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【2026年度版】デマンドジェネレーションキャンペーン攻略|運用方法から失敗回避まで徹底解説

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注目のポイント

Google広告のデマンドジェネレーションキャンペーンは、YouTube・Discover・Gmail・GDNでミッドファネル層にアプローチする潜在層特化型の広告メニューです。P-MAXが顕在層のCV最大化を狙うのに対し、デマンドジェンは「まだニーズが明確でない層」との接点を創出します。成功の鍵は①Target CPCでスタートしてCPCを安定化②動画と画像の併用で平均20%のCV増加③最適化ターゲティングONで自動拡張④全チャネル開放→効果測定→段階的除外の4点です。検索広告・P-MAX・デマンドジェンを組み合わせた「Power Pack」戦略で、ROI維持しながら平均18%のCV数増加を実現できます。

目次

デマンドジェネレーションキャンペーン(Demand Gen campaigns)とは!?

Google広告のデマンドジェネレーションキャンペーン(以下、デマンドジェン)は、YouTube、Discover、GmailといったGoogle自社の主要プラットフォームを活用し、潜在顧客の関心を喚起してコンバージョンに導くキャンペーンタイプです。呼び方は代理店や広告主によって違いますが、「デマンド」「デマジェン」「デマンジェン」「DGC」など多岐に渡ります。

参照:デマンド ジェネレーション キャンペーンについて

キャンペーン目的

デマンドジェンは、マーケティングファネルの認知から検討段階に位置するキャンペーンです。まだ明確な購買意欲を持っていないユーザーに対して、魅力的なビジュアルコンテンツで興味を引き、商品やサービスへの関心を高めることを目的としています。

検索広告のように「今すぐ買いたい」ユーザーを刈り取るのではなく、「これから興味を持つかもしれない」ユーザーとの接点を作り、購買検討を促進する役割を担います。つまり先々の売上を促進する「需要」の拡大のためのキャンペーンです。

 

動画アクションキャンペーン(VAC)からの統合

デマンドジェンは、2023年に動画アクションキャンペーン(VAC)の後継として登場しました。VACは動画フォーマットに特化していましたが、デマンドジェンでは動画に加えて画像やカルーセル広告も利用可能になり、より多様なクリエイティブ表現ができるようになりました。

Googleは2025年第2四半期にVACを完全にデマンドジェンに統合することを発表し、現在ではデマンドジェンがYouTube広告の主要なコンバージョン獲得キャンペーンとして位置づけられています。

動画と画像の両方を活用した広告主は、動画のみの場合と比較して同じコスト(CPA)で平均20%多くのコンバージョンを獲得しているというデータも公表されており、マルチフォーマットの活用が成功の鍵となっています。

参照:動画アクションキャンペーンをデマンドジェネレーションにアップグレードしてパフォーマンスを向上

デマンドジェンの配信チャネル

デマンドジェネレーションキャンペーンは、YouTube、Discover、Gmail、Googleディスプレイネットワークという4つの主要な配信面を活用します。これらはすべてGoogle自社が管理するプラットフォームであり、豊富なファーストパーティデータを活用した精度の高いターゲティングが可能です。デマンドジェンでは、広告グループレベルで配信チャネルを選択できます。「すべてのGoogleチャネル」を選択するか、「自分で選択」で個別にチャネルを指定することが可能です。これは運用上とても大きな意味合いを持ちますので、後ほどお話を致します。

YouTube(3つの配信形式)

  • YouTube インストリーム:YouTube動画の前、途中、または後に表示される広告です。スキップ可能な形式で、ユーザーが能動的に視聴する環境で配信されます。
  • YouTube インフィード :YouTubeの「次のおすすめ」、ホームフィード、検索フィードに表示される広告です。ユーザーが興味を持ったコンテンツを探している状況で自然に表示されます。
  • YouTube ショート:YouTubeのショート動画プラットフォームに表示される広告です。グローバルで1日500億回以上の視聴数を記録しており、2022年と比較して1.6倍に成長しています。

Discover

Googleのモバイル エクスペリエンスで、パーソナライズされたコンテンツフィードに表示される広告です。ユーザーの興味関心に基づいて配信され、消費者の63%が新製品やブランドを発見する場となっています。

