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記事サマリー
この記事を読んでわかること
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- 総務省統計局のサービス産業動態統計調査による広告業の売上高推移と市場動向
こんな方へオススメの記事
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- 広告業界(特にデジタル広告分野)で働く方や、市場トレンドを把握したい事業者・マーケター
この記事を実践するための準備
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- 自社のデジタル広告費用の推移と広告戦略計画
目次
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査終了に伴う統計データの変更について
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査終了に伴う統計データの変更について
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は2024年12月調査をもって終了しました。それに伴い、2025年1月分からは総務省統計局が実施する「サービス産業動態統計調査」のデータを使用してインターネット広告費の月別推移を報告していきます。この変更は、特定サービス産業動態統計調査(経済産業省実施)とサービス産業動向調査(総務省実施)が統合されたことによるものです。
参照:経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は、2024年12月調査をもって終了致しました。
2025年からの総務省統計データ使用における注意点
2025年からは総務省統計局が実施する「サービス産業動態統計調査」のデータを使用しますが、この新しい統計調査では「広告業」というカテゴリにテレビ、新聞、ラジオ、雑誌の4マス媒体とインターネット広告が一緒に含まれています。そのため、これまで経済産業省の特定サービス産業動態統計調査で独立して集計されていた「インターネット広告費」の純粋な推移を追うことが難しくなりました。この点にご留意いただきながら、今後の広告業全体のトレンドをご覧ください。
参照:サービス産業動態統計調査
広告業の月間売上高(百万円)と前年同月比(2024年1月~2025年4月)
総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」によると、2025年4月の広告業の月間売上高は783,549百万円(約7,835億円)で、前年同月比1.4%増と緩やかながら安定した成長を記録しました。
4月の特徴的な動向として、3月の年度末需要(1兆1,187億円)からの季節的な落ち着きが見られる中でも、前年同月比でプラス成長を維持した点が注目されます。これは広告業界の底堅い需要を示しており、新年度入りに伴う企業の広告戦略見直しや春の販促キャンペーンなどが寄与したものと考えられます。
2025年4月の売上規模7,835億円は、第1四半期平均(8,664億円)を約9.6%下回る水準でしたが、これは例年見られる季節的なパターンであり、前年同月(7,726億円)との比較では確実な成長を維持しています。1月の大幅な伸び(10.7%増)から成長率は鈍化したものの、継続的な拡大基調が確認できる結果となりました。
この新しい統計データは経済産業省の特定サービス産業動態統計調査とは集計方法が異なり、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などの従来型メディアとインターネット広告を含めた広告業全体の動向を示すものです。
最後に
2025年4月の1.4%増という結果は、新年度における広告業界の安定した需要基盤を裏付けるものです。年度切り替えに伴う一時的な調整局面でも成長を維持できたことは、デジタル広告を中心とした市場の成熟度を示しています。特に新年度入りとともに本格化する企業の新商品・サービスの広告展開や、ゴールデンウィーク商戦に向けた動画広告の需要増加が4月の成長を下支えしたと推測されます。今後、夏季に向けて更なる成長加速が期待される中、デジタルシフトの進展とともに広告業界全体の持続的な拡大が続くかに注目が集まります。

Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しています。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。また、世界的権威のある One Voice Awards USA 2025 にも日本人としてノミネートされ、世界的なナレーターとしても活躍中です。