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記事サマリー
この記事を読んでわかること
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- レスポンシブ検索広告の仕組みと課題点
- アセット毎のクリック以降の実績を可視化する方法
こんな方へオススメの記事
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- レスポンシブ検索広告の運用に課題を感じている方
- アセットのパフォーマンスを定量的に評価したい方
この記事を実践するための準備
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- レスポンシブ検索広告を運用中または運用予定であること
- Google広告の管理画面にアクセスできること
目次
レスポンシブ検索広告とは!?
Google広告の検索広告のデフォルトの広告フォーマットで、AIの力を活用してユーザーに広告の組み合わせを最適化する機能を持っています。従来の検索広告では、広告主が作成した広告文がそのまま表示されていましたが、レスポンシブ検索広告では、広告主が用意した複数の広告見出しと説明文(アセット)の中から、AIが検索クエリに最も適した組み合わせを選択して表示します。
この仕組みにより、ユーザーの検索意図により合致した広告を配信することが可能になり、広告のパフォーマンス向上が期待できます。また、広告主側も、様々な組み合わせのメッセージを用意することで、幅広いユーザーにリーチできるようになります。
レスポンシブ検索広告の主な特徴は以下の通りです。
- 最大15個の広告見出しと4つの説明文を設定可能
- AIが検索クエリに合わせて最適な組み合わせを選択
- 広告文の順番や表示内容が自動的に最適化される
- ユーザーの検索意図により合致した広告配信が可能
- 広告主は多様なメッセージを用意でき、リーチが拡大
レスポンシブ検索広告の2つの課題点
一つ目の課題は、クリック以降の指標が見えないことです。レスポンシブ検索広告では、各アセットのインプレッションの指標しか確認ができません。コンバージョンや費用対効果など、クリック後のユーザー行動に関する詳細な指標を把握することが困難です。この情報の欠如により、広告の最適化や予算配分の意思決定が難しくなる可能性があります。この問題により、効果的なアセットの識別や改善が困難になり、広告の最適化が妨げられる可能性があります。
二つ目の課題は、パフォーマンス評価が定性的になりがちな点です。レスポンシブ検索広告では、各アセットの組み合わせが自動的に最適化されるため、個々のアセットのパフォーマンスを定量的に評価することが困難です。広告主は、各アセットが「最良」、「良好」「低」「学習中」「保留」「未評価」といった定性的な評価に頼らざるを得ず、データに基づいた意思決定が難しくなります。
これらの課題により、限られた情報の中で、アセットのパフォーマンスを可能な限り把握し、仮説に基づいた改善を続けていく必要があります。また、レスポンシブ検索広告に適した新しい評価指標や最適化手法の開発も求められるでしょう。
参照:レスポンシブ検索広告の広告単位のアセット レポートについて
アセット毎のクリック以降の実績を見る方法
アセットのクリック以降の実績を参考にした方が、クリック率やコンバージョン率の高いアセットの作成方法の参考になります。
アセットの実績の可視化①:デマンドジェネレーションキャンペーンへ入稿する方法
デマンドジェネレーションキャンペーンは、主に潜在顧客の獲得や見込み客の育成を目的としています。RSA同様に、広告主が用意した複数のアセットを組み合わせて、ユーザーに最適な広告が表示されます。
デマンドジェネレーションキャンペーンでは、クリック以降のアセット毎の実績を詳細に確認することができます。具体的には、各アセットのクリック数、クリック率、クリック単価、費用、コンバージョン数、コンバージョン率、コンバージョン単価、コンバージョンの値、ROASなどのデータが把握できます。この情報を活用することで、どのアセットが広告パフォーマンスに貢献しているのかを特定し、効果的なアセットを識別することが可能になります。
