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Google Marketing Live 2024:AIが切り拓くデジタルマーケティングの未来

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記事サマリー

この記事を読んでわかること

    • Google Marketing Live 2024で発表された最新の広告機能と、それらがマーケティングにもたらす影響
    • AIを活用した広告運用の方法と、その効果的な実践方法

こんな方へオススメの記事

    • GoogleやYouTubeの広告運用に携わるマーケター、広告代理店の方
    • AIを活用したマーケティング手法に興味がある方

この記事を実践するための準備

    • Google広告やGoogle マーチャントセンターのアカウントを開設し、基本的な設定を済ませて

 

Google Marketing Live 2024とは?

Google Marketing Live 2024は、2024年5月21日火曜日、太平洋時間午前9時(日本時間5月22日午前1時)にオンラインで開催されました。カリフォルニア州マウンテンビューからライブ配信され、広告の最新機能やベストプラクティスを発表されました。

このイベントでは、2023年に発表されたAI関連機能のさらなる進化が紹介され、生成型AIを活用した広告作成機能やSearch Generative Experience(SGE)での広告表示、Performance Max(P-MAX)キャンペーンの強化など、AIを中心とした革新的な機能が実用段階に入ったことが明らかになりました。また、プライバシー保護とパーソナライゼーションの両立、オンラインとオフラインの連携強化、動画広告の新機能など、デジタルマーケティングの最新トレンドや課題に対応するソリューションも数多く発表されました。

参照ページ:Google Marketing Live 2023: 重要ポイント

Google Marketing Live 2024を通じて、GoogleがAIを活用したマーケティングソリューションの開発をリードしていることが改めて示され、デジタルマーケティングの未来を切り拓く最新の成果が披露されました。このイベントは、マーケターや広告代理店にとって、業界の動向を把握し、新しい手法を学ぶ貴重な機会となっています。

参照動画:Google Marketing Live Keynote 2024
参照ページ:Google Marketing Live 2024: 重要ポイント

詳細は参照ページにまとまっていますが、内容の概要を記載致します。

 

重要な発表①:P-MAXの新機能

検索キャンペーンとP-MAXを組み合わせることで、Google のあらゆるチャネルにおいて最強のコンバージョンと投資対効果(ROI)を達成できるようになったことです。これらは「Ads Power Pair」と呼ばれ、広告主にとって強力なツールです。

ブランドに沿ったビジュアル広告の作成がより容易になりました。広告主はブランドのガイドライン(色やフォントなど)をGoogle AIに提供することで、様々なフォーマットやチャネルでブランドに沿った広告を配信できます。
パフォーマンス分析とレポーティングの面でも、大きな改善が見られました。YouTube の動画レベルでの掲載レポートが改善され、YouTube での掲載先の透明性が向上しました。また、数か月以内にアセットレベルのレポーティングが追加され、各クリエイティブ アセットのパフォーマンスを把握できるようになります。さらに、コンバージョンリフト調査により、キャンペーンの incrementality(広告によって追加的に発生したコンバージョン)を測定できるようになりました。

 

重要な発表②:検索広告の革新

ビジュアル検索の面では、Google レンズや Circle to Search(かこって検索) を使用して検索する際に、ショッピング広告が検索結果の上部に表示されるようになります。これにより、ユーザーが写真やスクリーンショットで検索した際に、関連性の高い商品を目立つ位置でアピールできるようになりました。

次に、AIを活用した双方向型の検索広告体験が登場します。広告主は、ユーザーが写真などのマルチモーダル入力を通じて好みを共有し、それに対してパーソナライズされたおすすめを提供するインタラクティブな広告を作成できるようになりました。この新しい広告体験は、米国の一部の広告主を対象に数週間以内にテストが開始される予定です。

また、会話をして検索キャンペーンを作成出来る機能を利用し、ウェブサイトの1つのURLだけで、適切な部分一致キーワードとアセットを備えた理想的な検索キャンペーン設定を作成できるようになります。

 

