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注目のポイント
総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」によると、2025年10月の広告業売上高は8,140億円で前年同月比-0.2%と微減となりました。9月の12.0%増から反転し、前月比では約666億円減少しましたが、1-10月累計は8兆2,302億円で前年同期比4.9%増と堅調です。電通「2024年 日本の広告費」の構成比(47.6%)を適用すると、10月のインターネット広告費は約3,875億円と推計され、10ヶ月換算で約3兆8,750億円、2024年通年比で約6%成長となります。総務省データの約半分がインターネット広告で構成されていることが確認できました。
目次
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査終了に伴う統計データの変更について
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は2024年12月調査をもって終了しました。それに伴い、2025年1月分からは総務省統計局が実施する「サービス産業動態統計調査」のデータを使用してインターネット広告費の月別推移を報告していきます。この変更は、特定サービス産業動態統計調査(経済産業省実施)とサービス産業動向調査(総務省実施)が統合されたことによるものです。
参照:経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は、2024年12月調査をもって終了致しました。
2025年からの総務省統計データ使用における注意点
2025年からは総務省統計局が実施する「サービス産業動態統計調査」のデータを使用しますが、この新しい統計調査では「広告業」というカテゴリにテレビ、新聞、ラジオ、雑誌の4マス媒体とインターネット広告が一緒に含まれています。そのため、これまで経済産業省の特定サービス産業動態統計調査で独立して集計されていた「インターネット広告費」の純粋な推移を追うことが難しくなりました。この点にご留意いただきながら、今後の広告業全体のトレンドをご覧ください。
参照:サービス産業動態統計調査
広告業の月間売上高(百万円)と前年同月比(2024年1月~2025年10月)
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総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」によると、2025年10月の広告業の月間売上高は814,000百万円(約8,140億円)で、前年同月比-0.2%と微減となりました。
10月の特徴的な動向として、9月(8,806億円)から約666億円減少し、前年同月(8,153億円)を13億円下回る水準となった点が注目されます。9月に2025年で最も高い前年同月比12.0%増を記録した広告市場ですが、10月は一転してほぼ横ばいとなりました。これは9月の急伸が年度下半期に向けた集中的なキャンペーン投資によるものであり、10月はその反動による調整局面だった可能性を示唆しています。前年同月との差がわずか-0.2%にとどまったことは、市場の基礎的な需要は堅調に維持されていることを表しています。
2025年10月の売上規模8,140億円は、2025年では3月(1兆1,458億円)、9月(8,806億円)に次ぐ水準となりました。2025年1-10月の累計売上高は8兆2,302億円に達し、前年同期比4.9%増という堅調な成長を維持しています。月平均では8,230億円と高水準を保っており、9月の一時的な急伸を除いても、通年での成長トレンドは確実に継続しています。
この新しい統計データは経済産業省の特定サービス産業動態統計調査とは集計方法が異なり、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などの従来型メディアとインターネット広告を含めた広告業全体の動向を示すものです。
広告業における4マス媒体とインターネット広告の構成比
総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」で集計される「広告業」には、マスコミ四媒体広告費とインターネット広告費が含まれています。電通が2025年2月27日に発表した「2024年 日本の広告費」によると、2024年の総広告費は7兆6,730億円で、その内訳は以下の通りです。
1. マスコミ四媒体広告費: 2兆3,363億円(総広告費の30.4%)
- テレビ、新聞、ラジオ、雑誌の従来型メディア広告
2. インターネット広告費: 3兆6,517億円(総広告費の47.6%)
- インターネット広告媒体費(検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、SNS広告など)
- 物販系ECプラットフォーム広告費(楽天市場、Amazonなど)
- インターネット広告制作費
3. プロモーションメディア広告費: 1兆6,850億円(総広告費の22.0%)
- 屋外広告、交通広告、折込、DM、POP、イベント・展示など
インターネット広告費は2021年にマスコミ四媒体広告費を初めて上回り、2024年には総広告費の約半分(47.6%)を占めるまでに成長しました。特に動画広告の伸びが顕著で、SNS上の縦型動画広告やコネクテッドTVなどの需要が市場全体の拡大を牽引しています。一方、マスコミ四媒体広告費は2024年に3年ぶりに前年超え(前年比100.9%)となりましたが、長期的にはインターネット広告へのシフトが継続しています。
2025年10月のインターネット広告費推計
電通の構成比(47.6%)を2025年10月の総務省データに適用すると、2025年10月のインターネット広告費は約3,875億円と推計されます。この数字を10ヶ月分に換算すると約3兆8,750億円となり、電通が発表した2024年通年のインターネット広告費3兆6,517億円と比較して約6%の成長となります。これは2024年から2025年にかけてのインターネット広告市場の継続的な拡大傾向と整合的であり、総務省の「広告業」売上高の約半分がインターネット広告費で構成されていることが確認できます。
最後に
2025年10月の-0.2%という結果は、9月の急伸(12.0%増)からの反動減として理解できます。しかし前年同月とほぼ横ばいの水準を維持したことで、市場の基礎的な強さが確認されました。1-10月を通じて前年同期比4.9%増を達成し、月平均8,230億円という高水準を保てていることは、広告市場の持続的な成長力を示しています。10月の微減は9月の集中的な予算執行の反動によるものと見られ、年末商戦期に向けた第4四半期の残り期間での回復が期待されます。
デジタル広告への投資は引き続き拡大基調にあり、特に動画広告やSNS広告への需要は底堅い状況が続いています。9月の急伸と10月の調整を経て、11月以降は年末商戦に向けた広告投資の本格化が見込まれます。このような業界構造の変化と季節性のパターンについても今後の記事で詳しく取り上げていく予定です。第4四半期の成長動向と、デジタルシフトの加速が広告業界全体の持続的な成長にどう寄与するかに注目が集まります。
デジタル広告への投資は引き続き拡大基調にあり、特に動画広告やSNS広告への需要は底堅い状況が続いています。このような業界構造の変化についても今後の記事で詳しく取り上げていく予定です。第4四半期の成長動向と、デジタルシフトの加速が広告業界全体の持続的な成長にどう寄与するかに注目が集まります。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。