ただし、デマンドジェネレーションキャンペーンとレスポンシブ検索広告では、広告の目的や配信方法が異なるため、アセットのパフォーマンスが必ずしも一致するとは限りません。そのため、デマンドジェネレーションキャンペーンの結果を参考にしつつも、レスポンシブ検索広告での実績を継続的にモニタリングしていく必要があります。
参照:デマンド ジェネレーション キャンペーンのアセット レポートについて
アセットの実績の可視化②:アセットタブから見出しと説明文を入稿する方法
レスポンシブ検索広告のアセット実績を可視化するもう一つの方法は、アセットタブから見出しと説明文を直接入稿することです。この方法は、通常のレスポンシブ検索広告の設定とは異なるアプローチですが、クリック以降のアセットの実績を把握できるというメリットがあります。
通常、レスポンシブ検索広告の見出しと説明文は、広告作成時に入力します。しかし、この方法では、各アセットのインプレッションしか確認ができません。一方、アセットタブから見出しと説明文を直接入稿することで、各アセットのクリック数、クリック率、クリック単価、費用、コンバージョン数、コンバージョン率、コンバージョン単価、コンバージョンの値、ROASなどの詳細なパフォーマンスデータを取得することができます。
アセットタブから見出しと説明文を入稿する具体的な手順は以下の通りです。
参照:アセットについて
- Google広告の管理画面で、「アセット」タブを選択します。
- 「アセットを作成」ボタンをクリックし、「テキスト」を選択します。
- 見出しまたは説明文を入力し、保存します。
- 作成したアセットを、レスポンシブ検索広告に関連付けます。
この方法で作成した見出しと説明文は、通常のレスポンシブ検索広告と同様に、AIが最適な組み合わせを選択して表示します。そして、アセットタブから入稿することで、各アセットのクリック以降の実績を詳細に確認できるようになります。
現在のβ版ではアクティブなアセットを見出しは3つまで、説明文は2つまでしか入稿が出来ません、しかし一時停止の状態であれば見出しが15本、説明文が4本入稿出来ることを確認出来ています。RSAのアセットをそのままアセットタブの見出しと説明文に一時停止で追加すると、過去に遡りクリック以降のデータを見ることが出来るようになっています。今だけかもしれませんが、簡単な方法ですので是非試してみてください。今の仕様だとキャンペーン単位の可視化のみ、広告カスタマイザーやインサーションは入稿出来ません。
実際にデータを見ると、「アセットパフォーマンスの評価」はインプレッションに紐づいているように感じています。つまりクリック率やコンバージョン率は加味はされてないかもしれません。フェーズによって使い分けるようにしています。インプレッションを出してオークション参加を増やし自動入札の精度を上げるフェーズか、クリック率を重視したアセットを作りたいフェーズ、コンバージョン率を重視したアセットを作りたいフェーズ、なのかで見るべき指標は変わってきます。
何が正解などはないので、一度自分の案件でデータを見てお客さんとディスカッションしてみてください。
レスポンシブ検索広告(RSA)アセットを、そのままアセットタブの広告見出しと説明文にオフライン(一時停止)で入稿をすると、RSAアセットのクリック以降の指標を可視化することが出来ました☺… pic.twitter.com/FvDkcU3984
— 石黒堂@デジタルマーケティングAI見守り師 (@ishigurodo) May 9, 2024
アセットの実績の可視化③:Google 広告スクリプト×Looker Studioで自動で効果検証
こちらの記事に、Google 広告スクリプト×Looker Studioでの可視化方法も丁寧に書かれています。こちらも参照してみてください。
参照:レスポンシブ検索広告、どれが効果的? Google 広告スクリプト×Looker Studioで自動で効果検証
効果的なアセット訴求軸の作成方法
レスポンシブ検索広告のパフォーマンスを最大化するには、効果的なアセットの訴求軸を作成することが不可欠です。以下は、訴求軸を作成する際に考慮すべきポイントです。
訴求作成方法①:商品やサービスの特徴や強みを明確に伝える
- 提供する商品やサービスの独自性や利点を強調します。
- 価格、品質、利便性など、ユーザーが重視する要素を訴求します。
訴求作成方法②:オンラインの在庫状況を明示する
