この記事は6分で読むことができます。
記事サマリー
この記事を読んでわかること
-
- 経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によるインターネット広告費の推移
こんな方へオススメの記事
-
- インターネット広告業界で働く方や、これから働きたいと考えている方。
この記事を実践するための準備
-
- 自社のデジタル広告費用の推移
目次
2024年12月のインターネット広告費
経済産業省が発表した「特定サービス産業動態統計調査」のインターネット広告費の結果をグラフ化しました。売上高は2019年から2024年にかけて全体的に増加傾向にあります。
2024年12月のインターネット広告費は161,885百万円で、前年同月比5.7%増となりました。また2024年の年間総額は1,581,775百万円となっており、前年との比較では6.4%の増加となっています。
年間推移を見ると、2024年は前年比プラスで推移しており、特に7月、9月の成長率が高く、それぞれ前年同月比14.2%増、9.7%増となっています。1月のみわずかにマイナス(-0.4%)となりましたが、それ以降は安定してプラス成長を続けています。
参照:特定サービス産業動態統計調査(広告業の中のインターネット広告費)
2024年12月までのインターネット広告費の推移を見ていきましょう。
- 2024年1月の売上高は122,012百万円で、前年同月比0.4%減
- 2024年2月の売上高は123,301百万円で、前年同月比1.6%増
- 2024年3月の売上高は166,631百万円で、前年同月比12.9%増
- 2024年4月の売上高は136,696百万円で、前年同月比1.9%増
- 2024年5月の売上高は115,237百万円で、前年同月比1.4%増
- 2024年6月の売上高は118,908百万円で、前年同月比8.3%増
- 2024年7月の売上高は127,411百万円で、前年同月比14.2%増
- 2024年8月の売上高は122,739百万円で、前年同月比7.0%増
- 2024年9月の売上高は128,406百万円で、前年同月比9.7%増
- 2024年10月の売上高は126,243百万円で、前年同月比7.3%増
- 2024年11月の売上高は132,306百万円で、前年同月比7.5%増
- 2024年12月の売上高は161,885百万円で、前年同月比5.7%増
2024年12月のインターネット広告費は、前年同月比5.7%増の161,885百万円となりました。この結果は、11月の7.5%増から若干成長率が鈍化したものの、引き続き堅調な成長を示しています。
12月の売上高は2023年12月の153,090百万円から増加しており、インターネット広告市場の規模拡大が継続していることがうかがえます。また例年通り12月は年間で最も売上高が大きい月となり、年末商戦の広告需要の高さを反映しています。
2024年全体のインターネット広告費の推移を見ると、1月と2月は前年同月比でほぼ横ばい、3月は大幅な増加、4月と5月は小幅な増加、6月以降は高い成長率を維持しており、下半期に市場が活況を呈していることがわかります。これは、広告主の広告予算の配分時期や、季節的な需要の変動、さらには経済状況の改善などが複合的に影響している可能性があります。
2024年の年間インターネット広告費は、前年比6.4%増加し1,581,775百万円となりました。年初は緩やかな成長でしたが、3月と6月以降に高い成長率を記録。市場は着実に拡大し、特に下半期に入って安定的な成長が持続しています。
4マス媒体の広告費(2024年12月
2024年12月の4マス媒体の広告費を見ると、11月とは異なる傾向が見られます。
テレビ広告費は前年同月比3.8%増の128,560百万円となりました。11月の4.6%増から成長率がやや低下したものの、引き続き堅調な成長を示しています。
新聞広告費は4.9%増の19,230百万円でした。11月の6.3%増からは成長率が若干低下したものの、プラス成長を維持しています。広告市場の回復基調が継続していることがうかがえます。
ラジオ広告費は0.3%増の3,105百万円。11月の1.0%減からプラスに転じ、わずかながら成長を記録しました。ラジオ広告市場は小規模ながら、比較的安定した水準を維持しています。
雑誌広告費は10.2%増の5,218百万円と、11月の13.6%増からは成長率が低下したものの、引き続き二桁成長を記録しています。雑誌広告市場は月ごとの変動が大きいものの、回復傾向が続いています。
2024年12月の4マス媒体広告費は、全ての媒体でプラス成長となり、特にテレビと雑誌が好調な結果となりました。年末商戦の影響もあり、広告市場全体の回復基調が強まっており、各媒体の業績も総じて改善傾向にあります。
最後に
2024年12月の結果は、デジタル広告が5.7%増と堅調な成長を維持する一方、4マス媒体では全ての媒体がプラス成長となり、広告市場全体として好調な結果となりました。特にテレビと雑誌の成長率が高く、媒体間の格差も縮小の兆しが見られます。
2023年と2024年を比較すると、デジタル広告費は年間総額で1,486,177百万円から1,581,775百万円へと6.4%増加しました。特に注目すべきは、2023年が前年比3.4%増だったのに対し、2024年は6.4%増と成長率が約2倍に加速したことです。これは市場の回復基調が強まっていることを示しています。
また、月別の動向を見ると、2023年は比較的安定した成長率だったのに対し、2024年は月ごとの変動が大きく、特に3月(12.9%増)と7月(14.2%増)に高い成長率を記録しました。これは季節要因や特定のキャンペーン時期の影響が強まっていることを示唆しています。
ただし、デジタル広告業界では、広告主のインハウス化の動きがさらに加速し、広告代理店への手数料減額要請も強まっています。これにより、デジタル広告代理店の利益率維持が一層困難になりつつあり、フリーランス人材の需要が継続的に高まっています。この傾向は、デジタル広告市場の構造的な変化を一層鮮明にしており、業界全体での新たなビジネスモデルの構築が求められています。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しています。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。皆様に直接お会いし、お話しできる機会がありましたら、SEMの運用コンサルから無料相談まで、ぜひお気軽にお声がけください。