重要な発表③:デマンドジェンキャンペーン

Display & Video 360とSearch Ads 360でデマンドジェンキャンペーンの取扱いができるようになり、Flood light計測による最適化が可能になります。また、YouTube ShortsでMerchant Centerからの画像を使用したアニメーション画像広告を配信できるようになり、ビジュアル面での訴求力が高まります。さらに、動画アセットをピン留めすることで、特定の広告面への配信をコントロールできるようになりました。

オーディエンスとしては、既存顧客と類似した新規オーディエンスにリーチできる類似セグメントの作成に必要なリストサイズが、1,000件から100件に引き下げられました。これにより、より小規模な企業でも類似セグメントを活用しやすくなります。

 

重要な発表④:EC向けのイノベーション

AIを活用した動画・製品画像の作成機能が追加されました。Product Studioを使用することで、静止画から魅力的な動画を瞬時に生成できます。また、Google検索における視覚的なブランドプロファイルの導入や、ショッピング広告内での没入型の動画体験の提供、バーチャル試着機能の拡張など、ユーザーとのエンゲージメントを深める様々な施策が発表されました。

さらに、スマート自動入札の新目標「利益最適化」や、ロイヤルティメンバー向けの広告表示、初回購入者向けの特別価格表示など、顧客ロイヤルティの向上につながる機能も追加されます。加えて、Merchant Center Nextでは、AIを活用したアクショナブルなパフォーマンスインサイトが提供されるようになります。

 

重要な発表⑤:YouTube広告の新機能

YouTube広告では、ショート広告でのインタラクティブ性の向上が図られます。商品フィードやアプリストア情報を使用したクリック可能なステッカーを導入することで、ユーザーのコンバージョン率を高められます。また、クリエイターとのパートナーシップ広告「Brand Connect」により、クリエイターの動画をYouTube広告として活用し、新しいオーディエンスセグメントを作成することも可能になります。

さらに、YouTube広告の掲載先に関する透明性も向上します。業界のアジャセンシー基準に基づいて、広告が表示されるコンテンツを把握できるようになり、サードパーティのパートナーがショート広告の掲載先にアクセスしてレポートを作成することも可能になります。

 

重要な発表⑥:測定とオーディエンス

Google Ads Data Managerを使用してファーストパーティデータの活用を簡素化できるようになりました。また、Googleアナリティクス4のシグナルを活用して、新規顧客獲得の目標設定を改善し、クロスチャネルでのキャンペーン予算の管理や、Google広告や検索結果ページを訪問したユーザーを再エンゲージメントできるようになります。

分析面では、Googleアナリティクス4のインサイトカードにAIが活用され、データのトレンドや変化を分かりやすく説明し、推奨アクションを提示します。また、Measurement Diagnosticsという新しいハブで、計測設定の検証とトラブルシューティングを一元的に行えるようになります。

さらに、Meridianというオープンソースのマーケティングミックスモデリング(MMM)ツールが提供され、マーケティング戦略の影響をより確実に測定できるようになります。

 

重要な発表⑦:アプリ向け機能

Web to App Connectによるアプリ内コンバージョンの増加や、iOSアプリのより正確な測定とパフォーマンス改善のためのSKAdNetworkレポーティングの強化が発表されました。また、地理的な実験設定により、iOSとAndroidのアプリキャンペーンのインクリメンタルROIを測定できるようになります。

 

最後に

AIを活用した革新的な機能が数多く発表されました。P-MAXや検索広告、YouTube広告などの主要プロダクトが大きく進化し、ブランドに沿ったクリエイティブの作成、没入型の広告体験の提供、オーディエンスターゲティングの強化など、マーケターに多くの価値をもたらす施策が盛り込まれています。

また、測定面でもAIを活用した分析インサイトの提供や、クロスチャネル予算管理、MMM などの強化が図られ、データドリブンなマーケティングの基盤がさらに強固なものになります。

これらの新機能を活用することで、広告主はAIの力を駆使してマーケティングの効果を最大化し、ユーザーとのエンゲージメントを深めることができるでしょう。Google Marketing Live 2024で発表された内容は、AIを中心としたマーケティングの未来への展望を示すものであり、マーケターにとって大きな学びと実践への示唆に富んでいます。

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