Gmail

ユーザーのGmailの受信トレイに表示される広告です。ビジネスメールを頻繁にチェックするユーザーにリーチでき、91%のユーザーが広告発見後に即座にアクションを取るという高いエンゲージメント率を誇ります。

Google ディスプレイ ネットワーク

サードパーティのウェブサイトやアプリ(例:ニュースサイト、ブログ、レシピサイト、モバイルアプリ等)に広告が配信されます。ディスプレイネットワークでは、パブリッシャーが提供するコンテンツの文脈や形式に合わせて広告が表示されるため、ユーザー体験を損なわずに自然な形でリーチすることができます。一部の広告は、掲載先のフォーマットに合わせて自動的に調整される場合があります。

デマンドジェンと他メニューとの違い

デマンドジェンは、P-MAXとGDAの中間に位置する独自の役割を持つキャンペーンタイプです。P-MAXが顕在層のCV最大化を目指すボトムファネル施策であるのに対し、デマンドジェンはミッドファネル(認知→検討段階)で潜在層にビジュアルコンテンツを届けます。GDAと比較すると、配信面はGoogle自社面(YouTube・Discover・Gmail・ディスプレイ)に限定されますが、その分Googleのファーストパーティデータ(検索履歴・視聴履歴・行動データ)をフル活用できるため、外部サイトへの配信が中心のGDAよりも精度の高いターゲティングとコンバージョン率を実現します。つまり、デマンドジェンは「GDAの配信面の質」と「P-MAXのAI最適化」を兼ね備えた、潜在層獲得に特化したキャンペーンと言えます。

デマンドジェンとP-MAXのターゲット層の違い

  • デマンドジェン:ミッドファネル(認知→検討段階)
  • P-MAX:ボトムファネル(検討→購入段階)

デマンドジェンは、まだ購買意欲が顕在化していないユーザーに対して、魅力的なビジュアルコンテンツで興味を喚起し、商品やサービスへの関心を高めることを目的としています。一方、P-MAXは購買意欲が高いユーザーに対して、あらゆる配信面を活用してコンバージョンを最大化することに特化しています。

デマンドジェンとP-MAXの配信面の違い

両者は一部配信面が重複しますが、P-MAXはGoogleの全配信面(検索、ディスプレイ、YouTube、Discover、Gmail、Google Maps等)に配信されるのに対し、デマンドジェンはYouTube、Discover、Gmail、ディスプレイの4つに限定されます。

デマンドジェンとGDAのターゲット層(シグナル)の違い

デマンドジェンはGoogle自社データを活用して配信されるため、ユーザーの検索履歴、YouTube視聴履歴、Gmail内の行動など、Googleが保有する豊富なファーストパーティデータをフル活用できます。

一方、GDAは外部サイト(例:クックパッド、ニュースサイト等)にも配信されるため、プライバシー保護の観点から、外部サイトでのターゲティングにはGoogleシグナルの使用が制限されます。
よって、デマンドジェンからディスプレイを配信した方がコンバージョン率が高い傾向があります。

デマンドジェンとGDA(Googleディスプレイ広告)と配信面の違い

  • デマンドジェン:Google自社面のみ(YouTube、Discover、Gmail、ディスプレイ)
  • GDA:外部サイト含む200万以上のウェブサイト・アプリ

この違いは、単なる配信範囲の差ではありません。利用できるGoogleシグナルの質と量に大きな影響を与えます。

最適な活用方法のPower Packとは!?

デマンドジェンとP-MAXは競合関係ではなく、補完関係にあります。Googleが推奨する「Power Pack」では、検索広告・P-MAX・デマンドジェンの3つを組み合わせることで、認知から購入までのカスタマージャーニー全体をカバーし、ROIを維持しながら平均18%のコンバージョン数増加を実現しています。

キャンペーン 役割
検索広告 スマート自動入札×インテントマッチで関連クエリのコンバージョンを最大化
P-MAX 最新AIで検索を補完し、Google全配信面でコンバージョンを最大化
Demand Gen 没入感の高いビジュアルクリエイティブで消費者をコンバージョンに導く

Googleが公表しているPower Packの効果

  • Power Pack全体ROIを維持しながら平均+18%のCV数増加
  • 検索広告の最適化(AI最大化設定×スマート自動入札×インテントマッチ):ROIを維持しながら+20%のCV数増加、+19%のCV値増加
  • 検索またはP-MAXにDemand Genを追加平均+14%のCV数増加

