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デジタル業界の裏側 〜他業種問わずの関わりから見えた不思議な人々〜①

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記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • 業界で見かける困った人物の特徴と対処法

こんな方へオススメの記事

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この記事を実践するための準備

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今回この記事を書こうと思った理由

いつもは媒体情報やマーケティング戦略について書いていますが、今回は少し趣向を変えてみたいと思います。デジタルマーケティングは総合力だと私は考えています。AIの時代において生き残るためには、できることの量を増やし、運用する能力、フロントに立つ能力、説明責任を果たす能力、SNSの使い方、マーケティング力など、すべてが必要になってきます。

デジタル業界で20年以上活動している中で、様々な業種の方々と関わる機会が多くありました。そこで出会った「不思議な体験」や「不思議な人々」から得た教訓があります。最近、コンサル先の方から「そういった経験談を聞きたい」という声をいただきましたので、今回はこのようなテーマで記事を書くことにしました。

デジタルマーケティングの世界だけでなく、他業種との関わりの中で感じた違和感や、そこから学んだ教訓を共有することで、皆さんのビジネス活動にも何か参考になればと思っています。今回は特に印象に残った「不思議な人々」との体験を、具体的なエピソードを交えてお伝えしていきます。

某代理店の社長の話

とある代理店の社長と関わった経験についてお話しします。この方は表向きは「愛情たっぷり」だとか「世界平和」などと素晴らしいことを言う人でした。相手の気持ちを考えずにズカズカと入り込んでくるスタイルで、そういったところに引かれる人も少なくありませんでした。

ある時、その事務所の引っ越しを手伝いに行ったことがあります。そこで目にしたのは、外では「愛情」や「素敵な人がいっぱいいる」と語る一方で、社内の人間には驚くほど厳しく接する姿でした。当然、社員からは嫌われており、社員同士でその日の社長の機嫌を伺うような会話がチャットやメールで交わされていました。

さらに驚いたことに、その社長はメールサーバーの中を勝手に覗き、社員の監視をしていたのです。気に入らないやり取りを見つけると、社員がやってもいないことをでっち上げて晒すということまでしていました。

こうした行動に対して一度指摘したことがありますが、当然認めませんでした。最後に彼が言った「うるさい、うるさい、うるさい」というセリフは今でも覚えています。自分がやったことを理解できていない人が意外と多いものだと感じた出来事でした。

先日、顧問先の代理店へその代理店から一気に3人以上の面接希望者が同じ時期に来たことがあり、「相変わらず癇癪を起こしているのだろうな」と想像しました。転職された方は実力不足ですぐに転職されたそうですが、それはまた別のお話として。

表向きは「愛情」や「世界平和」を語る人は、私の経験則で言うと、実際の行動が伴わないケースが多いように思います。言葉と行動の一致は、ビジネスにおける信頼関係の基本なのではないでしょうか。

音響監督との体験

わたしはナレーションや声の仕事をいただくことがある中で、ある音響監督との体験についてお話しします。

経験を積んでいくと、フィードバックや意見はどんどん具体的になっていくものです。例えば「声が暗い」というフィードバックは実は非常に浅いものです。「このシーンはこういう場面なので、もう少し明るめの声でお願いします。」というように具体的に伝えられるようになるのが、経験を積んだ証です。同様に「CPAが安くなりました。」ではなく「これが原因でCPAが安くなりました。」と、原因まで説明できるようになるのです。

しかし、その音響監督はそれができませんでした。自分の仕事に対して「芯」がないのです。他業種である私が指摘すると「俺はディレクターと名前のつくものを全部やっている」「言うこと聞け」「俺は20年以上やっているんだ」という返答が返ってきました。

私はこう返しました。「じゃあ20年以上、無駄なことをやっていたんですね」と。年次だけで物事を語る人は大したことがないと思います。「20年やってきて、あなたは何ができるんですか?」と問うてみたいです。

他業種との関わりの中で感じたのは、まだ「長くやってきたら言うことを聞くもの」という古い年功序列の考え方が残っているということです。団塊世代や氷河期世代にそういった考え方が多いように感じます。

年次だけで語るのではなく、「何年やってきたから何ができるようになった」という風になった方が正しいと思います。もちろん年次が低くても優秀な人はたくさんいます。そうした人材の能力を見ることができないのは、その人自身が浅いということの表れなのでしょう。

15年ぶりの連絡と「くれくれ君」

約15年前に顧問先で関わっていた方についての話です。この方は当時から自分の都合の良い時だけ連絡してきて、レスを返さないタイプの人でした。そんな彼から15年ぶりぐらいに連絡が来ました。

現在はデジタル広告代理店の社長をしているとのことで、お客さんとの関係が悪化しており、第三者として入って意見をして欲しいという依頼でした。そこで私のブログにもある「MaxMagic」の資料を見せて「これをやった方がいいですよ」とアドバイスしたところ、「ちょっとそれくれないですか」と言ってきたのです。

資料を渡すこと自体は問題ないのですが、その後連絡が一切なくなりました。こういうタイプの人は多いのです。長年仕事をしていると、「こういうことができますよ」という話をする際に資料をチラ見せすることがあります。そこで「ちょっとそれくれないですか」という人がいるのですが、基本的にそういう人たちは「くれくれ君」つまり「テイカー」なのです。

「なぜ無料でそれを渡す必要があるのか」という視点が欠けています。情報は知識であり、それを得るためには相当な練習と勉強が必要です。それを無料でもらうという考え方は良くありません。特に関係性があるなら別ですが、それはお金がかかるものだという認識を持っていない人間とは仕事をしない方が良いでしょう。

こうした「くれくれ君」「テイカー」と仕事をすると、常に一方的な関係になり、自分だけが与え続ける構図になってしまいます。ビジネスにおいては適切なギブ&テイクのバランスが重要であり、そのバランスを理解できない人とは距離を置くことが賢明です。

最後に

今回は「表面上の言動と内面の不一致」「年次だけで語る空虚さ」「くれくれ君の問題点」という3つのエピソードをご紹介しました。デジタルマーケティングの世界だけでなく、様々な業界で起こりうる人間関係の機微です。

経験から学んだことは、言葉と行動の一致が信頼関係の基本であること、年数ではなく実績や能力で人を判断すべきこと、そして一方的に取るだけの関係では長続きしないということです。

皆さんも似たような経験をお持ちかもしれません。「あるある」と思われた方も多いのではないでしょうか。次回もさらに興味深い体験談をお届けします。

デジタル業界や他業種との関わりから見えた不思議な人々〜②」に続きます。お楽しみに!

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