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2024年4月のインターネット広告費、前年比1.9%増と売上高は微増

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記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • 経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によるインターネット広告費の推移

こんな方へオススメの記事

    • インターネット広告業界で働く方や、これから働きたいと考えている方。

この記事を実践するための準備

    • 自社のデジタル広告費用の推移

 

インターネット広告費(2024年4月

経済産業省が発表した「特定サービス産業動態統計調査」のインターネット広告費の結果をグラフ化しました。売上高は2019年から2023年にかけて全体的に増加傾向にあります。それでは2024年4月まではどうなったのか見ていきます。

参照:特定サービス産業動態統計調査(広告業の中のインターネット広告費)

 

2024年4月までのインターネット広告費の推移を見ていきましょう。

  • 2024年1月の売上高は122,012百万円で、前年同月比0.4%減。
  • 2024年2月の売上高は123,301百万円で、前年同月比1.6%増。
  • 2024年3月の売上高は166,631百万円で、前年同月比12.9%増。
  • 2024年4月の売上高は136,696百万円で、前年同月比1.9%増。

2024年4月のインターネット広告費は、前年同月比1.9%増の136,696百万円となりました。この結果は、3月の大幅な増加率(12.9%)と比べると伸び率が鈍化しているように見えます。

ただし、4月の売上高自体は2023年4月の134,144百万円から増加しており、インターネット広告市場の規模は拡大し続けていると言えます。また、2024年3月の売上高が非常に高い水準であったことを考慮すると、4月の伸び率が一時的に低下するのは自然な流れとも捉えられます。

2024年に入ってからのインターネット広告費の推移を見ると、1月と2月は前年同月比でほぼ横ばい、3月は大幅な増加、4月は小幅な増加と、月ごとに伸び率にばらつきが見られます。これは、広告主の広告予算の配分時期や、季節的な需要の変動などが影響している可能性があります。

今後の動向を予測するには、より長期的なデータの蓄積と分析が必要ですが、2024年4月までの結果からは、インターネット広告市場が引き続き成長傾向にあることが読み取れます。ただし、その成長率は一定ではなく、月ごとの変動にも注意が必要です。

インターネット広告市場は、今後ポストCookieによる影響、プライバシーサンドボックスの精度、1stパーティデータの活用、アドフラウド問題など、技術革新や消費者行動の変化、経済状況など、様々な要因の影響を受けます。

 

 

4マス媒体の広告費(2024年4月

 

2024年4月の4マス媒体の広告費を見ると、3月とは異なる傾向が見られます。

テレビ広告費は前年同月比5.3%減の100,934百万円となりました。3月の4.2%増から一転してマイナス成長に転じています。この変化は、4月特有の季節性や、広告主の予算配分の変更などが影響している可能性があります。

新聞広告費は9.5%減の12,393百万円でした。3月の7.2%増から再びマイナス成長に戻っており、新聞広告市場の不安定さがうかがえます。デジタル媒体へのシフトが続く中、新聞広告の業績回復には課題が残ります。

ラジオ広告費は4.2%減の2,701百万円。3月の5.9%増から減少に転じました。ラジオ広告市場の規模の小ささが、伸び率の変動に影響を与えている可能性があります。

雑誌広告費は38.8%増の3,642百万円と、大幅な増加率を示しました。3月の3.4%増から急加速しています。ただし、雑誌広告市場の規模自体は小さく、伸び率の大きさが実際の市場の変化を反映しているとは限りません。

2024年4月の4マス媒体広告費は、3月とは対照的に低調な結果となりました。テレビ、新聞、ラジオ広告がマイナス成長となり、4月の広告市場の厳しさを示しています。一方で、インターネット広告費は1.9%増と、4マス媒体と比べると相対的に高い成長率を維持しました。デジタル広告市場の成長力の高さが再確認された形です。

 

最後に

トレンドを見るうえでは、長期的な視点が重要です。2023年からの推移を振り返ると、インターネット広告市場は4マス媒体を上回る成長率を示しています。2024年3月には、インターネット広告の伸び率が12.9%に達し、4マス媒体を大きくリードしました。これに対し、4月は1.9%増と伸び率が鈍化したものの、テレビ、新聞、ラジオがマイナス成長となる中、プラスを維持しています。このことは、インターネット広告市場の底堅さと、4マス媒体市場の構造的な課題を浮き彫りにしていると言えるでしょう。

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