キャンペーン ミックス テストで効果検証が可能

Power Packの効果を科学的に検証するには、Google広告の「キャンペーン ミックス テスト(Campaign Mix Experiments)」が活用できます。この機能を使えば、複数のキャンペーンタイプを組み合わせた施策の増分効果を正確に測定できます。

テスト実施時は、全キャンペーンで入札目標(tCPA、tROASなど)を統一してください。入札目標がバラバラだと、AIの最適化が偏り、正確な効果測定ができません。詳しい設計方法は、oogle広告「キャンペーン ミックス テスト」でPower Packを検証!正しい設計方法を解説で解説しています。

デマンドジェンの課金形態の理解

Google広告のデマンドジェネレーションキャンペーンでは、広告が表示されるプラットフォームやフォーマットによって課金の仕組みが異なります。この課金形態の違いを正しく理解することが、適切なKPI設定と予算管理の鍵となります。

デマンドジェンのチャネル別課金形態(2026年度1月現在)

広告プラットフォーム・フォーマット 課金形態 備考
YouTube 動画広告 インプレッション単価(CPM) 表示されるたびに課金
YouTube イメージ広告 インプレッション単価(CPM) 2024年11月末までに全広告主に適用
Discover フィード イメージ広告 クリック単価(CPC) クリックごとに課金
Discover 動画広告(クリック数の最大化) インプレッション単価(CPM) 表示されるたびに課金
Discover 動画広告(その他の戦略) クリック単価(CPC)またはエンゲージビュー 最初のクリックか、10秒以上視聴後の操作で課金
Gmail ティーザークリック 広告を開く最初のクリックのみ課金、サイト遷移の2回目クリックは非課金

課金形態が混在する場合、それぞれに適したKPIで評価するため、キャンペーンを分割することを推奨します。例えば、YouTube動画でブランド認知を狙うCPM課金の施策と、Discoverでクリック獲得を狙うCPC課金の施策では、最適化の方向性が異なります。「動画視聴によるエンゲージメント重視」なのか「クリックによるサイト誘導重視」なのか、目的を明確にしてキャンペーンを分割することで、入札戦略も予算配分も最適化しやすくなります。

ただし、全ての広告が目標を達成し費用対効果に満足できている場合は、分割せずに運用を継続しても問題ありません。重要なのは、管理画面のネットワーク別レポートで各配信面のパフォーマンスを正確に把握し、目的ごとに適切な予算配分を行うことです。キャンペーンを分割すれば、動画エンゲージメント用に予算を厚く配分する、クリック獲得面に集中投資するといった戦略的なコントロールが可能になります。

参考:デマンド ジェネレーションの課金型は何ですか?

デマンドジェンの運用方法

ここでは、実際の運用で成果を出すための具体的な設定方法と運用ノウハウを解説します。

入札戦略の選び方

入札戦略 推奨ケース 特徴
コンバージョン数の最大化 リード獲得、購入促進 目標CPA設定可能
コンバージョン値の最大化 EC、ROAS重視 目標ROAS設定可能(過去35日間で50件以上のコンバージョン必要)
クリック数の最大化 トラフィック、エンゲージメント重視 上限CPC設定不可(システムが自動設定)
目標クリック単価
(tCPC)
トラフィック獲得、費用コントロール重視 キャンペーンまたは広告グループレベルで設定可能
YouTubeのエンゲージメント チャンネル登録、動画視聴 YouTube専用

ターゲットCPC(tCPC)から始めるべき理由

デマンドジェン運用では、まずターゲット CPC(目標クリック単価)から始めることを強く推奨します

クリック数の最大化を使うと、CPCが1円から100円まで大きく変動し、質の低い安価なクリックばかり獲得してしまう可能性があります。一方、ターゲットCPCで目標を100円に設定すれば、実際のCPCは90円、110円、120円など100円前後に収束し、CPC単価が安定することで質の高いクリックを継続的に獲得できます。

デマンドジェンはミッドファネル施策のため、いきなりコンバージョン獲得を狙うと配信が厳しくなります。まずはターゲットCPCでCPCを安定させてサイト流入を増やし、十分なデータが蓄積された後に目標CPA(tCPA)や目標ROAS(tROAS)へ移行する流れが成功の鍵です。この段階的アプローチにより、潜在層へのリーチとコンバージョン獲得の両立が可能になります。

