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記事サマリー
この記事を読んでわかること
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- 検索広告の品質スコアの概要と重要性
- 推定クリック率、広告の関連性、LPの利便性の分析方法とアカウントマップの活用方法
こんな方へオススメの記事
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- 検索広告の運用効率を上げたい方
- 品質スコアの改善点を見つけ、広告のパフォーマンスを向上させたい方
この記事を実践するための準備
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- Google広告のキーワードレポートのダウンロード権限
目次
検索広告の品質スコアとは!?
検索広告の品質スコアは、広告の品質を示す1〜10の数値で、キーワード単位で評価されます。ただし、品質スコアと広告の品質(オークション時の品質)は別物であり、品質スコアはあくまでも結果論での品質を推定した目安に過ぎません。そのため、品質スコアをKPI(重要業績評価指標)にしてはいけません。
品質スコアを上げることで、以下のようなメリットが期待できます。
- 広告の掲載順位が上がる
- クリック単価(CPC)が下がる
つまり、品質スコアが高いほど、より上位に広告が表示され、コストを抑えながら広告を運用できる可能性が高くなります。
品質スコアは以下の3つの要素から算出されます。
- 推定クリック率(CTR)
- 広告の関連性
- ランディングページ(LP)の利便性
推定クリック率(predict CTR)の分析
推定クリック率は、広告がどの程度クリックされる可能性があるかを示しています。以下の方法で分析・改善できます。
- 広告文の魅力を高める(ユーザーのニーズに合わせる、強みをアピールするなど)
- キーワードと広告文の関連性を高める
- 広告文のバリエーションを増やしてA/Bテストを行う
具体的には、広告文に行動喚起の言葉(「今すぐ申し込む」「限定割引」など)を盛り込んだり、ユーザーの悩みを解決する提案をしたりすることで、クリック率の向上が期待できます。
広告の関連性の分析
広告の関連性は、キーワードと広告文の一致度合いを示しています。以下の方法で分析・改善できます。
- キーワードをテーマ別に細かく分類し、広告グループを最適化する
- 広告文にキーワードを自然に盛り込む
- ユーザーの検索意図を理解し、広告文に反映させる
具体的には、広告グループを細分化し、各グループのキーワードに合わせた広告文を作成することが効果的です。また、ユーザーの検索意図(商品の特徴、メリット、価格帯など)を考慮し、広告文に盛り込むことも重要です。
ランディングページ(LP)の利便性の分析
LPの利便性は、広告をクリックした後のユーザー体験の良し悪しを示しています。以下の方法で分析・改善できます。
- LPの内容を広告文と連動させる
- ユーザーが求める情報をわかりやすく提供する
- ページの読み込み速度を高める
- モバイルフレンドリーなデザインにする
具体的には、LPの見出しや本文中に広告文と同じキーワードを盛り込んだり、ユーザーの目的達成を助ける情報(商品の詳細、申込方法、FAQ等)を提供したりすることが有効です。また、ページ速度の改善やモバイル最適化も、ユーザー体験の向上につながります。
品質スコアを分解して分析をするアカウントマップ
アカウントマップは、広告運用の効果を可視化し、改善点を明確にするための強力な分析手法であり、代理店の中にはコンペティションや年間提案にこの手法を活用しているところもあります。
作成方法は、まずキーワードレポートから品質スコア、推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性の各指標をダウンロードします。次に、ダウンロードしたデータを集計し、品質スコアと他の指標の関係性を可視化します。
具体的には、品質スコアと推定クリック率、品質スコアと広告の関連性、品質スコアとランディングページの利便性の関係性を見ていきます。そして、品質スコアを1~10の段階に分け、各指標を「平均より上」「平均」「平均より下」「-」の4つのカテゴリーに分類し、各カテゴリーに属するキーワード数を集計してマップ上に可視化します。
この分析方法は、指名キャンペーンや一般キャンペーンなど、異なるキャンペーン間での比較にも効果的で、キャンペーンごとに分析を行うことで、より詳細な傾向や課題が明らかになります。アカウントマップを活用することで、広告運用の全体像を把握し、品質スコアと他の指標の関係性を理解できるため、改善すべき点が明確になり、運用効率の向上につながります。また、視覚的にわかりやすい資料として、クライアントへの提案や報告にも役立ちます。
アカウントマップ:推定クリック率
まず、左上が一番良い数値となりますが存在していません。指名キーワードは一番左上に来ることが多いのですが何かしらの理由で品質スコアが10に達していません。推定クリック率自体は「平均より上」が多く推定クリック率が要因の可能性は低いでしょう。ただし、右下の品質スコアにも反映されていないキーワードもありますので、オークションに入れてインプレッションを出す動きも大切です。
アカウントマップ:広告の関連性
一目瞭然で「平均より下」が多いです。つまり広告文のRSAアセットに問題があるということです。RSAアセットの改善についてはこちらを参照してください。
アカウントマップ:LPの利便性
LPの利便性も同じく「平均より下」が多いです。LP改善も必要な手段となりますので、アカウントで何が問題とされているのか一目瞭然となります。
最後に
品質スコアは、広告の品質を示す重要な指標ですが、あくまでも目安であり、KPIにはしてはいけません。品質スコアを上げることでクリック単価が下がるなどのメリットが期待できます。
品質スコアは、推定クリック率、広告の関連性、LPの利便性の3つの要素から成り立っており、それぞれを具体的に分析・改善することが重要です。
Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しています。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。皆様に直接お会いし、お話しできる機会がありましたら、SEMの運用コンサルから無料相談まで、ぜひお気軽にお声がけください。