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カスタマーマッチでディスプレイ広告の提案が変化する!?

カスタマーマッチがリリースされました!

GoogleAdwordsで、カスタマーマッチというメニューがリリースされました。端的にいうと、クライアント側で保有している顧客のメールアドレスをベースに、Google検索結果、Gmail、Youtubeの配信面へ広告を掲載出来るメニューになります。

 

カスタマーマッチの概要

カスタマーマッチは、ハッシュ化(※1)した顧客のメールアドレスを AdWords にアップロードすることで、メールアドレスとマッチングしたユーザーがログインした状態でGoogleに検索した時に掲載される広告です。広告の掲載面としては、Google の検索結果、YouTube 、Gmail が対象で、リストの保有期間はRLSA同様に180日となっております。残念ながら、GDNでは対応しておりません。通常のリターゲティングングを利用してください。

※1)ハッシュ化とは!?
ハッシュ化とは、ハッシュ関数という特殊な計算手順を利用し、メールアドレスを特殊な数値に変換出来することです。ですが、特殊な数値から元のメールアドレスに戻すのが非常に難しく、ハッシュ化された値がわかっても個人情報としてメールアドレスを紐づけるのが困難なため、ハッシュ化が必須となっています。ハッシュ化する方法ですが、便利なマクロが”SEM Insight”様にあるので、こちらからマクロを取得してみてください。カスタマーマッチの設定方法については、Adwordsヘルプを参照してください。

“SEM Insight”様にあるマクロですが、MAXが5,000レコードとなっているため、どうしても足りないという方は、y.ishiguro@ishigurodo.com までご連絡を頂ければ、レコード制限無しのマクロを無料でプレゼント致します。

 

カスタマーマッチによって、何が変わるの!?

カスタマーマッチを利用することにより、次の3つが出来るようになりました。

1.Google検索で、新規ユーザーだけをターゲットに集客

2.メルマガ以外の、引き上げ率向上チャネルとして活用

3.RLSAのコンバージョンリストの拡張として有効

1.Google検索で、新規ユーザーだけをターゲットに集客

カスタマーマッチで作成したリストと、通常のタグベースで作成したリストと掛け合わせが出来るのか、Googleへ確認してみました。

    残念と思っていたのですが、、、「カスタマーマッチのリストを除外いただくことは可能です。」とあります。つまり会員登録など、何かしらメールアドレスを登録したことがあるユーザーを一括除外することが可能になりました。ダイレクト系のお客様で、RLSAで既存ユーザーの除外することが有ると思います。ですが、RLSAのリストが貯まるには条件があります。 「RLSAのリストは、180日しか保有出来ないので、それ以前にコンバージョンしたユーザーには広告が掲載されてしまう」。 「RLSAのリストは、Google経由で来たユーザーしかリストとして保有してくれないので、Yahoo!経由で来たユーザーは取りこぼしてしまう」。 意外にGoogle経由で来たユーザーのリストしか保有されないことは、知らない方が多いのではないでしょうか!?

ということです。また、RLSAに関する豆知識ですが、リスト除外するためには、1,000ユニークユーザー以上のリストが無ければ、そもそも除外として機能しません。こちらも石黒堂のTwitterでGoogleに聞いているので、良かったらフォローしてくださいませ。

話が脱線しましたが、カスタマーマッチで作成したリストを使えば、完全に新規でコンバージョンしていないユーザーへの配信が可能となります。新規コンバージョンユーザー狙いのプロモーションに活用してください。

 

2.メルマガ以外の、引き上げ率向上チャネルとして活用

昨今メルマガの開封率が下がって来ています。特に低年齢層は、メールよりもSNSのコミュニケーション手段が増えており、メルマガ以外にリーチ出来る手法が待ち望まれていました。カスタマーマッチを使えば、見込み顧客に「Google検索」「Gmail」「Youtube」の配信面からもリーチすることが可能です。メルマガ配信のリンク先にパラメータを振っておき、パラメータベースでリストを作成すれば、メルマガ経由のユーザーリストとして保有も可能です。メルマガ経由ユーザーを除外すれば、メルマガをクリックしていないユーザーのみにリーチすることも可能になります。やり方次第でメルマガとのカニバリは無くなります。

 

3.RLSAのコンバージョンリストの拡張として有効

前述で書いた通り、RLSAのリストには制限があります。カスタマーマッチのリストを使うことによって、過去にアクションをしたユーザーに、広告でリーチすることが可能になります。その場合必ずどのユーザーに何を当てるのか、仮説を立ててプランニングすることをお勧め致します。

ユーザーセグメント

コンバージョン率の高いユーザーリストと広告訴求が出来たら、次はTwitterのカスタムオーディエンスなど利用し、配信面をどんどん拡げてください。特に若年層を狙う場合は、SNSは有効になります。同様のメニューがSNSはありますので活用してください。

 

リマーケティング以外のリーチ型メニューのKPI設計が変わる

現在も、リターゲティングと検索連動型広告しか掲載していない広告主も多いと思います。新規獲得を狙ってリーチ型の広告を掲載してもCPAが見合わない、というケースも少なからずあったと思います。メルマガの引き上げ率の提案をしても、リスティング広告を管理している部署とは別なので、提案もままならないことも多々あります。ですが、カスタマーマッチの出現により、引き上げ率向上施策も広告で提案出来るようになりました。

リーチ型のディスプレイ型広告は、購買をKPIに持ってきてしまうと、流入口を縮めてCPAを見合わせることになるので、そもそもクリック数が減少してしまいます。リーチ型のディスプレイ型広告は、マイクロコンバージョン(一個手前のコンバージョン)を低単価でリスト獲得し、リスト獲得したユーザーをどのようなクリエイティブでアップセルしてもらうのか、ユーザーの購買導線設計するこ必要があります。

ディスプレイ広告のKPI2

西日本のダイレクトマーケティングでは普通のことなのですが、なかなか関東圏では組織の壁に阻まれることがあります。カスタマーマッチを機にディスプレイ型広告の利用方法が変わることを願っております。検索連動型広告とリマーケティングのみでは、効率良くCPAを合わせられても売上を飛躍的に上げるのは非常に難しいです。この機会に、是非カスタマーマッチにチャレンジしてください。

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