- 商品やサービスがオンラインで購入可能であることを明示します。
- 在庫の有無や即日発送などの情報を盛り込むことで、ユーザーの行動を促進します。
訴求作成方法③:送料・返品ポリシーを明確にする
- 送料無料や返品可能などの情報を明示することで、ユーザーの不安を解消します。
- 配送オプションや返品期限など、具体的な情報を提供します。
訴求作成方法④:ブランド名を積極的に活用する
- ブランド名を見出しや説明文に盛り込むことで、ブランド認知度を高めます。
- ブランドの信頼性や専門性を訴求することで、ユーザーの信頼を獲得します。
訴求作成方法⑤:行動を促すフレーズを使用する
- 「今すぐ予約」「無料お試し」など、ユーザーの行動を促すフレーズを盛り込みます。
- 具体的な行動指示を与えることで、ユーザーのコンバージョンを促進します。
訴求作成方法⑥:在庫と品揃えを強調する
- 豊富な在庫や幅広い品揃えを訴求することで、ユーザーの選択肢を広げます。
- 具体的な数値(商品数、カラーバリエーションなど)を盛り込むことで、説得力を高めます。
訴求作成方法⑦:価格や手数料の優位性をアピールする
- 競合他社と比較して有利な価格設定や手数料体系をアピールします。
- 割引率や金額などの具体的な数値を盛り込むことで、ユーザーの関心を引きます。
訴求作成方法⑧:プロモーションや割引情報を盛り込む
- セールやキャンペーンなどのプロモーション情報を盛り込みます。
- 期間限定の割引やプレゼントなど、ユーザーにお得感を訴求します。
アセットの最適化のポイント
レスポンシブ検索広告のパフォーマンスを継続的に改善するには、アセットの最適化が欠かせません。アセットを最適化する際の主要なポイントです。
最適化①:定期的なアセットのレビューと入れ替え
- 定期的にアセットのパフォーマンスを確認し、効果の低いアセットを特定します。
- 新しいアセットを作成し、効果の低いアセットと入れ替えることで、パフォーマンスの改善を図ります。
- アセットの入れ替えは、定期的に行うことが重要です。
最適化②:パフォーマンスデータを活用した改善
- クリック率、コンバージョン率、費用対効果などのデータを分析し、効果的なアセットの特徴を特定します。
- データから得られた知見を元に、新しいアセットの作成や既存アセットの改善を行います。
- パフォーマンスデータは、アセットの最適化における重要な指針となります。
最適化③:ユーザーの検索意図の理解
- ユーザーの検索クエリを分析し、その背後にある検索意図を理解します。
- 検索意図に合致したアセットを作成することで、ユーザーのニーズに応える広告を配信できます。
- ユーザーの検索意図の理解は、アセットの最適化における重要な要素です。
最適化④:季節や時期に合わせたアセットの更新
- 季節や時期に応じて、アセットの内容を更新することで、ユーザーの関心を引きつけます。
- セールやキャンペーンなど、タイムリーな情報を盛り込むことで、広告の訴求力を高めます。
- 定期的なアセットの更新は、広告の鮮度を維持するために重要です。
最適化⑤:競合他社の広告の分析
- 競合他社の広告を分析し、効果的なアセットの要素を特定します。
- 競合他社の広告から得られた知見を元に、自社の広告アセットを改善します。
- 競合分析は、業界標準やベストプラクティスを理解するために有効です。
Google広告の競合の広告を見る場合はこちらを参照してください。
参照:透明性と広告の開示
最後に
レスポンシブ検索広告は、AIを活用した自動最適化により広告パフォーマンスの向上が期待できる一方で、アセットごとの実績把握や定量的な評価が困難という課題があります。これらの課題に対処するために、デマンドジェネレーションキャンペーンやアセットタブからの直接入稿という代替手法を活用することで、アセットごとのクリック以降の実績を可視化し、データに基づいた最適化を行うことができます。より効果的な広告運用が可能になるように、実施してみてください。
Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しています。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。皆様に直接お会いし、お話しできる機会がありましたら、SEMの運用コンサルから無料相談まで、ぜひお気軽にお声がけください。