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2025年3月の広告業売上高、1兆1,187億円で前年同月比3.0%増と安定成長

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記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • 総務省統計局のサービス産業動態統計調査による広告業の売上高推移と市場動向

こんな方へオススメの記事

    • 広告業界(特にデジタル広告分野)で働く方や、市場トレンドを把握したい事業者・マーケター

この記事を実践するための準備

    • 自社のデジタル広告費用の推移と広告戦略計画

経済産業省の特定サービス産業動態統計調査終了に伴う統計データの変更について

経済産業省の特定サービス産業動態統計調査終了に伴う統計データの変更について

経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は2024年12月調査をもって終了しました。それに伴い、2025年1月分からは総務省統計局が実施する「サービス産業動態統計調査」のデータを使用してインターネット広告費の月別推移を報告していきます。この変更は、特定サービス産業動態統計調査(経済産業省実施)とサービス産業動向調査(総務省実施)が統合されたことによるものです。

参照:経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は、2024年12月調査をもって終了致しました。

2025年からの総務省統計データ使用における注意点

2025年からは総務省統計局が実施する「サービス産業動態統計調査」のデータを使用しますが、この新しい統計調査では「広告業」というカテゴリにテレビ、新聞、ラジオ、雑誌の4マス媒体とインターネット広告が一緒に含まれています。そのため、これまで経済産業省の特定サービス産業動態統計調査で独立して集計されていた「インターネット広告費」の純粋な推移を追うことが難しくなりました。この点にご留意いただきながら、今後の広告業全体のトレンドをご覧ください。

参照:サービス産業動態統計調査

広告業の月間売上高(百万円)と前年同月比(2024年1月~2025年3月)

総務省統計局の「サービス産業動態統計調査」によると、2025年3月の広告業の月間売上高は1,118,712百万円(約1兆1,187億円)で、前年同月比3.0%増と安定した成長を記録しました。

2025年の四半期推移を見ると、1月は前年同月比10.6%増と二桁成長でスタートし、2月は700,093百万円(約7,001億円)で3.0%増、3月も3.0%増と安定したプラス成長を維持しています。1月の大幅な伸びから2・3月は成長率が落ち着いたものの、継続的な拡大基調が確認できます。

2024年からの流れを振り返ると、年前半は前年割れが続いていましたが、5月以降回復基調に転じ、特に8月には10.3%増を記録。下半期は安定したプラス成長を維持し、2025年に入ってからも好調な推移が続いています。特に3月は例年通り売上高が年間で最も大きい月となり、1兆円を超える規模となりました。

この新しい統計データは経済産業省の特定サービス産業動態統計調査とは集計方法が異なり、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などの従来型メディアとインターネット広告を含めた広告業全体の動向を示すものです。

最後に

広告業全体のデータではありますが、現在の広告市場ではインターネット広告の占有率が非常に大きいため、この成長傾向はデジタル広告の伸びを反映していると捉えても良いでしょう。2025年第1四半期の安定した成長は、おそらく動画広告を中心としたデジタル広告の継続的な拡大によるものと考えられます。YouTubeやTikTok、Instagramリールなどの動画プラットフォームの利用拡大や、テレビCM代替としてのオンライン動画広告の重要性増大が、この市場の成長を牽引していると推測されます。特に3月の1兆円超えは、年度末の広告需要増加とデジタルシフトの加速が相まった結果と見られ、今後も広告業界全体の動向を見る際は、デジタルシフトがどのように進行しているかに注目していく必要があるでしょう。

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