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検索広告をベース・自然検索を変動とするコンバージョン戦略のアプローチ

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記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • 広告とSEOの正しい使い分けの新しい考え方

こんな方へオススメの記事

    • SEO上位で広告停止を検討中の方

この記事を実践するための準備

    • 現在の広告とSEOの成果データ

なぜ「SEO上位だから広告停止」は危険なのか?

広告主から「SEOで上位表示されているから、そのキーワードで広告を止めたい」という相談を受けることがありますが、これは避けた方が良いという結論になります。

なぜかというと、広告とSEOでは根本的な仕組みが異なるからです。広告はオークション制で動いており、検索が発生するたびに入札が行われ、その都度ごとに順位や表示される・されないが決まります。一方、SEOは検索結果に比較的安定的に表示される仕組みです。

広告は検索回数や競合状況によって表示が左右されるオークション単位での判断となります。ディスプレイ広告ならコンテンツが表示される単位、動画広告なら再生される単位で、それぞれ表示タイミングが異なります。つまり、検索クエリによって偶然表示されるかどうかが決まるだけで、そもそものロジックが違うのです。

現在の自然検索は、AIO(AI Overview)の方がクリック率が高いという状況もあり、AIOが表示されるかどうかを判定基準にするべきではありません。仮にAIOのソース元として掲載されたとしても「だから何?」という話になってしまいます。広告が検索結果の上部に表示されるか下部に表示されるかもブラックボックス化しており、詳細に調査しないと分からないのが現状です。

また、今後AIOやAIモードにも検索広告やショッピング広告が出ますので、ますます自然検索の順位だけが変数ではなくなります。

参照元:AI Overviewの中での広告掲載がGoogleのPC検索でも開始(米国のみ)

AIモードとAIOからSEOのベース×変動の考え方

最近、ある広告主から非常に興味深い考え方を聞きました。自然検索を変動コンバージョンとして捉え、広告のコンバージョンをベースコンバージョンとして位置づけているというアプローチです。

この考え方では、年間を通してベースとなる広告コンバージョンをしっかりと確保し、プラスアルファでSEOからのコンバージョンが取れたら良いという変動要素として捉えています。従来の「SEOで上位表示されたら広告を止める」という発想とは真逆の戦略です。

この手法の優れている点は、予測可能性と安定性を重視していることです。広告は費用をかければある程度のコンバージョンが見込めますが、SEOは検索アルゴリズムの変更やAIOの影響など、コントロールできない要因に左右されやすいという特性があります。

そのため、確実性の高い広告をベースとして年間計画を立て、SEOを上振れ要因として活用するという考え方は、リスク分散の観点からも非常に合理的なアプローチだと言えるでしょう。

時代に合せて、考え方をアップデートしていくのは大切だなと改めて思いました。

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