすぎると何が起きるのか?
日予算を絞りすぎると、配信可能な時間帯の中で早い段階で予算が尽きてしまいます。特にBtoBでは午前中にリード獲得が集中するケースも多く、午後の配信機会を丸ごと失うリスクがあります。つまり、予算超過を防ごうとした結果、今度は予算ショートで機会損失が発生する可能性があるということです。
新ロジック下では「癖を見る」しかない
新ロジックでの最適な日予算は、正直なところ実績を見ながら調整するしかありません。これまでのデータとは消化パターンが変わるため、過去の実績をそのまま参考にできない状態です。3月以降の実績を週次で細かくモニタリングしながら、適正値を探っていく運用が必要になります。
今すぐやるべき対策
新ロジックへの対応は早い方がいいです。以下の3つを順番に進めてください。
対策①:日予算を再計算する
月の目標予算÷30.4で日予算を再設定してください。例えば月220万円が目標であれば、日予算は約7.2万円です。これが新ロジック下でのベースラインになります。
対策②:共有予算も同様に見直す
共有予算を使っている場合も同じ考え方で見直しが必要です。共有予算は個別キャンペーンの上限管理が効きにくいため、予想以上に消化が偏るリスクがあります。 むしろ共有予算の方が影響が読みにくいので、優先的に確認してください。
対策③:3月以降の実績を週次でモニタリングする
日予算を再設定して終わりではありません。消化パターンが変わることでオークションの競争環境も変わります。CPAやROASの変動を週次で確認し、数字の動きを見ながら柔軟に調整していくことが重要です。
最後に
正直なところ、今回の変更で広告スケジュールの設定難易度はかなり上がります。これまでは「平日だけ」「営業時間だけ」とシンプルに絞れば済んでいたものが、日予算の逆算や消化ペースの監視まで必要になります。新ロジックの癖がわかるまでは手探りの調整が続くことになるので、しばらくは運用者の負担が確実に増えます。まずは自分のアカウントの数字をしっかり見て、早めに動いてください。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。





