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記事サマリー
この記事を読んでわかること
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- 総務省統計局のサービス産業動態統計調査による広告業の売上高推移と市場動向
こんな方へオススメの記事
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- 広告業界(特にデジタル広告分野)で働く方や、市場トレンドを把握したい事業者・マーケター
この記事を実践するための準備
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- 自社のデジタル広告費用の推移と広告戦略計画
目次
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査終了に伴う統計データの変更について
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査終了に伴う統計データの変更について
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は2024年12月調査をもって終了しました。それに伴い、2025年1月分からは総務省統計局が実施する「サービス産業動態統計調査」のデータを使用してインターネット広告費の月別推移を報告していきます。この変更は、特定サービス産業動態統計調査(経済産業省実施)とサービス産業動向調査(総務省実施)が統合されたことによるものです。
参照:経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は、2024年12月調査をもって終了致しました。
2025年からの総務省統計データ使用における注意点
2025年からは総務省統計局が実施する「サービス産業動態統計調査」のデータを使用しますが、この新しい統計調査では「広告業」というカテゴリにテレビ、新聞、ラジオ、雑誌の4マス媒体とインターネット広告が一緒に含まれています。そのため、これまで経済産業省の特定サービス産業動態統計調査で独立して集計されていた「インターネット広告費」の純粋な推移を追うことが難しくなりました。この点にご留意いただきながら、今後の広告業全体のトレンドをご覧ください。
参照:サービス産業動態統計調査
広告業の月間売上高(百万円)と前年同月比(2024年1月~2025年7月)
総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」によると、2025年7月の広告業の月間売上高は793,504百万円(約7,935億円)で、前年同月比6.6%増と堅調な成長を記録しました。
7月の特徴的な動向として、6月(7,935億円)とほぼ同水準を維持し、前年同月比でも確実なプラス成長を継続した点が注目されます。6月と7月の売上高の差はわずか44百万円であり、夏季商戦における広告需要の安定性を示しています。観光・レジャー関連の広告投資が引き続き堅調であり、夏休みシーズンに向けた広告キャンペーンの本格化が寄与したものと考えられます。
2025年7月の売上規模7,935億円は、前年同月(7,445億円)を約490億円上回る水準となりました。2025年1-7月の累計売上高は5兆7,761億円に達し、前年同期比5.3%増という安定した成長を達成しています。第3四半期も好調なスタートを切り、2025年の広告市場が継続的な拡大基調にあることが確認できる結果となりました。
この新しい統計データは経済産業省の特定サービス産業動態統計調査とは集計方法が異なり、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などの従来型メディアとインターネット広告を含めた広告業全体の動向を示すものです。
最後に
2025年7月の6.6%増という結果は、広告業界の安定した成長基盤を裏付けるものです。1-7月を通じて前年同期比5.3%増を達成し、月平均8,252億円という規模を維持できたことは、デジタル広告を中心とした市場の成熟度と持続性を示しています。特に6月と7月がほぼ同水準で推移したことは、夏季商戦期における広告需要の底堅さを物語っており、動画広告やSNS広告への投資拡大が継続していることを示唆しています。
このような業界構造の変化についても今後の記事で詳しく取り上げていく予定です。第3四半期以降も成長が期待される中、デジタルシフトの加速とともに広告業界全体の持続的な拡大が続くかに注目が集まります。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しており、年間100名以上を教育。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。