参考:Demand GenのターゲットCPC入札について

デマンドジェンの商品フィードの活用

商品フィードを連携すると、コンバージョン増加(CPA維持)の実績もありますので、活用をオススメします。しかし、利用しているツールによってはAPIからデータが落ちてきませんので、ご予算調整をレポートツールで利用している場合は注意が必要です。

配信チャネル選択の推奨戦略

2026年1月のアップデートにより、広告グループレベルでチャネルを手動選択できるようになりました。推奨される運用フローは以下の通りです。

ステップ1:初期設定 – 全チャネル開放

  • まずは「すべてのGoogleチャネル」で配信開始
  • AIに学習データを蓄積させる

ステップ2:効果の可視化

キャンペーンタブの「分割 → ネットワーク(検索パートナーを含む)」で各チャネルのパフォーマンスを確認:

  • 各チャネルのCPA、ROAS、コンバージョン数
  • 費用配分の割合
  • クリック数(ゼロでも費用が発生している場合はCPM課金)

ステップ3:段階的に低効率チャネルを除外

  • パフォーマンスが目標に届かないチャネルを個別に除外
  • 「広く配信→絞り込み」のアプローチで最適化

参考:デマンド ジェネレーションのチャネルを手動で選択する

オーディエンス設定と最適化ターゲティングはONを推奨

リターゲティングのみ、新規ユーザーのみ、興味関心のみなど、どのようなオーディエンス設定でも問題ありません。重要なのは、最適化ターゲティングを必ずONにすることです。最適化ターゲティングをONにすると、設定したオーディエンスは「道しるべ」として機能します。AIはその情報を起点に、コンバージョンの可能性が高いユーザーへと配信を拡張していきます。

例えば、女性向け商材として女性のみをターゲットに設定していても、最適化ターゲティングがONであれば、AIが実際の購入データから「この商品は男性からの購入も多い」と判断し、自動的に男性ユーザーにも配信を拡張します。この結果、平均20%のコンバージョン増加が見込めます。

年齢・性別の拡張制御

最適化ターゲティングをONにしつつ、特定の年齢・性別への拡張を制限したい場合は、「指定した年齢・性別にのみ広告を表示する」オプションを使用できます。

  • 女性30-40代をターゲットに設定
  • 「指定した年齢・性別にのみ広告を表示する」をON
  • 最適化ターゲティングもON

この設定により、女性30-40代の範囲内で最適化ターゲティングが機能し、その範囲外(男性や他の年齢層)への拡張は行われません。

ただし、コンバージョン最大化の観点からは、法的制限が必要な商材(酒類、タバコ等)以外は、年齢・性別の制限を設けず、AIに自由に拡張させることを推奨します。想定外のセグメントから多くのコンバージョンが獲得できる可能性があるためです。

参考:最適化されたターゲティングを使用する

デバイスターゲティング

この機能を活用することで、商材やターゲット層に応じた精緻な配信設計が実現できます。これらのターゲティング機能を組み合わせることで、P-MAXでは実現できない精緻なターゲティング戦略が可能になります。

デバイスタイプの指定

PC、モバイル、タブレット、TVの4つのデバイスタイプから配信先を選択できます。例えば、BtoB商材であればPCのみに絞る、アプリダウンロードキャンペーンであればモバイルのみに配信するなど、商材特性に合わせた設定が可能です。

OS・デバイスモデルの指定

iOSとAndroidの指定はもちろん、特定のデバイスモデルまで絞り込むことができます。これにより、高性能端末のユーザーに限定した配信や、特定OSバージョンへの最適化が可能になります。

Wi-Fiターゲティング(B2B向けに効果的)

Wi-Fi接続時のみに配信を絞ることで、オフィス環境にいるビジネスユーザーへの配信が可能になります。個人利用とビジネス利用を分離できるため、BtoB商材の広告配信において非常に効果的です。モバイルデータ通信時には配信せず、Wi-Fi環境下でのみ配信することで、ビジネス時間帯のオフィスワーカーにリーチできます。

キャリア指定

KDDI/au、NTT DoCoMo、SoftBank、楽天モバイルの4キャリアから配信先を選択できます。特定キャリアのユーザー層に偏りがある商材や、キャリア決済を活用したサービスの広告配信に有効です。

