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記事サマリー
この記事を読んでわかること
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- 2025年に向けたGoogle広告の変化と広告代理店の役割
こんな方へオススメの記事
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- Google広告の運用に携わる実務担当者や今後の業界動向を知りたいマーケター
この記事を実践するための準備
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- 広告運用の基本スキルに加え、戦略的な提案ができるビジネス知識の習得
目次
2024 年の Google 広告を振り返る
2024年、Google広告は人工知能(AI)を活用した新機能を多数リリースし、広告主のマーケティング活動を支援してきました。
特筆すべき更新として、AI搭載の「Google広告データマネージャー」の導入により、ファーストパーティデータの管理が容易になりました。また、検索広告ではAIによる概要表示機能が米国でスタートし、ユーザーの検索意図により適した広告配信が可能になりました。
動画広告では、YouTubeショート向けの専用キャンペーン設定が可能になったほか、クリエイターとのコラボレーションを促進する新たなツールも追加されました。
小売分野では、Merchant Center Nextで自動割引機能が導入され、AIが最適な価格設定を支援。また、Product Studioでは商品画像から動画を自動生成できる機能も追加されました。
生成AI技術の活用も進み、広告クリエイティブの自動生成や画像編集が6言語に対応。P-MAX、デマンドジェネレーション、ディスプレイ、アプリなど、さまざまなキャンペーンタイプで利用可能になりました。
これらの機能強化により、広告主は効率的なキャンペーン運用とパフォーマンス向上を実現できるようになっています。
筆者(石黒堂)からの2025年のデジタル広告の見解
2024年のGoogle広告の進化を振り返ると、大きな変革というよりは既存機能の改善が中心でした。特にP-MAXと検索広告における検索クエリ重視の方針は2025年も継続されると、Google社からもMAXMAGICを推奨されています。
AIを活用したパフォーマンス改善は2つの側面で評価できます。一つは入稿作業の効率化、もう一つは自動入札やコンバージョン計測の精度向上です。しかし、この進化は新たな課題も生んでいます。
特筆すべき変化として、運用の自動化によるインハウス化の加速が挙げられます。P-MAXの基本設定だけで一定水準の運用が可能になり、広告代理店への依存度が低下している傾向が見られます。現に業界の売上は伸びているのに代理店自体は下方修正している会社が多いです。
一方で、自動入札の精度向上は、コンバージョンデータに基づく最適化により、クリック単価の上昇を招いています。競合状況に大きな変化がないにもかかわらず、ブランドワードを含む全般的なCPCが上昇する現象が観察されています。
2025年は、さらなるAIの進化に加え、クッキーレス時代への移行やGoogleの検索結果表示の変更など、外部要因による影響が予想されます。特に、AIオーバービュー(AIO)の台頭により、広告枠の境界が曖昧になっていく可能性があります。
このような環境下で広告代理店が生き残るためには、単なる運用管理を超えた付加価値の提供が不可欠です。設定作業だけでなく、戦略的なコンサルティングや包括的なマーケティング支援など、より高度なサービスの提供が求められるでしょう。
Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しています。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。皆様に直接お会いし、お話しできる機会がありましたら、SEMの運用コンサルから無料相談まで、ぜひお気軽にお声がけください。