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Googleの価格表示とプロモーション表示アセットで広告枠占有率を向上させるテクニック

この記事は6分で読むことができます。

記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • 価格やプロモーションアセットの設定が困難な業界の設定方法

こんな方へオススメの記事

    • アセット機能を諦めているGoogle広告運用者

この記事を実践するための準備

    • 自社の無料サービス洗い出しと価格証明ページの作成準備

Google広告の価格表示オプションとプロモーション表示オプションを設定する素材がない?

多くの広告主が「価格表示オプション(価格アセット)やプロモーション表示オプション(プロモーションアセット)は、うちの業界には関係ない」と考えがちです。しかし、この認識は大きな機会損失を生んでいる可能性があります。

実際によく聞かれる理由として、「うちは価格を明確に設定できない」「割引キャンペーンをやっていない」「商品価格が流動的で管理が大変」といったものがあります。不動産業界では物件価格が常に変動し、更新作業が煩雑になることを懸念する声が多く聞かれます。保険業界では、顧客の条件によって見積もり金額が大きく変わるため、一律の価格表示が困難だと考える傾向があります。

しかし、これらの理由でアセット機能を使わないのは、実は非常にもったいないことです。なぜなら、価格アセットやプロモーションアセットの真の価値は、正確な価格情報の提供だけにあるのではないからです。

これらのアセットを設定することで得られる最大のメリットは、検索結果画面での「枠の占有率向上」です。アセットを設定した広告は、設定していない広告と比較して明らかに多くのスペースを占有し、ユーザーの目を引きやすくなります。この視覚的インパクトは、クリック率の向上に直結します。

さらに、ユーザーは価格アセット内の各項目から、関心のあるサービスのページに直接アクセスできるため、コンバージョンまでの導線が短縮されます。これは単なる広告表示の改善ではなく、ユーザーエクスペリエンスの向上という、より本質的な価値を提供します。

「設定する理由がない」と思っている広告主こそ、実は大きなチャンスを逃している可能性があります。競合他社が同様の理由で躊躇している間に、これらの機能を活用することで、検索結果画面での競争優位性を確保できるからです。

参照:価格アセットについて
参照:プロモーションアセットについて

「0円」を活用した価格・プロモーション設定の実践テクニック

価格設定が困難な業界であっても、「0円」という価格を活用することで、価格アセットとプロモーションアセットを効果的に運用できます。この手法は、最近よく見かける方法となりました。

まず発想を転換してみましょう。「価格を設定できない」ではなく、「無料で提供できるサービスは何か」という視点で考えてみてください。ほとんどの業界で、顧客との最初の接点では何らかの無料サービスを提供しているはずです。

コンサルティング業界であれば「初回相談無料」、不動産業界であれば「物件査定無料」「内見無料」、保険業界であれば「保険見直し相談無料」「見積もり作成無料」といったサービスが該当します。これらを価格アセットに「0円」として設定することで、レギュレーション違反することなく広告枠の占有率を向上させることができます。

実際に不動産業界や保険業界では、この手法が非常に効果的に活用されています。「物件査定:0円」「ローン相談:0円」「保険診断:0円」といった表示により、ユーザーに明確な価値を提示しながら、競合他社との差別化を図っています。

プロモーションアセットについても、同様のアプローチが可能です。通常であれば有料のサービスを「100%割引」として表現することで、実質的に無料サービスをプロモーションとして訴求できます。例えば「初回相談料が100%オフ」といった表現により、お得感を演出できます。

ただし、この手法を実践する際には絶対に見落としてはいけない重要な要件があります。Googleの規約では、価格アセットやプロモーションアセットで表示する価格について、リンク先のページでその価格を確認できることが必要とされています。つまり、「初回相談:0円」と広告で表示するなら、リンク先のページで実際に「初回相談が無料(0円)である」ことを明確に示すページの整備が必須となります。

各価格アセット項目には専用のURLが必要となり、そのページには明確な価格表示(「初回相談料:無料」など)、サービス内容の詳細、利用条件(「初回限定」「事前予約制」など)、申し込み方法を含める必要があります。

この手法を実践する際の重要なポイントは、ランディングページとの整合性です。広告で「0円」と表示したサービスについて、ユーザーがページを訪問した際に、その詳細や申し込み方法を迷わずに見つけられるよう、ページ構成を最適化する必要があります。

また、業界特有の規制や慣習を十分に理解した上で実施することが重要です。顧客に誤解を与えることなく、真に価値のあるサービスを「0円」として提示することで、ユーザーの信頼を獲得しながら広告効果を最大化できます。

この「0円」活用戦略により、これまで「設定する理由がない」と考えていた広告主も、追加予算なしで広告パフォーマンスを向上させることが可能になります。まずは自社で無料提供可能なサービスを洗い出し、それらを魅力的に表現する方法を検討することから始めてみましょう。

最後に

競合他社の広告運用を観察していると、この「0円」活用手法を巧みに取り入れている企業が増えていることに気づきます。創意工夫に富んだアプローチを見るたびに、「なるほど、そう来たか!」と感心させられることが多々あります。

広告表示オプション(アセット)は、単なる付加機能ではありません。これらはGoogle広告のオークション時におけるオークション時の品質の計算に直接影響を与える重要な要素です。アセットを適切に設定することで、広告ランクの向上とクリック単価の削減という、二重のメリットを享受できるため、積極的な活用をお勧めします。

ただし、実装にあたっては慎重な配慮が必要です。特に「0円」や「100%割引」といった表現については、一見すると攻撃的なマーケティング手法と受け取られる可能性があります。社内の関係者、特に経営陣やブランド管理部門に対しては、この手法の合理性とGoogleの規約に準拠していることを丁寧に説明し、十分な理解を得てから実施することが重要です。

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