ホーム » コラム » 経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」 » 2024年10月 » 2024年10月のインターネット広告費、前年比7.2%増と堅調な成長を維持

2024年10月のインターネット広告費、前年比7.2%増と堅調な成長を維持

この記事は4分で読むことができます。

記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • 経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によるインターネット広告費の推移

こんな方へオススメの記事

    • インターネット広告業界で働く方や、これから働きたいと考えている方。

この記事を実践するための準備

    • 自社のデジタル広告費用の推移

 

2024年10月のインターネット広告費

経済産業省が発表した「特定サービス産業動態統計調査」のインターネット広告費の結果をグラフ化しました。売上高は2019年から2024年にかけて全体的に増加傾向にあります。それでは2024年10月まではどうなったのか見ていきます。

参照:特定サービス産業動態統計調査(広告業の中のインターネット広告費)

 

2024年10月までのインターネット広告費の推移を見ていきましょう。
* 2024年1月の売上高は122,012百万円で、前年同月比0.4%減
* 2024年2月の売上高は123,301百万円で、前年同月比1.6%増
* 2024年3月の売上高は166,631百万円で、前年同月比12.9%増
* 2024年4月の売上高は136,696百万円で、前年同月比1.9%増
* 2024年5月の売上高は115,237百万円で、前年同月比1.4%増
* 2024年6月の売上高は118,908百万円で、前年同月比8.3%増
* 2024年7月の売上高は127,411百万円で、前年同月比14.2%増
* 2024年8月の売上高は122,739百万円で、前年同月比7.0%増
* 2024年9月の売上高は128,406百万円で、前年同月比9.7%増
* 2024年10月の売上高は126,213百万円で、前年同月比7.2%増

2024年10月のインターネット広告費は、前年同月比7.2%増の126,213百万円となりました。この結果は、9月の9.7%増から成長率が低下したものの、引き続き堅調な成長を示しています。

10月の売上高は2023年10月の117,697百万円から増加しており、インターネット広告市場の規模拡大が継続していることがうかがえます。9月からの成長率低下は一時的な調整とも考えられますが、市場の拡大基調は維持されています。

2024年に入ってからのインターネット広告費の推移を見ると、1月と2月は前年同月比でほぼ横ばい、3月は大幅な増加、4月と5月は小幅な増加、6月以降は高い成長率を維持しており、後半に向けて市場が活況を呈していることがわかります。これは、広告主の広告予算の配分時期や、季節的な需要の変動、さらには経済状況の改善などが複合的に影響している可能性があります。

2024年1-10月のインターネット広告費は、前年同期比で約7.4%増加し1,287,538百万円となりました。年初は緩やかな成長でしたが、3月と6月以降に高い成長率を記録。市場は着実に拡大し、特に下半期に入って成長が持続しています。

 

4マス媒体の広告費(2024年10月

 

2024年10月の4マス媒体の広告費を見ると、9月とは異なる傾向が見られます。

テレビ広告費は前年同月比4.2%増の104,567百万円となりました。9月の3.6%増から成長率が上昇し、堅調な成長を維持しています。新聞広告費は4.8%減の13,982百万円でした。9月の7.3%減からはマイナス幅が縮小したものの、引き続き減少傾向が続いています。デジタル媒体へのシフトの影響が継続している可能性があります。ラジオ広告費は0.2%増の2,812百万円。9月の0.4%減からプラスに転じ、わずかながらも回復の兆しが見られます。ラジオ広告市場は小規模ながら、安定した水準を維持しています。雑誌広告費は12.3%減の3,724百万円と、9月の19.8%減からは減少幅が縮小したものの、依然として大きな減少が続いています。雑誌広告市場は月ごとの変動が大きく、安定性の確保が課題となっています。

2024年10月の4マス媒体広告費は、テレビとラジオがプラス成長を示す一方、新聞と雑誌は引き続き減少傾向にあります。広告市場全体の回復基調は続いているものの、媒体による業績の差が依然として顕著な状況が続いています

 

最後に

2024年10月の結果は、デジタル広告が7.2%増と堅調な成長を維持する一方、4マス媒体ではテレビとラジオがプラス成長となったものの、新聞と雑誌は減少が続くなど、依然として明暗が分かれる結果となりました。広告市場全体としては拡大傾向を維持していますが、媒体間の格差は解消されていません。

ただし、デジタル広告業界では、広告主のインハウス化の動きがさらに加速し、広告代理店への手数料減額要請も強まっています。これにより、デジタル広告代理店の利益率維持が一層困難になりつつあり、フリーランス人材の需要が継続的に高まっています。この傾向は、デジタル広告市場の構造的な変化を一層鮮明にしており、業界全体での新たなビジネスモデルの構築が求められています。

上部へスクロール