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LINEヤフー検索広告!?メディア事業まさかの減収。止まらない「検索離れ」とAIシフトの必然性

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記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • LINEヤフー決算は過去最高も主力「検索広告」は減収。検索依存からの脱却とAIシフトの裏側

こんな方へオススメの記事

    • 好決算の影で起きている検索広告の不振要因と、会社が進める「検索から会話へ」の戦略転換

この記事を実践するための準備

    • 特別なツールは不要。決算の表面的な数字だけでなく、事業構造の変化を読み解く視点

LINEヤフー決算の死角。過去最高収益の裏で「検索広告」に何が起きているのか?

先日発表された、LINEヤフー株式会社の2025年3月期 第2四半期の決算。 ニュースなどの見出しでは「売上収益が過去最高の5,057億円(前年同期比+9.4%)」と報じられており、一見すると非常に好調な決算に見えます。

確かに、PayPayを含む「戦略事業」や「コマース事業」が牽引し、会社全体の数字は伸びています。しかし、私たちマーケターが注目すべきポイントは、そこではありません。

本業とも言える、LINEやYahoo! JAPANの広告を扱う「メディア事業」において、売上が減少している(前年同期比 -0.3%)という事実です。

今回は、この「増収の裏で起きている広告事業の変調」について、決算資料から読み取れる背景を解説します。

参照:LINEヤフー株式会社 決算説明会@2025年度第2四半期

「過去最高」の影で、メディア事業はマイナス成長へ

会社全体の業績が二桁近い成長を見せる中で、なぜメディア事業だけがマイナスになってしまったのでしょうか。

決算資料を詳細に確認すると、ディスプレイ広告(運用型)やアカウント広告(LINE公式アカウント等)は、微増あるいは横ばいで推移しており、底堅さを見せています。

では、何が足を引っ張ったのか。 最大の要因は「検索連動型広告(検索広告)」の不振です

これは今回急に始まったことではありません。実は、第1四半期(4-6月)の時点ですでに検索広告の売上収益は**YoY(前年比)-7.7%**と大きく落ち込んでいました。 1Qの時点ではメディア事業全体で辛うじてプラスを維持していましたが、この2Q(7-9月)でも検索広告の減少トレンドが止まらず、ついに事業全体の数字をマイナス圏へと押し下げてしまった形です。

「検索」から「会話」へのシフトは待ったなしの状況

検索広告は、長らくデジタル広告の収益の柱であり「ドル箱」でした。その柱が、YoYで明確に下がり続けているという現実は、ユーザーの検索行動の変化や、プラットフォーム間の競争激化を示唆しています。

LINEヤフー側もこの状況を静観しているわけではありません。 今回の決算説明において、今後の成長戦略として「検索中心」から「AIエージェント(会話)中心」への転換を強調していたのが印象的でした。

検索広告での収益拡大が難しくなる中、LINEアプリの大規模リニューアルや「LINEミニアプリ」の強化、そしてAIアシスタントへの投資を加速させています。これは単なる機能追加ではなく、収益構造そのものを「検索依存」から脱却させようとする、強い危機感と決意の表れと言えるでしょう。

まとめ

「過去最高」という見出しの裏側で、主力の検索広告が前年割れを起こしているというLINEヤフーの現状。 これは特定の媒体だけの話ではなく、デジタルマーケティング全体の潮流が変わろうとしているシグナルかもしれません。

運用者としても、こうしたプラットフォーマーの収益構造の変化や、その先にある「AI・会話型」へのシフトを敏感にキャッチアップしていく必要がありそうです。

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