クリエイティブフォーマット

デマンドジェンでは、シングル画像、動画、カルーセル画像の3つのフォーマットを利用できます。特に重要なのは、動画と画像を併用することです。Googleの公式データによると、動画と画像の両方のアセットを活用した広告主は、動画アセットのみを使用した場合と比較して、同じアクション単価で平均20%のコンバージョン増加を達成しています。

デマンドジェンは、ユーザーの興味関心や行動履歴に基づいて広告を1対1で配信する性質が強いキャンペーンです。この特性上、クリエイティブの質がパフォーマンスに直結します。表示される広告はユーザー一人ひとりにパーソナライズされるため、訴求力の高いクリエイティブを用意することが成果を左右します。

そのため、動画と画像の両方を用意し、複数のクリエイティブバリエーションをテストしながら、最もパフォーマンスの高い組み合わせを見つけることが重要です。

参照:動画アクション キャンペーンがデマンド ジェネレーションにアップグレードされます

コンバージョントラッキングの正しい理解

デマンドジェンを運用する上で、必ず理解しておく必要があるのが「GA4とGoogle広告でコンバージョン数が一致しない」という現象です。これはどちらかが間違っているわけではなく、それぞれの計測方法の違いによるものです。

計測ツール カウント対象 計測方法
Google広告 クリックCV + エンゲージビューCV(EVC) クリック+視聴ベース
GA4 クリックCVのみ クリックベースのみ

Google広告では、広告をクリックしたユーザーのコンバージョンに加えて、「エンゲージビューコンバージョン(EVC)」もカウントされます。一方、GA4はクリックベースのコンバージョンのみをカウントするため、Google広告の数値の方が多くなるのが正常な状態です。

エンゲージビューコンバージョン(EVC)とは!?

エンゲージビューコンバージョンは、以下の条件で発生します。

  1. ユーザーが動画広告を一定時間視聴する
    • 通常の動画:10秒以上
    • YouTube Shorts / In-Feed:5秒以上
  2. その後、広告をクリックせずにコンバージョンウィンドウ内でコンバージョンが発生

つまり、広告を見たユーザーが直接クリックしなくても、その後に自然検索やブックマークなどから訪問してコンバージョンした場合、Google広告ではこれをカウントしますが、GA4ではカウントしません。

例えば、ユーザーがYouTubeで10秒間あなたの商品広告を視聴し、その後Google検索で商品名を検索して購入した場合。

  • Google広告:コンバージョン1件としてカウント(EVC)
  • GA4:コンバージョン0件(広告クリックがないため)

デマンドジェンの効果を正確に把握するには、Google広告の管理画面の数値を確認してください。GA4の数値だけを見ると、広告の真の効果を過小評価してしまう可能性があります。両者の差分が大きい場合、それはエンゲージビューコンバージョンが多く発生している証拠であり、動画広告が視覚的に効果を発揮している良い兆候です

ビュースルーコンバージョン最適化:OFFを推奨

キャンペーンレベルで設定できるベータ機能として「ビュースルーコンバージョン最適化」があります。この機能をONにすると、入札とレポート作成時に、クリックスルーコンバージョンとエンゲージビューコンバージョンに加えて、ビュースルーコンバージョンのデータも含まれるようになります。

ビュースルーコンバージョンとは、ユーザーが広告を見たものの何も操作せず(視聴もクリックもしない)、その後コンバージョンに至った場合にカウントされるものです。

現時点では、この機能はベータ版であり、すべてのチャネルがサポートされているわけではないため、使用を推奨しません。広告を「見ただけ」のユーザーまで最適化対象に含めると、本当に広告に興味を持ったユーザー(エンゲージビューやクリック)との区別が曖昧になり、配信効率が低下する可能性があります。

Meta広告との類似性

デマンドジェンは、Meta広告と以下の点で非常に似た特性を持っています。

  • クリエイティブレベルの最適化 – AIが個々のクリエイティブのパフォーマンスを学習
  • パーソナルな嗜好・行動データの活用 – ユーザーの興味関心や過去の行動を基に配信
  • 1対1配信の性質 – ユーザー一人ひとりに最適化された広告を表示

このため、Meta広告で成果が出ている広告主は、デマンドジェンとの相性が良い傾向があります。Meta広告で培った運用ノウハウや成功パターンを、デマンドジェンに横展開することで早期に成果を上げやすくなります。

