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Google Marketing Live 2025で感じた広告代理店価値の転換点

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記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • AI Max for SearchとGA4強化がもたらす広告運用の変化

こんな方へオススメの記事

    • デジタル広告運用の将来性に不安を感じている代理店担当者

この記事を実践するための準備

    • Google Marketing Live 2025の発表内容の基礎知識

Google Marketing Live 2025で見えたデジタル広告運用の転換点

2025年5月21日(米国時間)に開催されたGoogle Marketing Live 2025。今年も多くの新機能や戦略が発表されたが、その中でも特に注目すべき2つの発表があった。これらは、デジタル広告運用の在り方を根本的に変える可能性を秘めていると思っています。

参照:Google マーケティング ライブ 2025

AI Max for Searchが変える検索広告運用

今回発表された「AI Max for Search キャンペーン」は、正直なところ従来の検索広告運用の常識を覆す機能だと感じた。

これまでの検索広告運用では、キーワードの選定と管理が運用者の腕の見せ所だった。部分一致の拡張具合をコントロールするためのアカウント設計、細かな入札調整とキーワードの除外設定など、専門的なスキルが求められる領域だったのは間違いない。

ところが、AI Max for Searchではインテントマッチとキーワードレステクノロジーが自動でキーワードを拡張し、未開拓の高パフォーマンスクエリを自動発見してくれる。最適化のための実用的な洞察も自動で提供される仕組みだ。

これまで代理店の価値の中核だった「専門的なキーワード運用スキル」が、AIによって自動化されてしまう。検索広告運用のハードルが大幅に下がることは避けられないだろう。

過去にも動的検索広告のようなメニューがあったが、オークションの順番なども自動調整してくれるのか!?とても興味があります。パワーペアから進化をした「パワーパック」のP-MAX、AIMAX、デマンジェンを買っておけば、Google広告は賄えるのかも検証をしていきたいです。

参照:AI Max for Search キャンペーンで、パフォーマンスを次のレベルに引き上げましょう

GA4のビュースルー計測で測定も簡単に

もう一つ重要だと思ったのが、Google アナリティクスにおけるマルチタッチアトリビューションの強化だ。インプレッションを含むマルチタッチアトリビューションが可能になり、ビュースルーコンバージョン(VTC)などの新指標が利用できるようになる。Googleやその他プラットフォームの効果測定の全体像を把握できるようになったのも大きいと思いました。

これまでビュースルーコンバージョンの適切な計測は、ADHなど専門知識が必要だった。それが標準機能として提供されることで、効果測定の専門性も民主化される。どこまでの範囲がビュースルーで可視化できるのかが楽しみです。

インハウス化の波は止まらない

これら2つの機能強化は、明らかにインハウス化を後押ししている。実際に広告代理店からも「クライアントからインハウス化の相談が増えている」という話をよく聞くようになった。

その背景には、AIが複雑な作業を自動化することで運用が簡素化されていることがある。パフォーマンスレポートも充実し、透明性が向上したことで、広告主にとって代理店に依存する必要性が薄れてきている。加えて、経営環境の厳しさから代理店手数料への疑問も高まっており、コスト削減の観点からもインハウス化が検討されやすくなっているのが現実になっています。

では、代理店は不要になるのか。個人的にはそうは思いません。ただし、提供価値の大幅な転換が求められるのは確実です。従来の運用の専門技術、アカウント構築スキル、細かな最適化作業といった価値は間違いなく減少していく。

一方で、今後はビジネス戦略との連携、クリエイティブ戦略の立案、全体的なマーケティング設計、データ分析に基づく事業提案といった、より戦略的な価値が求められるようになると考えています。

代理店には厳しい現実だが、同時に新たな可能性も開けている。技術的な運用から戦略的なパートナーシップへ。この転換点で、どのような価値を提供できるかが問われると思います。

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