この記事は4分で読むことができます。
記事サマリー
この記事を読んでわかること
-
- 経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によるインターネット広告費の推移
こんな方へオススメの記事
-
- インターネット広告業界で働く方や、これから働きたいと考えている方。
この記事を実践するための準備
-
- 自社のデジタル広告費用の推移
目次
2024年8月のインターネット広告費
経済産業省が発表した「特定サービス産業動態統計調査」のインターネット広告費の結果をグラフ化しました。売上高は2019年から2023年にかけて全体的に増加傾向にあります。それでは2024年8月まではどうなったのか見ていきます。
参照:特定サービス産業動態統計調査(広告業の中のインターネット広告費)
2024年8月までのインターネット広告費の推移を見ていきましょう。
* 2024年1月の売上高は122,012百万円で、前年同月比0.4%減
* 2024年2月の売上高は123,301百万円で、前年同月比1.6%増
* 2024年3月の売上高は166,631百万円で、前年同月比12.9%増
* 2024年4月の売上高は136,696百万円で、前年同月比1.9%増
* 2024年5月の売上高は115,237百万円で、前年同月比1.4%増
* 2024年6月の売上高は118,908百万円で、前年同月比8.3%増
* 2024年7月の売上高は127,411百万円で、前年同月比14.2%増
* 2024年8月の売上高は122,739百万円で、前年同月比7.0%増
2024年8月のインターネット広告費は、前年同月比7.0%増の122,739百万円となりました。この結果は、7月の14.2%増と比べると成長率が鈍化しているものの、依然として堅調な成長を示しています。
8月の売上高は2023年8月の114,679百万円から増加しており、インターネット広告市場の規模拡大が継続していることがうかがえます。7月の大幅な成長の後、8月も引き続きプラス成長を維持したことは、市場の安定的な拡大を示唆しています。
2024年に入ってからのインターネット広告費の推移を見ると、1月と2月は前年同月比でほぼ横ばい、3月は大幅な増加、4月と5月は小幅な増加、6月と7月に大きな増加、そして8月は再び一桁台の成長率と、月ごとに伸び率の変動が見られます。これは、広告主の広告予算の配分時期や、季節的な需要の変動、さらには経済状況の変化などが複合的に影響している可能性があります。
2024年1-8月のインターネット広告費は、前年同期比で約7.0%増加し1,032,935百万円となりました。年初は緩やかな成長でしたが、3月と6-8月に高い成長率を記録。市場は着実に拡大し、特に後半に向けて成長が加速しています。
4マス媒体の広告費(2024年8月
2024年8月の4マス媒体の広告費を見ると、7月の傾向がさらに強まっている様子が見られます。
テレビ広告費は前年同月比4.9%増の99,306百万円となりました。7月の3.9%増からさらに成長率が上昇し、テレビ広告市場の回復が一層加速しています。
新聞広告費は3.9%増の12,638百万円でした。7月の1.0%増からさらに成長率が上昇し、新聞広告市場が明確な回復基調に入ったことを示しています。デジタル媒体へのシフトは続いているものの、新聞広告の価値再評価の動きがより強まっているようです。
ラジオ広告費は0.1%減の2,767百万円。7月の2.0%増から若干のマイナスに転じましたが、ほぼ横ばいを維持しています。ラジオ広告市場は小規模ながら、安定した需要を保っていることがうかがえます。
雑誌広告費は48.4%増の3,780百万円と、7月の24.2%増からさらに大幅な成長を記録しました。雑誌広告市場の回復が加速し、他の媒体を大きく上回る成長率を示しています。
2024年8月の4マス媒体広告費は、全体として回復傾向がさらに強まっています。ラジオを除く全ての媒体で高い成長率が見られ、広告市場全体の活況を反映しています。
最後に
2024年8月の結果は、4マス媒体とデジタル広告の両方が好調な成長を示しており、広告市場全体の拡大を反映しています。特に4マス媒体の回復が顕著で、デジタル広告も安定した成長を維持しています。
ただし、デジタル広告業界では、広告主のインハウス化の動きが強まり、広告代理店への手数料減額要請が増加しています。これにより、デジタル広告代理店の利益率維持が困難になりつつあり、フリーランスの需要が高まっています。この傾向は、デジタル広告市場の構造的な変化を示唆しており、業界全体に新たな課題をもたらしています。
Web業界にて20年以上、大手から中堅代理店の顧問を請負。デジタルマーケティングを中心に、主に広告関係の教育や研修、コンペの相談に乗っています。またSEMのお役立ちツールもスクラッチで開発。現在も電通グループの顧問、Shirofuneのアルゴリズム作成補助など担当しています。皆さまに心から信頼されるパートナーであり続けるために日々研鑽しております。皆様に直接お会いし、お話しできる機会がありましたら、SEMの運用コンサルから無料相談まで、ぜひお気軽にお声がけください。