ただし、重要な違いがあります。Meta広告では、クリエイティブ自体がターゲティングの役割を果たすため、頻繁なクリエイティブの差し替えや「クリエイティブの摩耗」を意識した運用が必要です。

一方、デマンドジェンではターゲティング設定(オーディエンス設定、最適化ターゲティング)が独立して機能します。クリエイティブに求められるのは「必要な訴求を網羅すること」です。AIがユーザーごとに必要なタイミングで適切なクリエイティブを選択して配信するため、Meta広告ほど頻繁にクリエイティブを差し替える必要はありません。

訴求バリエーション(商品特徴、価格訴求、ベネフィット訴求など)を一通り用意しておけば、AIが最適なタイミングで最適なユーザーに配信してくれます。そのため、「クリエイティブの摩耗」をそこまで気にせず、長期的に同じクリエイティブセットを運用できます。

  • Meta広告の成功クリエイティブをベースに、複数の訴求パターンを用意
  • 頻繁な差し替えは不要、長期的に配信を継続
  • パフォーマンスの低いクリエイティブのみ入れ替え

デマンドジェンのクリエイティブ審査の厳しさ

デマンドジェンの広告審査は、P-MAXと比較して厳しい傾向があります。これは、デマンドジェンが1対1のパーソナル配信という性質を持つためです。Meta広告と同様に、ユーザー個人の興味関心や行動履歴に基づいて広告が配信されるため、よりセンシティブな審査基準が適用されます。

特に注意が必要なのは、AGA治療、医薬品、美容医療(美容整形等)などのデリケートな商材です。これらの商材では、審査で頻繁に却下されるケースが報告されています。

実際の運用現場では、同じクリエイティブを使用していても、P-MAXでは承認されるがデマンドジェンでは却下される、といった事象が発生しています。これは配信面やターゲティングの性質の違いによるもので、デマンドジェンの方がより厳格な審査が行われていることを示しています。

そのため、センシティブな商材を扱う場合は、クリエイティブ制作時から審査基準を意識し、表現方法に十分注意を払う必要があります。却下された場合は、表現を調整して再提出するか、P-MAXなど他のキャンペーンタイプの活用を検討することをおすすめします。

 2026年1月の重要アップデート

2026年1月、Googleは「Demand Gen Drop」として3つの重要な機能を正式リリースしました。これらの機能はGoogle Marketing Live 2025で予告されていたものが一般提供(GA: General Availability)となり、デマンドジェネレーションの活用範囲が大きく広がりました。

Shoppable CTV(ショッパブルCTV)

YouTubeのテレビ画面(コネクテッドTV)で広告を視聴中に、視聴者が商品を閲覧・購入できる機能が実装されました。

  • テレビ画面を含むデマンドジェネレーションキャンペーン: 同じROIを維持しながら平均7%のCV増加
  • LG Electronics事例: 有料ソーシャル広告と比較して24%高いCVR、91%低いCPAで高価値顧客へリーチ

従来「認知」が目的だったテレビ広告に、直接的なコマース機能が統合された点が革新的です。リビングルームという購買意欲が高まりやすい環境で、シームレスに商品購入まで誘導できます。

参考: Shoppable CTV

Attributed Branded Searches(ブランド検索の帰属計測)

デマンドジェネレーションキャンペーンが生み出したGoogle/YouTube上でのブランド検索ボリュームを可視化できる機能です。

  • デマンドジェネレーション配信後に発生したブランド名検索の件数を計測
  • 上位ファネル施策の効果を定量化
  • Google担当者経由で有効化が必要

デマンドジェネレーションは「潜在層へのリーチ」が強みですが、直接CVに繋がらないため効果測定が難しい側面がありました。この機能により、「広告接触→ブランド検索→CV」という流れを可視化でき、間接効果を含めた真の貢献度を把握できます。

Travel Feeds(トラベルフィード)

ホテル業界向けに、Hotel Centerのフィードを連携して、価格・評価・空室状況などをリアルタイムで反映した動画広告を自動生成できる機能です。

  • Hotel Centerフィードと連携
  • ホテルの価格、評価、空室状況を動的に表示
  • 動画広告を自動生成

「閲覧から予約へ」の導線を短縮し、検討中のユーザーに最新の価格・空室情報を提示することで予約率を高めます。

参考: https://support.google.com/google-ads/answer/16756841

ブランドリフト調査について

デマンドジェネレーションキャンペーンでは、従来のCV数やCPAといった直接効果だけでなく、ブランドリフト調査を活用することで広告の「真の効果」を可視化できます。特に認知拡大や比較検討促進を目的とする場合、この機能は投資対効果を証明する強力なツールとなります。

ブランドリフト調査と調査の仕組み

ブランドリフト調査は、広告に接触したユーザーと接触しなかったユーザー(コントロールグループ)を比較し、広告がブランド認知や購買意欲にどれだけ影響を与えたかを測定する機能です。

  1. ユーザーをランダムに「広告接触グループ」と「非接触グループ」に分割
  2. YouTube動画再生前に短いアンケート(1〜2問)を表示
  3. 両グループの回答を比較し、広告による「リフト(向上率)」を算出

デマンドジェネレーションでの実施条件

  • YouTube動画広告のみが測定対象
  • Discover、Gmail、GDNでの配信結果は測定されない
  • YouTube広告を優先する必要がある
  • Google担当者への連絡が必要
  • 最低出稿金額の設定あり(国によって異なる、為替レートで変動)
  • 一定期間の配信実績が必要

参考: ブランドリフト調査を設定する

サーチリフト調査とコンバージョンリフト調査

デマンドジェネレーションでは、ブランドリフトと合わせて、「コンバージョンリフト調査」、「サーチリフト調査」も実施可能です。コンバージョンリフト調査とは、広告を出稿した結果コンバージョンが増えているのかを調査します。サーチリフト調査とは、広告接触後、Google/YouTubeでブランド名や関連キーワードの検索が増えたかを測定します。2026年1月の新機能「Attributed Branded Searches」との関係は、従来のサーチリフトは「調査」として別途申請が必要でしたが、Attributed Branded Searchesは管理画面上で常時確認できる指標として進化しました(Google担当者経由で有効化)。

よくある失敗パターンと対策

デマンドジェネレーションキャンペーンは強力な広告手法ですが、設定や運用を誤ると期待した成果が得られません。ここでは、Google公式が示す11の原因と、実務でよく見られる失敗パターン、そしてその対策を解説します。

失敗1. 機械学習期間中の頻繁な設定変更

失敗パターン: 配信開始後、2〜3日で思うような成果が出ないため、すぐに入札戦略やターゲティングを変更してしまう。Google推奨の学習期間はスマート自動入札を使用する場合、最適化に時間がかかり、パフォーマンスが変動するのは正常です。

  • 最低2週間は設定を変更せずに機械学習を完了させる
  • Google推奨のコンバージョン獲得件数に達するまで待つ
  • 初期の変動は正常な学習プロセスと理解する

失敗2. 目標入札単価の設定ミス

失敗パターン: 目標CPAを過去の平均より大幅に低く設定し、オークションに参加できない。

  • 過去実績の平均CPA以上に設定
  • 初期は余裕を持った目標値でAI学習を優先
  • 学習完了後に段階的に目標を厳しくする

失敗3. 予算不足

失敗パターン: 日予算が少なすぎて、広告配信が極端に制限される。

  • コンバージョン数の最大化: 目標CPA × 15倍の日予算
  • コンバージョン値の最大化: 目標ROAS ÷ 100 × 15倍の日予算

失敗4. クリエイティブアセットの不足

失敗パターン: 画像1枚、動画1本だけで配信し、AIが最適化できない。

  • 画像: 最低5枚以上、推奨10枚以上
  • 動画: 最低1本、推奨3本以上(動画+画像併用で平均20%のCV増加)
  • アスペクト比: 横長(1.91:1)、スクエア(1:1)、縦長(9:16)を用意
  • 広告アセットの充実度ツールで「良好」以上を目指す

失敗5. ターゲティングを絞りすぎる

失敗パターン: 複数のオーディエンスセグメントをAND条件で重ねがけし、配信対象が極端に狭くなる。

例: 30代 AND 男性 AND 特定の興味関心 AND カスタムセグメント → リーチが数百人になる

  • 初期は最適化ターゲティングをONにして、AIに配信先を広げさせる
  • オーディエンス設定は「道しるべ」と考える
  • 年齢・性別制限は法的必要性がない限り設定しない
  • 配信後にパフォーマンスを見て段階的に絞り込む

失敗6. コンバージョントラッキングの問題

失敗パターン:コンバージョンタグが正しく設置されていないか、十分なコンバージョン数が計測されていない。

  • Googleタグの正常動作を確認
  • 拡張コンバージョンを設定
  • コンバージョン数が少ない場合はマイクロコンバージョンを追加

失敗7. 広告ポリシー違反

失敗パターン: デマンドジェネレーションは審査が厳しく、P-MAXでは承認された同じクリエイティブが却下されるケースがあります。これは1対1のパーソナル配信という特性上、より厳格な審査基準が適用されるためです。特にAGA治療、医薬品、美容医療といった商材は頻繁に却下される傾向があります。

デマンドジェネレーションは1対1配信のため、ディスプレイ広告やP-MAXより厳しい審査基準が適用されることを理解しましょう。広告が却下された場合は、ポリシー違反の具体的な内容を確認し、表現を修正してください。事前にGoogle広告ポリシーを十分に確認し、特にヘルスケア関連の商材を扱う場合は、表現に細心の注意を払う必要があります。

参考: デマンド ジェネレーション キャンペーンで広告が掲載されない、またはトラフィックが少ない場合の対処方法

失敗8: 商品訴求だけのクリエイティブ

失敗パターン: 「今すぐ購入」「〇〇%OFF」といった直接的な訴求のみで、潜在層に刺さらない。

デマンドジェネレーションは「まだニーズが明確でない層」が対象です。

  • 価値ある情報の提供から始める
  • 共感→教育→比較→信頼構築のステップを意識
  • いきなり「買ってください」ではなく「役立つ情報ですよ」のスタンス

失敗9: CV数だけで効果を判断

失敗パターン: 直接CVだけを見て「効果がない」と判断し、配信を停止。

中間指標も含めて総合的に評価してください。

  • ビュースルーコンバージョン(EVC)
  • ブランドリフト・サーチリフト
  • サイト再訪率
  • 他キャンペーンへのアシスト効果

デマンドジェネレーションは「広告接触→態度変容→検索→CV」という間接効果が強いため、ラストクリックCVだけでは真の効果が見えません。

失敗10: P-MAXとのカニバリゼーション

失敗パターン: P-MAXとデマンドジェネレーションで同じ商品・同じターゲティングを設定し、内部で競合。

  • P-MAX: CV獲得最大化(顕在層含む)
  • デマンドジェネレーション: 新規ユーザー獲得・認知拡大(潜在層)
  • 役割を明確に分け、入札目標を統一する
  • キャンペーン ミックス テストで相乗効果を検証

失敗11: チャネル選択の誤解

失敗パターン: 「YouTubeだけに配信したい」と最初からチャネルを限定し、AIの学習機会を奪う。

  1. 初期: 全チャネル開放でAI学習
  2. 効果可視化: 「分割→ネットワーク」で確認
  3. 段階的除外: 低効率チャネルを個別に除外

最初から限定すると、AIが最適な配信面を見つけられません。

まとめ

デマンドジェネレーションキャンペーンは、YouTube、Discover、Gmail、GDNという4つの配信面を活用し、潜在層から検討層へのアプローチに特化したキャンペーンタイプです。P-MAXが顕在層のCV最大化を目指すのに対し、デマンドジェンは「まだニーズが明確でない層」との接点を作り、購買検討を促進します。

成功の鍵は、AIの機械学習を信じること、十分なクリエイティブアセットを用意すること、そして潜在層向けの訴求を意識することです。動画と画像を併用すれば平均20%のCV増加、最適化ターゲティングをONにすれば平均20%のCV増加が見込めます。

Google推奨の「Power Pack」戦略では、検索広告・P-MAX・デマンドジェンの3つを組み合わせることで、ROIを維持しながら平均18%のCV数増加を実現できます。各キャンペーンの役割を明確に分け、入札目標を統一することで相乗効果が生まれます。

直接CVだけでなく、ブランドリフトやサーチリフト、エンゲージビューコンバージョン(EVC)といった中間指標も含めて総合的に評価することで、デマンドジェンの真の効果を把握できます。検索広告やP-MAXでは獲得できない新規ユーザーへのリーチを実現し、カスタマージャーニー全体を最適化する強力なツールとして、今後ますます重要性が高まっていくキャンペーンタイプです。

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